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2022.06.08
#泌尿器科 #対象疾患

勃起不全

勃起不全とは

勃起不全(ED)とは、性交を行うために十分な勃起ができない、または勃起状態が続かない状態のことです。なかでも、これまでに一度も勃起の経験がなかったり勃起を持続できたことがなかったりする場合は“原発性ED”、以前までは勃起できていた人が勃起不全になった場合は“続発性ED”と呼ばれます。

勃起の仕組みと原因

勃起は通常、性的欲求が高くなった際に起こります。性的刺激によって勃起に関わる神経から特殊な物質が分泌され、勃起に関わる陰茎海綿体という組織に信号が送られます。すると、陰茎海綿体に血液が多く流れ込み、血液がたまることで勃起が起こるといわれています。

このことからも勃起不全の原因には主に血管や神経、または精神的な部分に関係して発症すると考えられています。具体的には、加齢のほかにも糖尿病や高血圧症、外傷や手術などによる神経や血管の障害などによる身体的なものと、ストレスなどによる心理的なものが挙げられます。

勃起不全と年齢との関係性

勃起不全では、年齢や精神的なことが関係していると思っている方も少なくありません。確かに年齢を重ねるごとに増える傾向にありますが、若い年代でも発症することがあるので、年代問わず起こり得る病気だと考えられています。また、50歳代以上では動脈硬化(血管が硬く狭くなり、血液の流れが悪くなった状態)が関係していることが多いといわれています。

このように、勃起不全の原因はさまざまあり、単に加齢によるものだけではありません。時に病気が関係していることもあるため、気になる症状がある場合は放置せず早めに受診を検討することが大切です。治療によって、よりよい日常生活を送れるようになる可能性もあります。

勃起不全の症状

主な症状

勃起不全では以下のような症状がみられることがあります。

  • まったく勃起できない
  • 勃起できるが性交において十分な時間ではない
  • 硬さが不十分

など

受診の目安

勃起が起こらないときはもちろんですが、たまにでも勃起できないことがある場合や、自分が勃起に対して満足できていない場合も治療対象となるため、気になる際は受診を検討するとよいでしょう。

勃起不全の治療を行う診療科は、以前は泌尿器科が中心となっていました。しかし、生活習慣が関連するケースが増えていることから、最近は内科での治療が中心となってきています。泌尿器科を受診してもよいですが、まずは内科のかかりつけ医に相談してもよいでしょう。

勃起不全の治療のポイント

飲み薬

勃起不全の治療には、PDE5阻害薬を使うことが一般的です。PDE5阻害薬とは、陰茎の血管を広げ、血流量を増やして勃起を促し持続させる効果が期待できます。さらに、陰茎の血管障害の進行を抑制するはたらきもあることから、勃起不全の悪化防止にも効果が期待できるとされています。

薬は、性行為を行う1時間ほど前に1錠飲みます。また、次の服用まで24~48時間(薬の種類によって異なる)の間隔をあける必要があるため、注意が必要です。薬で十分な効果が得られない場合は、勃起不全の原因を突き止め、必要な治療を行ったり心療内科でカウンセリングを行ったりすることもあります。

勃起不全になったときに気を付けたいポイント

焦らずに治療を継続する

勃起不全は薬によって改善が見込めますが、初めての服用時は効果がやや弱いことがあるといわれています。緊張などが原因として考えられているため、もし1回目の効果が不十分でも、焦らず2回目以降に期待するとよいでしょう。

また、薬の効果を十分に引き出すためには生活の中でもさまざまな心がけが必要です。たとえば、十分な睡眠や程よい飲酒などです。ただし、お酒の飲みすぎは逆効果になることがあるため注意しましょう。薬によっては食後に飲むと効果が弱くなるものもあるため、満腹時の服用は避け、空腹時を狙って飲むとよいでしょう。パートナーと協力し、性的な刺激を工夫することなども大切です。

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