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2026.04.23
#自費診療

アクイプタ

アクイプタ(アトゲパント)とは?片頭痛の新しい飲み薬を医師が解説

「突然、頭が割れるように痛くなる」「週末の予定を頭痛でキャンセルしてしまった」そんな経験を繰り返している方は、少なくありません。片頭痛は単なる頭痛ではなく、日常生活や仕事、人間関係にまで影響を及ぼす慢性疾患です。市販薬を飲んでも効かなかったり、痛み止めに頼りすぎていると言われたり、悩まれている方もいます。

2026年4月、片頭痛に悩む方々に向けた新しい選択肢が登場しました。アクイプタ(一般名:アトゲパント)は、片頭痛の発生を根本から抑えることを目的とした経口の予防薬です。臨床試験では日本人に対する有効性と安全性が確認されており、1日1回の服用で頭痛が起きる日数を減らす効果が期待されています。

この記事では、アクイプタの効果や副作用、従来の片頭痛予防薬との違いなどについて、医師の立場からわかりやすく解説します。

イーヘルスクリニック新宿院では、片頭痛治療薬のナルティークOD錠の処方対応もしております。以下の記事では、ナルティークOD錠について詳しく解説しています。
>>【新宿】片頭痛治療薬「ナルティークOD錠」の処方ならイーヘルスクリニック新宿院

アクイプタ(アトゲパント)とは?基本情報の解説

アクイプタ(アトゲパント)に関する薬の概要と、臨床試験の結果・効果の実感について解説します。

薬の概要

アクイプタの基本概要は以下のとおりです。

項目 内容
一般名 アトゲパント
薬の種類 CGRP受容体拮抗薬(ゲパント系)
承認・発売 2026年2月承認、同年4月発売(薬価収載済)
用法・用量 1日1回60mg、毎日服用
食事の影響 なし(食前・食後どちらでも可)
適応 成人の片頭痛発作の発症抑制(予防)

片頭痛の発症に関わるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が関わっています。アクイプタが属する「ゲパント系」は、CGRP受容体をブロックすることで、片頭痛が起きにくい状態にします。従来のCGRP関連製剤には注射薬(月1回〜3ヶ月に1回投与)しかありませんでした。

アクイプタは毎日飲む経口薬であるため、注射に抵抗のある方や、自宅で手軽に管理したい方に新たな選択肢となります。アクイプタは片頭痛の予防薬であり、痛みが出てから飲む急性期治療薬(トリプタンなど)とは役割が異なります。毎日継続して服用することで頭痛の頻度を減らすことを目的としています。

臨床試験の結果・効果の実感

アクイプタの有効性は、日本人を含む臨床試験によって確認されています。主要な評価指標である月間片頭痛日数(MMD)において、プラセボと比較して平均1〜2日の有意な減少が認められました。一見すると小さな差に感じるかもしれませんが、毎月繰り返される片頭痛の苦しみを考えると、日常生活の質に影響します。

予防薬全般に共通することですが、アクイプタも服用直後から劇的に効果が出るわけではありません。毎日継続して飲み続けることで、体内のCGRP受容体が安定してブロックされた状態が維持されます。頭痛が起きる回数や痛みの強さの改善を目指せます。

一般的には1〜3か月程度を目安に継続して服用し、効果を見極めることが推奨されます。短期間で効果がないと感じ、自己判断で中止してしまう方もいますが、予防薬は一定期間の継続が大切です。効果の評価や継続の判断は、必ず担当医と相談しながら進めてください。

片頭痛の原因「CGRP」とアクイプタの仕組み

偏頭痛の原因やアクイプタの仕組みについて以下を解説します。

  • CGRPとは?片頭痛を引き起こすメカニズム
  • アクイプタはCGRPの受容体をブロックする

CGRPとは?片頭痛を引き起こすメカニズム

CGRPは、脳と顔面、頭部をつなぐ三叉神経の末端から放出されるペプチド(タンパク質の一種)です。通常時は体内に存在しても問題ありませんが、片頭痛の発作が起きると、CGRPが大量に放出されます。放出されたCGRPは血管壁にある「CGRP受容体」に結合し、以下のような反応を引き起こします。

  1. 血管の拡張:頭部の血管が異常に広がる
  2. 炎症の発生:血管周囲の組織に炎症が広がる
  3. 強い痛みの発生:片頭痛特有の「脈打つような激しい頭痛」につながる

CGRPは片頭痛発作の引き金となる中心的な物質です。CGRPをいかに制御するかが、片頭痛治療における重要な課題です。

アクイプタはCGRPの受容体をブロックする

アクイプタは、CGRPそのものを除去するのではなく、CGRPが結合する「受容体」をブロックする仕組みで働きます。その結果、以下の流れで片頭痛の発作抑制が期待できます。

  1. CGRPが放出される
  2. 受容体がブロックされているため結合できない
  3. 血管拡張・炎症が起きない
  4. 片頭痛発作が起きにくくなる

毎日服用することで、受容体のブロック状態が継続しやすくなります。効果の持続性が、頭痛の頻度や強さを慢性的に抑える「予防効果」が目指せます。痛みが出てから飲む薬(急性期治療薬)とは根本的に作用のタイミングが異なる点が、アクイプタの特徴です。

アクイプタが向いている方

アクイプタは、以下のような方に特に適していると考えられます。

  • 頭痛の頻度が多い方
  • 従来の予防薬が合わなかった方
  • 急性期治療薬だけでは管理できなくなっている方
  • 注射が苦手な方

頭痛の頻度が多い方

片頭痛の予防薬は、一般的に月に2回以上の発作がある方、または月4〜6日以上頭痛が続く方に検討されます。慢性片頭痛(月15日以上頭痛がある状態)の方も対象となります。頭痛の回数が多いほど、日常生活への支障も大きくなるため、発作そのものの頻度を減らす予防療法が重要です。

花粉症でも、鼻づまりやくしゃみによる影響で頭痛を発症する方がいます。以下の記事では、花粉症の症状について詳しく解説しています。
>>花粉症でみられる息苦しさや倦怠感、頭痛の原因や対処法とは?

従来の予防薬が合わなかった方

従来の片頭痛予防薬は、β遮断薬や抗てんかん薬、三環系抗うつ薬などが処方されていました。一方で、眠気や体重増加、倦怠感などの副作用が問題で、続けたくても続けられない方も少なくありません。従来の薬で十分な効果が得られなかった方にとっても、CGRPに有効性を作用するアクイプタは、新たな選択肢となります。

急性期治療薬だけでは管理できなくなっている方

頭痛の度に、トリプタンや市販の鎮痛薬を飲む対処を繰り返しているうちに、薬を飲む頻度が増えてしまう方がいます。このような状態が続くと「薬物乱用頭痛(MOH)」に陥る可能性があります。薬物乱用頭痛(MOH)は、薬を飲むこと自体が頭痛を悪化させる恐れがあります。

アクイプタで発作の頻度を減らせると、急性期治療薬の使用回数の頻度も抑えることが目指せます。

発熱と頭痛が併発している場合は、風邪以外にも髄膜炎や脳腫瘍が関連している可能性があります。以下の記事では、発熱と頭痛が併発した際に疑われる疾患について解説しています。
>>発熱と頭痛が現れる病気とは? 

注射が苦手な方

従来のCGRP関連予防薬(エムガルティ・アジョビ・アイモビーグなど)は、いずれも皮下注射製剤でした。使用頻度は、月1回または3か月に1回使用していました。CGRPを標的にした薬に興味はあるが、注射は避けたい方にとって、毎日1錠飲むだけのアクイプタは取り入れやすい選択肢です。

アクイプタの使用に注意が必要な方

アクイプタはすべての方に適しているわけではありません。使用前に必ず医師に相談が必要なケースがあります。現時点では、小児を対象とした臨床試験が実施されておらず、安全性や有効性のデータがありません。そのため、18歳未満の方への使用は原則として行われていません

以下に該当する方は、医師との慎重な相談が必要です。

  • 妊娠もしくは授乳中である
  • 重度の肝機能障害がある
  • 重度の腎機能障害がある

妊娠中もしくは妊娠の可能性がある方や、授乳中の方は胎児・乳児への影響が評価されていません。そのため、使用の可否について必ず担当医に相談してください。重度の肝機能障害や腎機能障害がある方では、薬の代謝や排泄に影響が出る可能性があります。投与を開始する際には、慎重な判断が求められます。

持病や服用中の薬がある方も、相互作用の観点から事前に医師や薬剤師へ申告することが大切です。

アクイプタの副作用と注意点

アクイプタの副作用と注意点については、以下の知識を事前に把握しておきましょう。

  • よく見られる副作用(発現率1%以上)
  • まれに起こる重大な副作用
  • その他の注意点

よく見られる副作用(発現率1%以上)

アクイプタの臨床試験(60mg・1日1回投与)において、副作用の発現率は約15〜17%と報告されています。比較的多く見られる副作用は、以下があげられます。

  • 悪心(吐き気)
  • 便秘
  • 倦怠感
  • 食欲減退
  • 眠気
  • 体重減少
  • 肝機能値の上昇

副作用の多くは軽度であり、服用を続けるうちに自然と改善していくケースがほとんどです。副作用が出たから即中止するのではなく、症状の程度や継続期間を観察しながら、担当医に相談することが大切です。

新しい薬を始めるとき、副作用の情報を見て不安になる方も少なくありません。臨床試験では、約83〜85%の方に副作用は認められていません。必要以上に心配せず、気になる症状があれば医師に伝えるようにしてください。

まれに起こる重大な副作用

頻度は低いものの、肝機能障害や過敏症(アレルギー反応)の副作用が報告されており、注意が必要です。肝機能障害は、定期的な血液検査で肝機能の数値を確認することが推奨されます。自覚症状は、以下が現れる可能性があります。

  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 強い倦怠感
  • 食欲の著しい低下
  • 濃い色の尿

上記の症状が現れた場合は、自己判断で服用を続けず、速やかに服用を中止して医療機関を受診してください。

過敏症(アレルギー反応)は、発疹や蕁麻疹、顔面の浮腫などが報告されています。服用後に皮膚の異常やのどの違和感、息苦しさなどを感じた場合も服用を中止し、すぐに受診してください。重大な副作用は頻度としてはまれですが、早期に気づいて対応することが大切です。

その他の注意点

アクイプタは、一部の薬と組み合わせることで、効果や副作用に影響が出る場合があります。肝臓の代謝酵素(CYP3A4)に作用する薬剤との相互作用が知られています。抗真菌薬や一部の抗生物質、てんかんの薬などを服用している方は注意が必要です。

市販薬やサプリメントも含め、現在服用しているすべての薬を、処方前に医師や薬剤師に伝えてください。副作用の情報は、薬を安全に使うための大切な知識です。副作用を過剰に心配する必要はありませんが、異常を感じたときに適切に行動できる事前把握が大切です。 

よくある質問(FAQ)

アクイプタに関する、よくある質問についてお答えいたします。

  • アクイプタはいつ飲めばいい?
  • 効果はいつから感じられる?
  • 飲み忘れたらどうしたらいい?
  • 保険は適用される?
  • 子どもや妊婦は飲める?

Q.アクイプタはいつ飲めばいい?

アクイプタは食事の影響を受けにくい薬であるため、食前・食後のどちらでも服用できます。飲むタイミングの制約がない点は、日常生活に取り入れやすいメリットの一つです。

服用タイミングとして大切なのは、毎日できるだけ同じ時間帯に飲むことです。一定のリズムで服用することで血中濃度が安定し、より持続的な予防効果が期待できます。「朝食後」「就寝前」など、自分の生活習慣に合わせた時間帯を決めて、習慣化しましょう。

Q.効果はいつから感じられる?

アクイプタは予防薬であるため、服用した当日や翌日に即効性を感じる薬ではありません。一般的には、数週間~数か月間継続して服用することで、頭痛の頻度や強度が徐々に改善されていきます。

臨床試験でも12週間にわたって効果が評価されており、服用を継続するほど効果が積み重なっていく性質の薬です。効果の実感には個人差がありますので効果を感じにくい場合も、自己判断で中止せず、担当医に相談してください。

Q.飲み忘れたらどうしたらいい?

飲み忘れに気づいた時点で、1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、その回を飛ばして通常のスケジュールに戻すようにしてください。飲み忘れを補うために、2回分をまとめて服用することは避けてください。

予防薬は毎日継続することが効果の維持につながるため、できるだけ飲み忘れを防ぐ工夫が大切です。スマートフォンのアラームを活用したり、歯磨きや食事など日常の行動とセットにしたり、服用するルーティンをつくりましょう。

Q.保険は適用される?

アクイプタは健康保険の適用を受けられます。ただし、保険診療として処方されるためには、片頭痛の診断を受けなければなりません。頭痛の発作頻度や既存の予防薬に対する治療歴など使用基準を満たす必要があります。

新薬であるため、発売から1年間は1回の処方につき14日分までという処方日数の制限が設けられています。制限は一定期間が経過すると解除される見込みです。費用の目安については、保険の種類や自己負担割合によって異なります。処方を受ける医療機関や薬局でご確認ください。

Q.子どもや妊婦は飲める?

小児(18歳未満)への使用は、現時点では対象外です。小児を対象とした臨床試験が実施されておらず、安全性・有効性のデータが得られていないためです。子どもの片頭痛治療については、小児科や頭痛専門医にご相談ください。

妊娠中・妊娠の可能性がある方・授乳中の方については、胎児や乳児への影響が十分に評価されていないため、服用が推奨されていません。必ず担当医に現在の状況を伝えたうえで、使用の可否や代替手段についてご相談ください。自己判断での服用や中止はせず、医師の指示に従うことが大切です。

まとめ

アクイプタは、片頭痛の新薬として、2026年4月に発売されました。継続的な内服をすることで片頭痛の予防が期待できます。従来のCGRP薬と異なり、1日1回の飲み薬として注射が苦手な方にも取り入れやすくなりました。副作用は比較的少ないですが、肝障害や腎機能障害の可能性があります。

新薬であるため、発売1年間は14日分の処方制限があるため、定期的な通院が必要です。片頭痛でお悩みの方は、一人で抱え込まず、専門医に相談することが大切です。

イーヘルスクリニック新宿院は、新宿三丁目駅から徒歩1分というアクセス至便な立地にございます。

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