イーヘルスクリニック新宿院 院長の天野です。
私たちの体は、非常に精巧にできていますが、実は「精神的なストレス」と「肉体的なストレス」を区別することができません。
仕事の締め切りに追われている時や、人間関係で悩んでいる時、鳴り止まないスマートフォンの通知に焦っている時……。私たちの脳は、これらを「野生動物に追いかけられて命の危険が迫っている状態」とまったく同じように認識し、強いホルモン反応を引き起こします。
自律神経には、いざという時に「闘争か逃走か」を司る交感神経と、リラックスして「休息と消化」を司る副交感神経があります。現代社会のようにストレスが絶え間なく続くと、常に交感神経が優位になり、副腎(ふくじん)という小さな臓器から「コルチゾール」や「アドレナリン」といったストレスホルモンが過剰に分泌され続けます。
この状態が慢性化すると、朝起きられないほどの疲労感、不眠、免疫力の低下、さらにはお腹周りの頑固な脂肪(肥満)など、さまざまな不調の引き金となってしまうのです。
コルチゾールを下げるための第一歩として、まず「引き算(避けるべきこと)」からお話しします。最も警戒すべきは砂糖や精製されたデンプン(過剰な糖質)です。
ストレスを感じると、甘いものが無性に食べたくなる経験は誰にでもあるでしょう。しかし、糖質をとって血糖値が急上昇したあと、反動で急降下する際、体はそれを「生命の危機(飢餓状態)」と勘違いし、再びコルチゾールやアドレナリンを分泌して血糖値を上げようとします。
つまり、甘いものでストレスをごまかそうとすると、自律神経がさらに乱れ、体を常にストレスモード(高コルチゾール状態)に留めてしまう悪循環に陥るのです。
一方で、低炭水化物のケトジェニックダイエットや、16時間断食(ファスティング)などを取り入れると、血糖値が安定し、副交感神経が活性化されて気分が穏やかになり、結果的にコルチゾール値が下がることが多くの研究で示されています。
では、何を「足し算」すべきでしょうか。具体的な栄養戦略として、絶対に欠かせないのが「ビタミンC(VC)」です。美容のイメージが強いビタミンCですが、実は最強の「ストレス対抗ビタミン」なのです。
私たちの体の中で、最もビタミンCの濃度が高い臓器は、コルチゾールを分泌する「副腎」です。体がストレスを感じると、副腎は貯蔵していた大量のビタミンCを消費して、急いでストレスホルモンを作り出します。
多くの野生動物は、ストレスを感じると自分の体内でビタミンCを大量に合成し、この消費を補うことができます。しかし、人間は進化の過程でビタミンCを体内で作る能力を失ってしまいました。
つまり、現代の慢性的なストレス社会に生きる私たちは、意識して補給しない限り、体内のビタミンCが猛スピードで枯渇していく運命にあるのです。ビタミンCが不足すると、副腎は疲弊し(副腎疲労)、適切なホルモン分泌ができなくなってしまいます。
📌 ビタミンCとコルチゾールの深い関係

ビタミンCに加えて、強靭なメンタルを作るために注目したいのが「ビタミンB群」です。
特にビタミンB1やB5は、リラックスを促す神経伝達物質の生成を直接的に助ける働きがあります。栄養酵母(ニュートリショナルイースト)やひまわりの種などを通じてこれらを摂取することで、短時間で神経の昂ぶりが落ち着くのを実感できる場合があります。
また、傷ついた神経系のメンテナンスに欠かせないビタミンB12を補うため、良質な赤身肉や魚、卵黄を積極的に選ぶことも大切です。特に卵黄に含まれる「コリン」という成分は、副交感神経のスイッチを入れるための非常に重要な原料となります。
さらに、現代人に圧倒的に不足しがちなミネラルである「カリウム」と「マグネシウム」も無視できません。これらは筋肉や神経の緊張を解きほぐす「天然の鎮静剤」とも呼ばれますが、ストレスを感じるたびに尿や汗とともに体内から急速に失われてしまいます。
色の濃い葉物野菜をたっぷりと使った大きなサラダを毎日食べることは、コルチゾールを下げるための最も効果的な習慣の一つです。これに加えて、サーモンなどの脂ののった魚や、適度な日光浴から得られる「ビタミンD3」を組み合わせることで、ホルモンバランスの調整機能はより強固なものになります。
最後に忘れてはならないのが、脳と密接につながっている「腸」の健康です(腸脳相関)。
私たちがリラックスや幸福感を感じるためのホルモン「セロトニン」の約90%は、実は脳ではなく腸で作られています。
ザワークラウトやキムチ、ケフィアといった発酵食品に含まれるプロバイオティクス(善玉菌)は、腸内環境を整え、迷走神経という太いネットワークを通じて脳にダイレクトにリラックス信号を送り、ストレスへの耐性を高めてくれます。
日々の食事に積極的に取り入れたい、ストレスケアに優れた食品リストです。
現代社会において、ストレスを完全にゼロにすることは不可能に近いです。
しかし、「食べるものを選ぶこと」で、ストレスダメージを最小限に抑え、「ストレスに強い体」を作ることは確実に可能です。
まずは、ランチに大きなサラダにゆで卵を添えてみる。おやつを甘いお菓子からひまわりの種やナッツに変えてみる。そして、激しく消耗するビタミンCを良質なサプリメントでしっかり補う。
こうした小さな一歩から始めてみてください。栄養で腸と神経が整えば、心は自然と穏やかさを取り戻し、睡眠の質や日々のパフォーマンスも劇的に変わっていくはずです。

当院が医療機関専売品の中から厳選した、吸収率が高くストレスケアに最適な「高濃度ビタミンCサプリメント」は、公式オンラインショップ(ECサイト)からすぐにご購入いただけます。
また、慢性的な疲労、睡眠不足、ストレスによる心身の不調に関する医学的なご相談は、ご来院およびオンライン診療にて承っております。
▼ サプリメントのご購入はこちら(公式オンラインショップ) ▼
この記事の監修者
天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)
この記事の運営者:イーヘルスクリニック新宿院