イーヘルスクリニック新宿院 院長の天野です。
「最近、もの忘れが増えた気がする…」「これは単なる年のせいだろうか?」
こうした不安を感じることはありませんか?
認知症は、発症してから対処するのではなく、症状が出る前の「未病」の段階でいかにリスクを把握し、対策を講じるかが極めて重要です。
今回は、医学誌『Neurology』に掲載された最新の研究結果をもとに、40代という早い段階からの「ビタミンD」の重要性と、当院で提供している最新の認知症リスク検査について詳しく解説します。
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研究グループは、認知症のない男女793名を16年間にわたり追跡調査しました。その結果、40代前後の血中ビタミンD濃度が、将来の「脳のゴミ」の蓄積に密接に関連していることが判明したのです。
【背景と目的】
晩年の低ビタミンD濃度は認知機能障害や認知症のリスク増加と関連することが知られている。しかし、中年期初期(40代)の血中ビタミンD濃度が、前臨床段階の認知症マーカーにどう影響するかは不明であった。本研究は、中年期のビタミンD濃度と、16年後の脳内タウ蛋白・アミロイドβの蓄積との関連を調査した。
【方法】
認知症のない793名(平均年齢39歳)を対象に、2002〜2005年にビタミンD濃度を測定。約16年後の2016〜2019年に脳PET検査を行い、タウ蛋白およびアミロイドβの蓄積量を評価した。
【結果】
【結論】
中年期初期の低ビタミンD状態は、将来の認知症予備軍であることを示す脳内マーカー(タウ蛋白)の蓄積と関連している可能性がある。中年期からのビタミンD管理は、認知症リスクを軽減するための重要な介入ターゲットとなる可能性がある。
認知症、特にアルツハイマー病の原因には「アミロイドβ」と「タウ蛋白」という2つの異常なタンパク質の蓄積が関わっています。
今回の研究では、アミロイドβには影響せず、「タウ蛋白」の蓄積のみにビタミンDが関連していた点が非常に興味深い点です。タウ蛋白は神経細胞の死に直結しやすく、認知機能の低下により密接に関わると言われています。日光浴やサプリメントによるビタミンDの補給が、将来の脳の物理的な損傷を防ぐ「バリア」になる可能性があるのです。
認知機能の低下は、ご家族やご自身が気づかないうちに、静かに始まっています。当院では、早い段階でリスクを可視化し、適切な予防策(栄養指導や生活習慣の改善)を立てるための2つの血液検査を実施しています。
① MCIスクリーニング検査
認知症の一歩手前の段階である「軽度認知障害(MCI)」の兆候を早期に発見するための検査です。「最近のもの忘れ」が年齢によるものか、注意が必要な状態かを客観的に評価するのに役立ちます。
② APOE遺伝子検査
アルツハイマー病の発症に関連するAPOE遺伝子のタイプ(ε2/ε3/ε4)を調べ、遺伝的にどの程度なりやすい体質かを知ることができます。一生に一度の検査で、生涯にわたるリスクを把握できます。
検査の結果に基づいて、当院ではビタミンDの補給を含む「個別化された栄養指導」も行っております。早い段階でリスクを知り、適切な一歩を踏み出すことで、豊かな将来を自分自身の手で守りましょう。
認知機能の評価は「早すぎる」ということはありません。まずはお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)
この記事の運営者:イーヘルスクリニック新宿院