イーヘルスクリニック新宿院の天野です。当院では、現行の処方薬では十分に予防できない疾患や症状に対処するために、積極的に自費によるサプリメントを取り入れています。
健康は私たちの日々の生活において常に意識すべき重要な要素です。人生において健康が最大の財産であり、その維持と向上は私たちの生活において極めて重要な役割を果たします。今回は「太陽のキノコ」とも呼ばれるアガリクスに焦点を当て、その免疫力向上、抗がん作用、生活習慣病予防、育毛・美肌効果など、様々な健康効果を紹介していきます。
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学名を「アガリクス・ブラゼイ・ムリル」「アガリクス・ブラジリエンシス」などと呼ばれるアガリクスは、ブラジルのピエダーデ山地で発見されたキノコです。ブラジルでは太陽の下でも生えてくる生命力の強いキノコとして「太陽のキノコ」とも呼ばれています。このキノコは、1960年代に日本に紹介されて以来、健康食品としての研究が進められ、多くの人々に支持されています。
近年では、科学的な研究が進み、アガリクスの持つ豊富な栄養素と健康効果が次々と解明されています。β-グルカンをはじめとする多様な成分が、免疫力向上、抗がん作用、生活習慣病予防、育毛・美肌効果など、様々な健康効果をもたらすことが分かっています。
アガリクスに含まれるβ-グルカンは、免疫系を刺激し、体の自然な防御力を高めることが知られています。また、抗酸化作用により、体内の活性酸素を除去し、老化防止や生活習慣病の予防にも役立つとされています。
アガリクスの安全性・有効性および効果効能は、菌株、産地、栽培方法によって大きく異なることが分かっています。
菌株
アガリクスには多くの菌株が存在します。その中でも、特に効果効能が高いとされるのが「KA21」という菌株です。KA21は、生命力が強いため露地栽培が可能な菌株で、国内や海外の研究機関で最も多く研究されている菌株の1つです。
産地
アガリクスの産地としては、ブラジル、日本、中国などが有名です。アガリクスは地中の栄養素をたっぷりと吸い上げるといった特徴があるため、土地の肥えたブラジルで栽培されたアガリクスは、栄養価が高いと言われています。
栽培方法
アガリクスの栽培方法には、ハウス栽培と露地栽培があります。露地栽培は、もともとの太陽のキノコの名にふさわしく、太陽の光を浴びながら天然のアガリクスに近い環境で栽培されます。そのため、日光を遮った人工的な暗所で栽培されるハウス栽培よりも非常に大きく育ち、β-グルカンなどの有効成分を豊富に含み、抗酸化活性も5倍以上高いことが科学的に証明されています。露地栽培アガリクスは、その見た目の違いや豊富な有効成分から、ブラジルでは「キングアガリクス」とも呼ばれています。
上記を踏まえ、アガリクスを選ぶなら、栄養価の高いブラジル産露地栽培(KA21株)がおすすめです。KA21株は、最も多くのデータを持っており、信頼性も高いと言えます。
KA21株は、免疫増強作用が非常に高く、抗がん剤の副作用軽減に有効であるとされています。さらに、自律神経のバランスを整え、腸内環境を改善する効果も期待できます。また、育毛や美肌などの美容面での応用も期待されます。
免疫増強: β-グルカンを豊富に含んでいるため、免疫細胞を活性化し、風邪や感染症などの予防に役立ちます。ヒト臨床試験により免疫細胞(ナチュラルキラー=NK細胞)の活性化1)、カビに対する抗体価の上昇(真菌症の予防効果)2、3)、動物試験で抗腫瘍効果4)が報告されています。
免疫増強作用・抗腫瘍効果に関するKA21の研究報告例:
- 順天堂大学医学部で行われたヒト臨床試験において、健康な人に露地栽培アガリクスKA21株を1 日3g、1週間摂取してもらい、プラセボ(外観は同じだが効果はない疑似薬)摂取群と比較。KA21摂取群でNK(ナチュラルキラー)細胞が有意(P<0.0001)に活性化した1)。
- 露地栽培アガリクスから抽出した成分をマウスに35 日間経口摂取させたところ、冷水抽出物で腫瘍の重さが36%減少(P<0.05)し、熱水抽出物では47%減少(P<0.001)となり、がん細胞が約1/2 に縮小する明確な抗腫瘍効果が示された。東京薬科大学で実施4)。
抗がん剤の副作用軽減効果: 抗酸化活性が高いことから、抗がん剤治療に伴う副作用の軽減に役立つ可能性があります。動物試験によって、抗がん剤による副作用(死亡リスクの軽減、脱毛、消化管障害、体重減少、白血球減少症、抗がん剤による脱毛からの早期回復など)の軽減効果が報告されています5)。
抗がん剤の副作用軽減効果に関するKA21の研究報告例:
- マウスを通常食(アガリクスなし)とハウス栽培アガリクス、露地栽培アガリクス入りのエサのグループに分け、抗がん剤(5FU)を5日間投与。死亡率、脱毛の様子、下痢の発生頻度、消化管障害、食欲(食餌量)、体重、腎機能、白血球減少症などの抗がん剤による副作用の発現状況を比較した。その結果、露地栽培アガリクスの方が、ハウス栽培よりも抗がん剤の副作用をより強く軽減させる効果が確認された。東京薬科大学で実施5)。
自律神経調整作用、QOLの改善作用: 自律神経のバランスを整える効果があるため、ストレス解消や不眠症の改善に役立ちます。ヒト臨床試験で、ストレス緩和作用、睡眠の質向上、疲労感軽減作用、肩こり軽減、冷え性緩和作用などが報告されています6、7)。
腸内環境改善作用: 善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす効果があるため、便秘や下痢の改善に役立ちます。動物試験で、腸内細菌叢の改善、腸内のカビに対する抗体価の上昇の他、腸内環境改善作用が報告されています。
育毛効果: 毛周期サイクルを改善し、育毛効果が期待されます。ヒト臨床試験で抜け毛の改善効果6)、動物試験で育毛効果が報告されています。
ブラジル産の露地栽培アガリクスは、栄養価が高く、特にKA21菌株はその品質やデータの信頼性の高さから、世界中で利用されています。日本国内でも、健康志向の高まりとともに、この高品質なアガリクスへの関心が高まっています。
アガリクスは、その豊富な栄養素と健康効果により、現代人の健康維持に欠かせない食品として、これからも多くの人々に愛され続けるでしょう。自然の恵みを活かした露地栽培アガリクスを取り入れ、健康的な毎日を送りましょう。
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参考記事
・老化、疲労、病気予防に。 最新の栄養療法(サプリメント)で健康をアップデート!
・自費診療で症状を根本改善! 当院の点滴療法で内側から健康と美容をサポート
・自由診療
参照文献一覧
1)Y.Liu et al.,Evid Based Complement Alternat Med,5, 205-219(2008)
2)K. Ishibashi et al. IntJ Med Mushrooms, 11(2) pp.117-131(2009)
3)D.Yamanaka et al., Int J Med Mushrooms. 2021; 23(2): 13-28.
4)N.Ohno et al., Biol. Pharm. Bull. 24(7) 820—828 (2001)
5)K. Tajima et al. IntJ Med Mushrooms, 31-43(2019)
6)M. Motoi et al., Int J Med Mushrooms, 17, 799-817(2015)
7)未病と抗老化Vol.31:53-59
記事作成:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。