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2022.07.27
#アレルギー科 #対象疾患

アモキシシリン

アモキシシリンとは

アモキシシリン(アモキシシリン水和物)とは、ブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、腸球菌、淋菌(りんきん)、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマといった細菌などの増殖を邪魔する“殺菌作用”が期待できる抗菌薬です。主に感染症の治療で使われます。

ワイドシリン、サワシリン、パセトシンといった薬のジェネリック医薬品であり、アモキシシリンカプセル125mg、250mg、アモキシシリン細粒10%、20%がさまざまなメーカーから製造販売されています。

アモキシシリンが処方される病気とは?

アモキシシリンが処方されるのは、主に以下のような病気や状況のときです。

  • 皮膚感染症
  • リンパ管・リンパ節炎
  • 慢性膿皮症(毛根を包む部分に炎症が起こり、しこりや膿を繰り返す病気)
  • 外傷、熱傷、手術創などの二次感染
  • びらん、潰瘍(かいよう)(ただれ)の二次感染
  • 乳腺炎
  • 骨髄炎
  • 咽頭(いんとう)喉頭炎(こうとうえん)
  • 扁桃炎
  • 急性気管支炎
  • 肺炎
  • 慢性呼吸器病変の二次感染
  • 膀胱炎
  • 腎盂腎炎(じんうじんえん)
  • 前立腺炎
  • 精巣上体炎(副睾丸炎(ふくこうがんえん)
  • 淋菌感染症
  • 梅毒
  • 子宮内感染
  • 子宮付属器炎
  • 子宮旁結合織炎(子宮を支える組織の炎症)
  • 涙嚢炎(涙の通り道に菌が繁殖して炎症する病気)
  • 麦粒腫(ものもらい)
  • 中耳炎
  • 歯周組織炎
  • 歯冠周囲炎(歯肉炎の一種)
  • 顎炎(顎の骨の炎症)
  • 猩紅熱(A群β溶血性連鎖球菌による細菌感染症)
  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症

など

アモキシシリンの使用方法とは?

アモキシシリンには細粒とカプセルがあり、薬のタイプや病気、年齢によって使用方法が異なります。以下では成人の場合の一般的な使用法を病気ごとに解説します。

ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症の場合

細粒、カプセルともに1回250mgを1日3~4回服用します。なお、年齢や症状によって適宜増減することがあります。

ヘリコバクター・ピロリ感染症による胃潰瘍・十二指腸潰瘍の場合

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、飲食物を通して感染することがある細菌で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍(胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、痛みや吐血、下血などの症状が現れる病気)の発生に関連すると考えられています。衛生環境が整った現代では感染率が低くなっていますが、60歳以上では60%以上の人が感染しているともいわれています。

ピロリ菌の感染による胃潰瘍、十二指腸の場合は、アモキシシリン細粒200mg(細粒20%1包分)とクラリスロマイシン、ランソプラゾール(またはラベプラゾールナトリウム)の3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用します。

ヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の場合

ピロリ菌の感染や、感染による胃炎がある場合は、アモキシシリンカプセル750mg(250mgを3錠分)とクラリスロマイシン、プロトンポンプインヒビターの3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用します。

また、これだけでピロリ菌の除菌ができなかった場合は、アモキシシリンカプセル750mgとメトロニダゾール、プロトンポンプインヒビターの3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用します。

アモキシシリンの使用に注意が必要な人とは?

アモキシシリンでは、以下のような方の使用に注意が必要、または使用できないことがあります。気になることがある場合は、事前に医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。

アモキシシリンの使用に注意が必要な人

  • セフェム系抗生物質に対して過敏症の既往歴がある人
  • 気管支喘息、発疹(ほっしん)蕁麻疹(じんましん)などのアレルギー症状を起こしやすい体質の人
  • 両親や兄弟に上記のような体質の人がいる人
  • 高度の腎障害がある人
  • 経口摂取ができない人や非経口栄養の人、全身状態が悪い人
  • 高齢者
  • 妊婦、妊娠している可能性がある人
  • 授乳中の人
  • 小児など
  • ペニシリン系抗生物質に対して過敏症の既往歴がある人

など

アモキシシリンの使用ができない人

  • アモキシシリンの成分に対して過敏症の既往歴がある人
  • 伝染性単核症の人

など

アモキシシリンと飲み合わせの悪い薬や食品はある?

アモキシシリンでは、以下の薬との組み合わせが悪いとされています。

  • ワルファリンカリウム

ワルファリンカリウムの作用が強くなり、ビタミンKの産生が抑制されることがあります。

  • 経口避妊薬

経口避妊薬の効果が弱くなることがあります。

  • プロベネシド

アモキシシリンの血中濃度が増加することがあります。

アモキシシリンの使用中に注意したい症状

アモキシシリンの服用中に、以下のような症状が現れることがあります。服用をやめたり、適切な処置が必要となったりする場合もあるため、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

重大な症状

頻度は不明ですが、アモキシシリンの服用中に以下のような重大症状が現れることがあります。服用の中止や適切な処置が必要となるため、気になる症状がある場合は急ぎの受診を検討しましょう。

ショック、アナフィラキシー

不快感や口内の異常感、喘鳴(ぜんめい)(呼吸するときにゼーゼー、ヒューヒュー音がする)、めまい、便意、耳鳴り、発汗などの症状がみられることがあります。

皮膚の異常

以下のような皮膚の異常が現れることがあります。

  • 中毒性表皮壊死融解症(ちゅうどくせいひょうひえしゆうかいしょう):全身にやけどのような皮膚のはがれやただれ、水ぶくれなどができる。
  • 皮膚粘膜眼症候群:粘膜がただれ、全身の皮膚に赤い斑点や水ぶくれなどが多発する。
  • 多形紅斑:盛り上がりのある赤い斑点ができる。
  • 急性汎発性発疹性膿疱症(きゅうせいはんぱつせいほっしんせいのうほうしょう):皮膚の広い範囲が赤くなり、その上に白い小さなぶつぶつができる。
  • 紅皮症(剥脱性皮膚炎):皮膚の広い範囲に赤い斑点と皮膚の剥がれが生じる。

皮膚や粘膜に赤い斑点や水ぶくれが生じる、膿がたまっている、皮膚の緊張感や灼熱感、疼痛(とうつう)といった皮膚の異常のほか、発熱や頭痛、関節痛などがみられることがあります。

血液の異常(顆粒球減少・血小板減少)

血小板が減少すると皮下出血やあざがみられることがあります。

肝臓の異常

肝障害、黄疸(おうだん)(皮膚や白目が黄色くなる)、AST(GOT)、ALT(GPT)といった肝機能の指標となる数値の上昇などが現れることがあり、定期的に検査を行う場合もあります。

腎障害

むくみや吐き気、食欲低下、全身の倦怠感などの症状がみられることがあります。

大腸炎

血便、腹痛、頻回な下痢などがみられることがあります。

間質性肺炎、好酸球性肺炎

咳や呼吸困難、発熱などの症状がみられることがあります。

無菌性髄膜炎

発熱や頭痛、悪心、嘔吐、意識混濁などの症状がみられることがあります。

ここにある症状が全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するとよいでしょう。