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2022.07.28
#内科 #対象疾患

ネキシウム

ネキシウムとは

ネキシウム(エソメプラゾールマグネシウム水和物)は、胃酸の分泌を抑え、胃酸によって起こる胃潰瘍(いかいよう)や十二指腸潰瘍などの治療や再発予防、またさまざまな胃の病気の原因となるピロリ菌の除菌の補助などを目的として使われる薬です。

薬にはネキシウムカプセル10mg、20mg、ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg、20mgがあります。

胃酸と病気の関係

胃酸は強酸性(pH 1〜2)で、主に(1)食べ物と一緒に入ってきた細菌を殺す(2)食べ物の消化を促すなどのはたらきがあります。食べ物が消化される一方で胃が消化されないのは、胃の壁を覆っている粘膜が胃を守っているからです。しかし、この粘膜はストレスや一部の薬、お酒、ピロリ菌、加齢などによって、減少したり質が悪くなったりすることがあります。そうなると、胃酸の影響により胃が破壊され、胃が痛くなったり、胸やけや吐き気、むかつきなどの症状が現れたりして、胃潰瘍などの病気につながることがあるといわれています。

ピロリ菌と病気の関係

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは、胃の粘膜に生息する細菌のことで、主に子どもの頃に感染すると考えられています。感染しても自覚症状はないことがほとんどですが、胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの発症に関わっているといわれています。しかしピロリ菌は除菌をしないと生涯胃の中に住み続けるといわれるため、感染が分かった場合は、積極的に除菌することが望ましいとされています。

ネキシウムが処方される病気・状況とは?

ネキシウムが処方されるのは、主に以下のような病気や状況のときです。

  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 吻合部潰瘍
  • 逆流性食道炎
  • 非びらん性胃食道逆流症
  • ゾリンジャー・エリソン症候群
  • 胃MALTリンパ腫
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 早期胃がんに対する内視鏡的治療後
  • ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎 など

ネキシウムの使用方法とは?

ネキシウムにはカプセルと懸濁用顆粒があり、病気、年齢によって使用方法が異なります。懸濁用顆粒は、水に溶かして飲むタイプの薬のことで、1包につき15mL程度の水に溶かして服用します。以下では病気ごとに、成人の場合の一般的な使用法を解説します。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群

カプセル、顆粒ともに、エソメプラゾール(ネキシウムの有効成分)として1回20mgを1日1回服用します。胃潰瘍、吻合部潰瘍は8週間まで、十二指腸潰瘍は6週間までの服用が一般的です。

逆流性食道炎

カプセル、顆粒ともにエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回服用します。8週間までの服用となることが一般的です。

また、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法(病気の悪化や再発を予防するための治療)では、1回10~20mgを1日1回服用します。

非びらん性胃食道逆流症

カプセル、顆粒ともに、エソメプラゾールとして1回10mgを1日1回服用します。4週間までの服用となることが一般的です。

薬による胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制

アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症薬の副作用によって、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が生じることがあり、再発予防としてネキシウムを使うことがあります。この場合は、カプセル、顆粒ともに、エソメプラゾールとして1回20mgを1日1回服用することが一般的です。

ピロリ菌の除菌の補助

先述のとおり、ピロリ菌の感染は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどの発症に関わると考えられているため、ピロリ菌の除菌治療を行う必要があります。

ピロリ菌除菌の際は、カプセル、顆粒ともに、エソメプラゾールとして1回20mgと、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシンの3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用します。

また、プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシンという3種類の薬を使った除菌治療の方法もあります。この治療が不成功の場合は、エソメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物、メトロニダゾールの3種類の薬を同時に1日2回、7日間服用します。

ネキシウムの使用に注意が必要な人とは?

ネキシウムでは、以下のような方の使用に注意が必要、または使用できないことがあります。気になることがある場合は、事前に医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。

ネキシウムの使用に注意が必要な人

  • 薬物過敏症の既往歴がある人
  • 肝機能障害がある人
  • 妊婦または妊娠の可能性がある人
  • 授乳中の人
  • 小児等
  • 高齢者 など

ネキシウムの使用ができない人

  • ネキシウムの成分に対して過敏症の既往歴がある人
  • アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩を使っている人 など

ネキシウムと飲み合わせの悪い薬や食品はある?

ネキシウムでは、以下の薬や食品との組み合わせが悪いとされています

以下の薬との併用は禁止されています。

  • アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ)
  • リルピビリン塩酸塩(エジュラント)

アタザナビル硫酸塩やリルピビリン塩酸塩の作用が弱まることがあります。

以下の薬は併用に注意が必要とされています。

  • ジアゼパム、フェニトイン、シロスタゾールなど

これらの作用が強くなりすぎることがあります。

  • イトラコナゾール、チロシンキナーゼ阻害剤(ゲフィチニブ、ニロチニブ、エルロチニブ)など

これらの作用が弱まることがあります

  • ワルファリン

血を固まりにくくする作用が強くなり、出血する恐れがあります。

  • ボリコナゾール

ネキシウムの作用が強くなりすぎることがあります。

  • メトトレキサート

高用量のメトトレキサートを使う場合は、一時的にネキシウムの使用中止を検討したほうがよいとされています。

ここにある薬が全てではありません。詳細は医師に確認するようにしましょう。

食品

  • セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む食品

セイヨウオトギリソウはサプリメントなどの健康食品に含まれていることがある成分です。併用するとネキシウムの作用を弱めることがあるため、併用には注意が必要とされています。

ネキシウムの使用中に注意したい症状

ネキシウムの服用中に、以下のような症状が現れることがあります。服用をやめたり、適切な処置が必要となったりする場合もあるため、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

重大な症状

頻度は不明ですが、重大な症状として以下のようなものが挙げられます。

ショック、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)

血管浮腫(皮膚や粘膜の腫れ)、気管支けいれんなどの症状がみられることがあります。

血液の異常

汎血球減少(白血球、赤血球、血小板の減少)、無顆粒球症(白血球の一種である顆粒球の減少)、溶血性貧血(赤血球の破壊によって生じる貧血)、1%未満の頻度で血小板減少が起こることがあります。

白血球が減少すると感染のリスクが高まり、血小板が減少すると出血したり血が止まりにくくなったりします。また、無顆粒球症では発熱や喉の痛み、倦怠感、溶血性貧血では息切れやふらつきなどの症状が現れることもあります。

肝臓の異常(肝機能障害、劇症肝炎、肝不全、黄疸おうだんなど)

肝機能障害、劇症肝炎(肝機能の急激な低下)、肝不全(肝機能の大幅な低下)、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などが起こることがあります。肝臓の異常は症状が現れづらいですが、病状が進行したり、急激に生じたりした場合は倦怠感を感じることがあるとされています。

皮膚の異常(中毒性表皮壊死融解症ちゅうどくせいひょうひえしゆうかいしょう、皮膚粘膜眼症候群)

全身の皮膚の赤みや水ぶくれ、はがれ、粘膜のただれ、発熱などがみられることがあります。

間質性肺炎

咳、呼吸困難、発熱などがみられることがあります。

腎臓の異常(急性腎障害、間質性腎炎など)

尿が少ない、むくみ、吐き気、食欲不振、倦怠感、背中の痛み、発熱、発疹(ほっしん)などがみられることがあります。

その他の症状

使用用途(使い方)によって、頻度は異なりますが、特に頻度が高いものとして、ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の際に、33.4%の頻度で下痢、軟便、10.5%の頻度で味覚異常がみられることがあります。

気になる症状がある場合は、受診を検討するとよいでしょう。また、ここにある症状が全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するとよいでしょう。