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2023.02.27

メプチンエアー

メプチンエアーとは

メプチンエアー(一般名:プロカテロール塩酸塩水和物)は、喘息発作時の症状を緩和するための、吸入型の薬です。気管支を広げる作用があり、気道が狭くなったことによって生じる諸症状を緩和し、呼吸を楽にすることが期待できます。
有効成分はプロカテロール塩酸塩水和物であり、1回の噴霧でプロカテロール塩酸塩水和物10μgが噴霧される“メプチンエアー”と、5μgが噴霧される“メプチンキッドエアー5μg”があります。

メプチンエアーの特徴

喘息の薬には、主に気道の炎症を抑えることで喘息発作を予防する“長期管理薬”と喘息発作を止める“気管支拡張薬”の2つがあり、メプチンエアーは気管支拡張薬に分類されます。気管支拡張薬の中にも種類がありますが、中でもメプチンエアーは短時間作用性β2刺激薬の吸入薬で効果が現れやすく、吸入後数分ほどで効果を感じられることが特徴です。また、少量で効果を期待できることから、副作用が出にくいといわれています。
なお、気管支拡張薬は喘息発作が軽い段階では効果が期待できますが、重症であると効果が現れにくくなるといわれています。そのため、メプチンエアーを使用する場合は、発作の軽い段階で早めに使用することがすすめられます。

メプチンエアーが処方される病気とは?

メプチンエアーが処方されるのは、主に以下のような病気や状況のときです。

  • 気管支喘息
  • 慢性気管支炎
  • 肺気腫(気管支の先にある肺胞が破壊された状態)

メプチンエアーの使用方法とは?

成人の場合、メプチンエアーを2吸入、小児の場合はメプチンキッドエアーを2吸入することが一般的です。ただし、年齢や症状によって適宜増減することもあります。使う際はキャップを取ってよく振り、プッシュボタンを押しましょう。

メプチンエアーの使用に注意が必要な方とは?

持病や体の状態、年齢などによってはメプチンエアーの使用に注意が必要だったり、使用できなかったりする場合もあります。詳細は以下のとおりです。

メプチンエアーの使用に注意が必要な方

  • 甲状腺機能亢進症の患者
  • 高血圧の患者
  • 心疾患の患者
  • 糖尿病の患者
  • 低酸素血症の患者
  • 妊婦または妊娠している可能性がある方
  • 授乳中の方
  • 小児など
  • 高齢の方

メプチンエアーの使用ができない方

  • メプチンエアーの成分に対して過敏症の既往歴がある方

メプチンエアーと飲み合わせの悪い薬や食品はある?

メプチンエアーは以下のような薬と併用する際に注意が必要です。

以下の薬は併用注意とされています。

  • カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリンなど)

不整脈や心停止を起こす恐れがあります。

  • キサンチン誘導体(テオフィリン、アミノフィリン水和物、ジプロフィリンなど)

低カリウム血症(血中のカリウムの濃度が過剰に低い状態)、心血管症状(頻脈や不整脈など)の副作用症状が強くなることがあります。

  • ステロイド剤(ベタメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウムなど)
  • 利尿剤(フロセミドなど)

いずれも、低カリウム血症による不整脈を起こす恐れがあります。

メプチンエアーの使用中に注意したい症状

メプチンエアーの使用に伴い、さまざまな症状が起こることがあります。詳しくは以下のとおりです。

重大な症状

重大な症状として、ショック、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)、重篤な血清カリウム値の低下が生じることがあります。症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ショック:反応が鈍くなる、眠気、錯乱(情報が正常に処理できない)、皮膚が冷たく湿っぽく青白くなる、脈が速くなる、めまい、意識消失、血圧低下など
  • アナフィラキシー:全身の発疹(ほっしん)、かゆみ、唇や舌などの腫れ、呼吸困難、血圧低下、意識障害など
  • 血清カリウム値の低下:筋力の低下、筋肉けいれん・ひきつり、麻痺など

適切な処置が必要となるため、異常を感じたらすぐに受診するとよいでしょう。

比較的よく起こる症状

0.1~5%未満の頻度で動悸、頻脈、血圧上昇、ほてり、ふるえ、頭痛、頭が重い感じ、手のしびれ感、めまい、吐き気、嘔吐、気管や咽喉頭部いんこうとうぶの異常感などが生じることがあります。長く続く場合などは受診を検討するとよいでしょう。

まれな症状

0.1%未満の頻度で冷や汗や眠気、鼻づまり、呼吸困難、脱力感、聴覚異常などが生じることがあります。また、頻度は不明ですが、顔面蒼白、血圧低下、筋痙直、神経過敏、発疹、かゆみ、全身倦怠感などが生じることもあります。いずれも長く続く場合などは受診を検討するとよいでしょう。

以上の症状は全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師への確認のほか、薬の添付文書を読む ようにしましょう。
イーヘルスクリニック新宿院の呼吸器内科では、患者さんの症状に合わせてメプチンエアーを処方することがあります。ご不安な点があればお気軽にご相談ください。