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乳腺超音波検査とは乳房に超音波を当て、乳房の内部の状態を確認する検査のことです。乳房エコー検査と呼ばれることもあり、産婦人科で胎児の状態をみる超音波検査と同じものです。乳腺超音波検査は、乳房にできる病気の診断に用いられることが一般的で、特に乳がんの早期発見に役立っていることが知られています。乳がんの検査にはマンモグラフィもありますが、中でも乳腺超音波は乳腺密度の高い方や若い年代の方に適していると考えられています。
検査は、上半身の衣服を脱いで、診察台に仰向けに寝て行います。乳房にジェルを塗り、プローブと呼ばれるセンサーを乳房に当て、これを上下左右に動かすことで、乳房の断層面の画像がモニターに映し出されます。映し出された画像により乳房内部の腫瘤の有無、大きさ、性状などが分かるほか、腫瘤が良性疾患(線維腺腫、嚢胞など)か、悪性疾患(乳がん)かについても、ある程度の判別が可能です。なお、検査にかかる時間は、通常10~20分程度です。
乳がんとは乳房にできるがん(悪性腫瘍)のことです。日本人の場合女性の9人に1人の確率で発症すると考えられており、近年増加傾向にあるといわれています。代表的な症状にはしこりがありますが、初期の段階では自身では分からないほどの小さなしこりだったり、痛みなどの目立った症状がないことが多いとされています。そのため、早期発見には、超音波検査をはじめとした乳がん検診を受けることがすすめられています。早期発見できれば、約9割の方が治癒する(がんを取り除くことができる)と考えられていることからも、少しでも早く発見、治療を受けることが大切です。
乳腺超音波検査がすすめられる人の特徴は以下のとおりです。
乳腺超音波検査で分かる病気には、以下があります。
乳腺症は比較的若い女性にみられるもので、乳腺の張りや痛みが現れますが、乳がんとは異なり良性の腫瘍です。
基本的に医師が画像から腫瘤の形と乳管の状態などを確認し、判断されます。腫瘤の形としては以下のように分類されます。
検査では異常が見つからなかったという意味になります。今後も引き続き、年に1回程度の定期的な検査を受けるようにしましょう。
精密検査を受けるため、医療機関の受診を検討しましょう。要精密検査だからといって、100%乳がんであるというわけではありません。精密検査を受けた人の中でも実際にがんと診断される人は、100人のうち5人程度といわれています。そのため、自己判断せずに、まずは医師に相談して検査を受けるようにしましょう。
乳房の検査にはもう1つ、マンモグラフィと呼ばれるものがあります。これは、乳房を2枚の板で固定(圧迫)し、左右それぞれの乳房に対してX線写真を撮るものです。乳房をできるだけ薄く広げることで、病変をより鮮明に写し出します。乳腺超音波は小さなしこりを見つけるのは得意ですが、石灰化を確認しづらいとされます。一方マンモグラフィは、石灰化や乳腺の全体をとらえることができます。
放射線を使いますが、自然の中で浴びる量と同程度とされます。なお、乳がんの最終的な確定診断は、しこりの組織生検が必要になります。
乳腺超音波検査については、食事制限などは特にありません。
乳房にジェルを塗って行う検査であるため、通常痛みはありません。また放射線を使用しないことからも、妊娠中や授乳中の女性でも受けることができるとされています。