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2022.05.24
#内科 #呼吸器内科 #発熱外来 #対象疾患

受診の目安になる症状

  • (せき)が3週間以上続く
  • 咳の継続が1週間未満ではあるが激しい咳によって数日間眠れていない
  • 痰などが伴う咳がある
  • 運動中や夜間など、特定の状況で咳が出る
  • ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や息切れを伴う咳が出る
  • 息苦しさが伴う
  • 横になってしばらくすると咳が出る
  • 胸やけや足のむくみ、体重増加などの症状が伴う

など

咳はよくある症状の1つです。咳は主に、3週間以内で治る“急性咳嗽(きゅうせいがいそう)”、3週間以上8週間未満続く“遷延性咳嗽”、8週間以上続く“慢性咳嗽”に分けられます。3週間以内で治る咳の多くはかぜが原因で、この場合は自然に治ることが一般的です。

ただし、持続期間が長いほど治療が必要な状態である可能性が高くなります。たとえば3週間以上咳が続くときはマイコプラズマ、クラミジア、百日咳菌などによる気管支炎や結核、咳喘息(せきぜんそく)や逆流性食道炎などの可能性も考えられます。

また、上記のような症状がみられる場合は咳喘息や副鼻腔炎、肺結核、ときに心不全や気管支腫瘍などの病気が関係している可能性も考えられます。そのため、気になる症状がある場合は、まずかかりつけ医や内科などの受診を検討するとよいでしょう。

咳の原因と対処法

かぜ

3週間以内に治まる咳の多くはかぜが原因だといわれています。かぜは、主にウイルスが鼻やのどの奥に感染することで起こる病気で、咳以外にものどの痛み、痰、鼻水、発熱などの症状を伴うことがあります。

かぜの原因となるウイルスに対する治療薬はないことが多いです。通常は3日程度でピークを越え、安静や水分・栄養補給を心がければ自然に治るといわれているため、まずはセルフケアで様子を見てもよいでしょう。

セルフケアで治らない場合は受診を検討しましょう。医療機関では鼻水や熱を抑える薬で対症療法を行ったり、細菌感染が疑われる場合は細菌に効果を発揮する抗菌薬を使ったりすることもあります。

感冒後咳嗽

感冒後咳嗽(かんぼうごがいそう)とは、かぜを引いた後に3週間以上続く咳のことをいいます。“感染後咳嗽”や“かぜ症候群後咳嗽”と呼ばれることもあります。主な症状として、かぜを引いた後に3週間以上続く咳が挙げられ、この症状は時間の経過とともに自然に軽快することが一般的です。

ただし感冒後咳嗽では、ときに咳の症状が長く続くことで睡眠の質が低下したり、胸の痛みが生じたりするほか、不安や抑うつの症状がみられる方もいます。そのため咳の症状を軽減させるために、ヒスタミンH1受容体拮抗薬などの治療薬や麦門冬湯などの漢方薬による治療などが検討されることがあります。

感染症による気管支炎

3週間以上も咳が続くときは、マイコプラズマ、クラミジア、百日咳菌などによる気管支炎が原因の可能性があります。主に痰や発熱、全身倦怠感、食欲不振などの症状を伴うことが一般的です。この場合はかぜとは異なり、治療が必要になります。

治療では、原因となる病原菌に効果を発揮する抗菌薬を使用することが一般的です。

肺炎

肺炎は肺胞と呼ばれる場所に細菌やウイルスが感染して炎症を起こした状態のことです。かぜと症状が似ていますがまったく別の病気で、肺炎の場合はときに命に関わることもあるため注意が必要です。咳のほかに、色のついた痰や息切れ、胸の痛み、発熱(38℃以上)などがある場合は肺炎が原因の可能性があります。

細菌などの感染によって肺が炎症しているため、抗菌薬の内服や注射で治療を行うことが一般的です。

咳喘息・気管支喘息

気管支喘息とは、かぜなどの感染症、ダニやペットの毛などが原因で気管支に炎症が起こる病気です。熱や鼻水といったかぜの症状がないのに咳と痰が続いたり、夜間や早朝、運動時、春や秋に咳などの症状が見られたりする場合は気管支喘息が原因の可能性があります。また、慢性的に咳のみが続く場合は“咳喘息”の可能性もあり、3〜4割は気管支喘息に移行するため注意が必要です。

気管支喘息や咳喘息の治療は、主に気管支を広げたり、炎症を抑えたりする吸入薬や気管支拡張薬を使用します。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃にある消化中の食べ物などが食道に逆流することで食道に炎症を起こす病気です。主な症状は咳のほかに、のどの違和感、声のかすれ、胸やけ、食後の胸の辺りの痛み、酸っぱいものが上がってくるといったことが挙げられます。

治療では胃酸を抑える薬を使います。また、食べすぎや早食い、脂肪分の多い食事、肥満なども原因となるため食生活にも注意しましょう。

心不全

心不全とは、動脈硬化などが原因で心臓のはたらきがだんだん悪くなり命を縮める病気です。横になると肺を通る血管の血流が滞り、その刺激で咳が起こるため、上半身を起こすと楽になる場合は心不全の可能性があります。さらに、息苦しさや足のむくみ、体重増加などが起こることもあります。

心不全では薬による治療が基本となります。このほか、食事療法などの生活習慣の改善が必要であったり、心臓自体に異常がある場合は手術が検討されたりすることもあります。

喫煙

特に病気ではなくても、たばこをたくさん吸う方は咳や痰が出ることがあります。また、喫煙経験がある方で、かぜの後に咳や痰が長引いたり、ちょっとした動作で息切れを感じたりする場合は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症している可能性もあります。

そのため、咳が出るときは禁煙を心がけましょう。COPDの場合は、禁煙を続けながら気管支を広げる薬の吸入などで治療を行います。

薬の副作用

治療薬の副作用によって咳が出ることもあります。この場合は薬の種類の変更を判断する必要があるため、担当の医師に相談しましょう。

肺がん

肺がんとは、肺にがんができる病気です。主な症状として、咳や痰、血の混じった痰、発熱、息苦しさ、動悸、胸の痛みなどが挙げられます。ただし、このような症状はがん以外の病気でも現れることがあります。症状が複数あったり長引いたりしている場合は、肺がんやほかの病気の可能性を踏まえて受診を検討するとよいでしょう。

治療法は手術、放射線治療、薬物療法などがあり、がんのタイプや状態によって選択します。

咳が出るときに気を付けたいポイント

マスクなどで咳エチケットを行う

感染症が原因の場合は、咳などがきっかけでほかの人にうつしてしまう場合があります。そのため、咳が出るときはマスクをしたり、ティッシュやハンカチ、服の袖、肘の内側などで口や鼻を押さえたりして咳エチケットを心がけましょう。

ストレスをためない

咳のコントロールには脳の大脳皮質というところが関係しており、ストレスも大脳皮質に影響するため、精神的なストレスが咳の原因となることもあります。そのため、ストレスをためないようにしたり、ストレス解消を心がけたりすることも大切です。

気になる症状があるときは我慢しない

咳は日常でありふれた症状の1つですが、ときに治療が必要な病気や命にかかわる病気が原因で咳が出ることもあります。そのため、咳が長く続いたり、一般的なかぜとは異なる症状があったりする場合は早めの受診を検討するとよいでしょう。