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2022.06.01
#発熱外来

新型コロナウイルス感染症の後遺症 嗅覚・味覚症状

新型コロナウイルス感染症の後遺症

新型コロナウイルスにかかると、感染中に症状があったかどうかに関係なく、回復後の後遺症としてさまざまな症状が現れることがあります。この症状の多くは時間の経過とともに自然回復すると考えられていますが、中には感染から1年経過しても症状が改善されず、日常生活に支障をきたす方もいるといった報告もあります。

また、後遺症は年齢や性別に関係なく、新型コロナウイルスに感染したどんな方にも起こりうることが分かっています。

原因は今のところはっきりと分かっていません。治療法についても確立されていませんが、症状に合わせた対処法(対症療法)を行うことで症状が和らいだり、より早く回復したりする可能性もあります。

後遺症の1つ“嗅覚・味覚障害”とは

新型コロナウイルス感染症の後遺症でみられることがある症状はさまざまですが、その中の1つに嗅覚・味覚症状があります。

嗅覚障害とは、においの感じ方に異常が生じた状態を指し、味覚障害とは味の感じ方に異常が起こった場合を指します。具体的な症状は以下のとおりです。

主な症状

嗅覚障害

  • においが分からない
  • においの感じ方が弱い
  • においがいつもと違って感じる
  • 何を嗅いでもにおいが同じに感じる

など

味覚障害

  • 味が分からない
  • 味の感じ方が弱い
  • 食事がおいしく感じられない
  • いつもと味が違って感じる
  • 口の中に何もなくても苦味や甘みを感じる

など

後遺症としてみられる嗅覚・味覚障害は、比較的短い期間で改善することが一般的です。診断から退院までに症状を認める患者さんは嗅覚障害で37%、味覚障害で38%といわれていますが、診断から3か月後に症状を訴える患者さんは嗅覚症状で10%、味覚症状で9%と、減少するという報告がされています。

症状の持続期間が1か月以上と長期化する嗅覚障害では、これまでとにおいが違って感じてしまうなどの“異嗅症”が起こることがほとんどです。味覚障害の多くは嗅覚障害に伴って生じており、後遺症として味覚障害が単独で発生する頻度は低いといわれています。

後遺症が疑われる場合の対処法

新型コロナウイルス感染症から回復後、においを感じない、味を感じないなどの症状が続く場合には、かかりつけ医や地域の医療機関の受診を検討しましょう。場所によっては後遺症を専門に診る外来を設置している医療機関もあります。

診断の流れ

嗅覚・味覚障害は早期に改善することも少なくないほか、新型コロナウイルス感染症発症直後は検査によって感染が広がる可能性もあるため、発症から10日間は検査を行わずに経過観察となることが一般的です。ただし、症状が2週間以上続く場合には、耳鼻咽喉科専門医への紹介が検討され、専門医による問診や診察のほか、以下のような検査が行われます。

  • 内視鏡検査
  • CT検査やMRI検査などの画像検査
  • 嗅覚検査
  • 味覚検査
  • 血液検査

など

 

嗅覚・味覚障害に対する治療法

前述のとおり、嗅覚・味覚障害の多くは時間の経過とともに早期に改善すると考えられていますが、中には長期にわたって症状が続く場合もあります。

後遺症として現れる嗅覚・味覚障害に対する確立された治療方法はありませんが、風邪を引いた後に生じる“感冒後嗅覚障害”で行われるような点鼻薬や内服薬を用いた治療が検討されることがあります。においや味が分からないなど、嗅覚・味覚障害を疑う症状が続く際は医療機関の受診を検討しましょう。

 

<参考文献>

新型コロナウイルス感染症 罹患後症状のマネジメント 厚生労働省