リベルサス
禁煙外来とは、喫煙を依存症(病気)と捉え、禁煙したい方を支援するための外来です。貼り薬や飲み薬といった禁煙補助薬を使うことで、自分で禁煙するよりもずっとラクに禁煙できるところが特徴です。
海外の報告では、禁煙補助薬を利用すると、自力で行うよりも禁煙成功率が3~4倍高まるといわれています。また、一定の条件を満たせば保険適用で治療することも可能です。
本記事では禁煙治療に用いられる薬や2020年に登場した治療用アプリなどについて解説します。
禁煙外来で使われる治療薬には、ニコチンパッチ(貼り薬)とバレニクリン(チャンピックス:飲み薬)があります。
ニコチンパッチは体に貼って皮膚からニコチンを吸収させるタイプのニコチン製薬です。皮膚から少量のニコチンを浸透させることで、ニコチンからの離脱症状を緩和させて禁煙に導くといわれています。
これは薬局や薬店でも販売されていますが、市販のニコチンパッチは医療用医薬品のものと比べて用量が少ないため、喫煙本数が多い方では効き目が不十分となる可能性があります。
使用方法は市販と医療用医薬品とで異なりますが、医療用医薬品のほうは1日1回1枚をお腹や背中などに24時間貼ります。
また、標準的な治療期間は8週間(2か月)で、初めの4週間は大きいサイズニコチンパッチを貼ります。次の2週間は真ん中のサイズのものを、最後の2週間は小さいサイズのものを貼るというように、期間によってサイズを切り替えていくことが一般的です。
なお、サイズの大きさはニコチンの含有量による違いで、ニコチンの含有量が多いほどニコチンパッチのサイズが大きくなります。ニコチンパッチを貼っている間に喫煙すると急激にニコチンの血中濃度が上昇するため、喫煙をしないことが必要です。
ニコチンパッチの主な副作用はかゆみや赤みなどの皮膚症状です。毎日貼る部位を変えると、副作用の軽減が期待できます。
ニコチンを含まない飲み薬タイプの禁煙補助薬です。脳の中のニコチン受容体に作用することで、ニコチンの離脱症状を緩和します。加えて、喫煙による満足感を抑制する作用があり、ニコチンパッチよりも禁煙成功率が1.5倍高いといわれています。
バレニクリンは薬局などでは買えないので、医療機関の受診が必要です。
当院で禁煙治療をご希望の方へ
現在、製造元の出荷停止の関係で飲み薬(チャンピックス錠)での禁煙治療の受付を停止しています。
当院では、貼り薬(ニコチネルTTS)での治療を行っております。
禁煙開始日1週間前から食後に服用し、12週継続することが一般的です。服用スケジュールの例は以下のとおりです。
1~3日:0.5mgを1日1錠(食後)
4~7日:0.5mgを1日2錠(朝夕食後)
8日以降:1mgを1日2錠(朝夕食後)
服用開始から7日間は喫煙しながら服用し、服用後8日目から禁煙します。
代表的な副作用は胃の不快感といった消化器症状です。胃の弱い方は一緒に胃腸薬が処方されることもあります。
喫煙が習慣化している方にとって、禁煙は「つらい」「難しい」と感じることもあるかも知れません。そこで近年はたばこへの心理的依存を解消するために、前述の治療薬に加えてスマートフォンなどを活用した治療用アプリも登場し、2020年12月に保険適用となりました。
この治療用アプリは医師の指導のもと導入され、禁煙外来への通院と通院の間の期間を個人の状況に合わせてサポートします。具体的には、モバイルCOチェッカーで日々の一酸化炭素濃度を測定・記録できるほか、喫煙したくなった際にチャット機能でその対処法を伝えるなど、行動療法という形でたばこへの心理的依存を軽減させます。
このアプリを併用することで、禁煙の成功率が向上することが分かっています。
禁煙治療にかかる費用は、標準的な12週間禁煙治療プログラム(計5回)で13,000~20,000円程度(保険3割負担の場合)です。ただし、保険適用で治療を受けるためには、決められた一定の条件を満たす必要があります。
治療費は医療機関によって異なる場合があるので、詳しくは各医療機関へ確認することをおすすめします。
以下の条件に全て当てはまる場合は、禁煙治療を保険適用で受けられます。
(35歳未満の場合は200未満でも可)
禁煙外来で使われる薬には、ニコチンパッチ(貼り薬)とバレニクリン(飲み薬)があります。これらの薬にはたばこの離脱症状を緩和させる効果があり、自分で行うよりも確実な禁煙を期待できます。
禁煙治療で使う薬について分からないことがあれば、医師や医療機関への相談・受診を検討しましょう。
禁煙外来について詳しくはこちらをご確認ください。
当院で禁煙治療をご希望の方へ
現在、製造元の出荷停止の関係で飲み薬(チャンピックス錠)での禁煙治療の受付を停止しています。
当院では、貼り薬(ニコチネルTTS)での治療を行っております。