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2022.09.14

糖尿病の合併症にはどんな病気があるの? ~3大合併症の神経障害、目の網膜症、腎症についてご紹介~

糖尿病とは、インスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で、高血糖の状態が慢性的に続く病気です。日頃からの血糖コントロールがうまくいっていないと、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。合併症を発症すると治療が困難になるため、普段からしっかり血糖値をコントロールして合併症を予防することが大切です。

本記事では、糖尿病の合併症について解説します。

糖尿病の合併症

糖尿病の代表的な合併症は3大合併症といわれ“神経障害”“目の網膜症”“腎症”があります。そのほか、より大きな血管の動脈硬化が進行することで心臓病や脳卒中のリスクも高まるといわれています。

3大合併症は「し(神経障害)・め(網膜症)・じ(腎症)」と並べて覚えられています。

神経障害

高血糖が続くと神経のはたらきが障害され、足のしびれやつり、足の壊疽(えそ)などが起こる可能性があります。神経障害は糖尿病性合併症の中でももっとも合併頻度が高いといわれており、一般的には糖尿病患者の40%前後で何らかの神経障害が合併するといわれています。

足の壊疽を防ぐためには、日頃から自分の足(指の間や足底)を観察するようにしましょう。見えないところは鏡を使用したり、家族にも手伝ってもらったりするのがおすすめです。

網膜症

高血糖状態が続くと、目の網膜の毛細血管に障害が起こることがあり、進行すれば失明につながる場合もあります。網膜症は末期になるまで自覚症状がほとんどないため、眼科で定期的な眼底検査を受けることが大切です。

腎症

高血糖が続くと、腎臓のろ過装置である糸球体に障害が起こりやすくなり、進行につれて尿タンパクが増加します。新規に人工透析を始める人の約半数は糖尿病腎症が原因だといわれています。

また、高血糖に加えて血圧が高いと糖尿病腎症を引き起こしやすくなります。合併症を防ぐためにも、血圧は130/80mmHg未満(家庭血圧では125/75mmHg未満)を維持するとよいでしょう。

糖尿病の合併症を防ぐためには

糖尿病の合併症を防ぐためには、血糖値や血圧、コレステロールの値や体重などを正常範囲にキープすることが大切です。

特に血液検査で分かるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値は、血糖のコントロールをしていくうえで重要です。HbA1cとは血液中のすべてのヘモグロビンのうち、ブドウ糖と結合しているヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかを示す数値で、当日の食事内容や運動などの影響を受けずにここ1~2か月の血糖値が反映されるため、糖尿病の検査としては欠かせません。合併症を予防するためのHbA1cの一般的な目標値は7.0%未満といわれています。

以下では、糖尿病の治療の基本となる食事療法、運動療法についてご紹介します。

食事療法

食べたものは血糖値の変動に直接影響するため、食事の工夫は糖尿病の予防においてとても重要です。また、肥満はインスリンのはたらきを悪くするため、エネルギーの総摂取量を改め、肥満を改善することが大切です。糖尿病の合併症を予防するための具体的な食事の工夫は以下のとおりです。

  • よく噛んで、ゆっくり食べる
  • 食事は腹八分目を心がける
  • 炭水化物、たんぱく質、脂質などのさまざまな栄養素をバランスよく取る
  • 甘いものや油っぽいものを食べ過ぎない

また、アルコールの摂取は適量を心がけましょう(1日に日本酒1合、ビール中瓶1本500ml程度)。アルコールの飲み過ぎは、血糖のバランスを崩してしまいます。

運動療法

血糖値を下げるためには、ウォーキングなどの軽い有酸素運動や筋肉トレーニング、日常生活での活動量を上げることなどがおすすめです。有酸素運動や筋肉トレーニングによって筋肉への血流が増えると、ブドウ糖がどんどん細胞の中に取り込まれてインスリンの効果が高まります。また、筋肉トレーニングによって筋肉量が増えることによってもインスリンの効果が高まります。

ただ、激しい運動を行えばよいというわけではありません。体を動かすためのエネルギーを補充するため、血糖値を上げるホルモンの分泌が増え、一時的に血糖値が高くなることがあるためです。また、血圧を上げるような強度が高い運動は心臓や腎臓に負荷がかかる恐れがあるため注意しましょう。

糖尿病の治療で気になることがあれば医療機関を受診しよう

糖尿病の3大合併症は“神経障害、網膜症、腎症”です。合併症を予防するには、良好な血糖コントロールや生活習慣の改善を心がけましょう。糖尿病の合併症で気になることがあれば、医師に質問し理解したうえで予防に努めましょう。

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