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2023.02.21

脂肪肝に使われる漢方薬とは? ~代表的な2種類の漢方薬の特徴や効果についてご紹介〜

脂肪肝の治療に取り組んでいると、予防や改善に漢方の使用を検討することがあるのではないでしょうか。医師が処方する医療用漢方製剤と薬局やドラッグストアで販売している一般用漢方製剤があり、脂肪肝の患者さんに対して、体質、希望、好みなどに応じて漢方薬が使用されることがあります。

ここでは、脂肪肝の患者さんに使われる漢方薬の特徴と効果、副作用について解説します。

脂肪肝に対して使われる漢方

脂肪肝の患者さんに使われる代表的な漢方薬は“大柴胡湯”と“防風通聖散”です。この2つは脂肪肝と関係が深い、肥満に対しても使用されます。

大柴胡湯

8種類の生薬で構成されている漢方薬です。肝臓の機能をサポートして脂質代謝を高めるほか、頭痛、便秘、ストレスを改善します。比較的体力があり、便秘がちで上腹部が張って苦しく、肩こり、頭痛などがある人に使用されます。

副作用

発熱、息切れ、食欲不振、腹痛、下痢などが現れることがあります。

防風通聖散

18種類の生薬を組み合わせて抽出された成分から作られている漢方薬です。生薬のはたらきで、代謝を高め、便秘やむくみを改善します。体格がよく体力があり、胃腸が強く便秘ぎみで、お腹に皮下脂肪が多く、便秘、肩こり、のぼせ、むくみなどがある人に使用されます。

副作用

発熱、発疹(ほっしん)、かゆみ、胃の不快感、腹痛、吐き気、下痢などが現われることがあります。

漢方薬の飲み方

漢方薬は特別な指示がない限り、食前(食事の30分以上前)または食間(食事と食事の間のことで食後2~3時間)に飲みます。食前も食間も胃に食べ物が入っていない状態です。このタイミングに飲むことで、薬の効果が現れやすく、西洋薬などのほかの薬や食べ物の影響を受けにくくなります。顆粒の漢方薬はカップ半分位の白湯に溶かして飲む、または白湯を口に含み飲み込む前に漢方薬を口に含んで一緒に飲み込むと、有効成分の吸収がよくなります。

脂肪肝の治療法

治療の基本は、アルール性脂肪肝であれば断酒、非アルコール性脂肪肝であれば生活習慣の改善で、肝臓に中性脂肪がたまらないようにするために、食事、飲酒、運動などの生活習慣を改善することがもっとも重要です。

食事は、食べ過ぎに注意し、甘い物や脂っぽいものを控え、青魚や緑黄色野菜を取るようにするなど栄養バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。飲酒に関しては、アルコール性脂肪肝は断酒です。非アルコール性脂肪肝でお酒を飲む習慣がある場合には、1日あたりに飲む量を見直すこと(節度ある適度な飲酒は、1日あたり純アルコールで約20g〈日本酒にすると1合、ビールにすると中瓶1本、ウィスキーにするとダブル1杯〉)、週2日はお酒を飲まない休肝日を設けることが必要です。

運動は、無理のない範囲でウォーキングや水泳などの有酸素運動(1回30分以上、週に3回程度)とスクワットなどの筋トレをしましょう。有酸素運動は脂肪をエネルギーとして燃やすため、肝臓の脂肪が減りやすくなります。筋トレは筋肉量を増やすことで基礎代謝がアップし、脂肪が燃えやすくなります。

生活習慣を改善しても効果が得られない場合は、薬物治療などが追加されることがあります。

「脂肪肝の治療」について詳しく見る

「脂肪肝の運動」について詳しく見る

漢方薬を使用する際には医師や薬剤師にご相談ください

前述のとおり、漢方薬は生薬を組み合わせて作られているため、いくつかの漢方薬を一緒に飲むと想定外の作用が現れる可能性もあります。薬局やドラッグストアで自由に購入できる漢方薬も、医師や薬剤師に相談したうえで使用しましょう。漢方薬は自然の生薬から作られているため、体にやさしい、副作用がないなど思われがちですが、医薬品であることから副作用が現れることがあります。体に異変が生じたら、医師にご相談ください。

eHealth clinicでは、本人の生活スタイルなどに合わせた治療法を提案します。内科では、ここでとりあげた脂肪肝をはじめ、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、痛風などの生活習慣病から、咳や発熱、頭痛などの風邪症状など幅広く診察しています。また、何科を受診したらよいか分からない方もぜひご相談ください。