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2022.10.07

脂肪肝と肥満の関係とは?~原因・予防・治療法について解説~

脂肪肝とは、肝臓の細胞の30%以上に中性脂肪がたまった状態のことです。お酒の飲み過ぎが原因で発症するアルコール性脂肪肝と、アルコール以外の原因で発症する非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の2種類に分類されます。

このうち非アルコール性脂肪性肝疾患は、薬剤やホルモン異常などが原因となることもありますが、特に肥満と深い関係があるとされています。進行すると肝硬変や肝がんとなるリスクがあるため、放置せずに早めに治療を始めることが重要です。今回は、脂肪肝と肥満の関係や、脂肪肝の予防・治療法について解説します。

脂肪肝と肥満の関係

非アルコール性脂肪性肝疾患は特に肥満(BMI25以上)と深く関係しているといわれています。

肥満になると、脂肪をエネルギーに変換する役割を持つインスリンのはたらきが低下し、体内のさまざまな所にある脂肪が肝臓に運ばれます。さらに肝臓でも中性脂肪を大量に作るよう促されるため、肥満の人は脂肪肝になりやすいといわれています。

実際、肥満の約70%以上の人が脂肪肝であるといわれており、肥満の人はそうでない人に比べてリスクが高まることが分かっています。

肥満ってどんな病気?

肥満とは、脂肪組織が体内に過剰にたまってしまった状態のことです。脂肪組織がたまりやすい部位によって、皮下脂肪型肥満(皮膚の下に脂肪がたまりやすい)、内臓脂肪型肥満(小腸などの内蔵周辺に脂肪がたまりやすい)の2つに分類できます。

肥満になる主な原因は、食生活や運動不足といった生活習慣です。食べ過ぎや運動不足によって消費エネルギーよりも摂取エネルギーのほうが多くなると、余ったエネルギーが脂肪に変換されて肥満になることがあります。

また医学的に肥満とみなされるのは、BMI(身長あたりの体格指数)が25以上の場合です。BMIは以下の計算式で算出します。

BMI=体重(kg)÷【身長(m)の2乗】

前述のとおり、肥満になるとインスリンのはたらきが弱まり、肝臓に脂肪がたまりやすくなります。そのため、肥満者やメタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満が原因で心血管疾患などの病気が発症しやすい状態)の患者さんの増加にともない、非アルコール性脂肪性肝疾患の患者さんが増えているといわれています。この非アルコール性脂肪肝は約10~20%が炎症によって肝臓が硬くなる非アルコール性脂肪肝炎に進行し、さらに肝硬変や肝がんなどにつながる可能性があります。なかでも肝がんはB型肝炎やC型肝炎が原因で発症すると考えられていましたが、肝炎ウイルスに感染していない肝がんの患者さんが全国的に増えており、この原因の1つに非アルコール性脂肪肝炎があるのではないかといわれています。

脂肪肝の予防・治療法

前述のとおり、脂肪肝から脂肪肝炎や肝硬変、肝がんなどに進行するリスクを踏まえて 、脂肪肝にならないように肥満を改善するなど脂肪肝の原因に対して予防すること、脂肪肝と診断されたら早めに治療することが大切です。

脂肪肝を予防・治療するには、食事療法や運動療法などを行う必要があります。食事療法と運動療法のどちらかだけでは十分な効果が得られないため、並行して行うとよいでしょう。

食事の際には食べ過ぎに注意し、バランスのよい食事を心がけることが重要です。また、1日5分でもよいので歩くなどして小まめに体を動かし、摂取したエネルギーを消費しましょう。

NASH(脂肪肝から進行していく肝臓病)で肥満がある場合は、減量が有効とされています。食事療法・運動療法によって5%減量できれば生活の質が向上し、7%減量すればNASH自体が改善するといわれています。

また、生活習慣の改善や減量で治療効果が得られなかった場合は、薬物治療も検討します。糖尿病や脂質異常症など、ほかの病気を併発している場合は、それらの病気の治療を行うこともあります。

脂肪肝と診断されたら早めに医療機関に相談を

非アルコール性脂肪性肝疾患は、肥満と深く関わることも多い病気です。脂肪肝を放置すると肝硬変や肝がんとなるリスクがあるため、脂肪肝にならないように予防に努め、脂肪肝と診断されたら早めに治療を開始することが大事です。

脂肪肝の予防・治療は、食事療法・運動療法による生活習慣の改善が基本です。肥満がある場合は減量も必要ですが、無理な運動をすると逆効果になる恐れがあるので、医師とよく相談しましょう。

脂肪肝は自覚症状がないことが多い病気です。症状から脂肪肝かどうかを判断するのは難しいため、脂肪肝の不安がある場合や、健康診断などで脂肪肝を指摘された場合は、詳しい検査や治療のために、医療機関の受診を検討するとよいでしょう。