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2022.10.17

花粉症の漢方治療とは?~メリットや注意点、各漢方薬の特徴についてご紹介~

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)とは、スギやヒノキなどの花粉が原因となり、くしゃみや鼻水などの症状が生じる病気です。治療法には、原因となる花粉の除去・回避、症状緩和のための薬物療法、アレルゲン免疫療法(原因となる花粉のエキスを含む薬を投与し、花粉に慣れることで症状を緩和する治療法)、手術療法などがあります。症状緩和のための主な薬としては、第二世代抗ヒスタミン薬、化学伝達物質遊離抑制薬、抗ロイコトリエン薬、ステロイド薬などが挙げられますが、漢方薬が選択肢となることもあります。

この記事では、花粉症治療における漢方薬の役割や、使用する漢方薬の詳細などを解説します。

花粉症治療における漢方の考え方

漢方とは、さまざまな効果を持つ複数の生薬(植物など)を組み合わせて作られる薬のことです。冷え症や虚弱体質といった体質に由来する症状や、更年期障害といった検査結果には表れづらい不調などの治療にも効果が期待できます。花粉症で漢方薬を検討する際も、患者さんの体質や症状に合わせたものが選択されることが一般的です。

また、漢方薬を治療に用いる目的の一例として、花粉の飛散時期は症状緩和目的、飛散しない時期は体質改善目的があります。たとえば、肥満の方は花粉症の症状が強く出る場合があるため、肥満を改善する漢方薬を使うことで花粉症の症状緩和が期待できます。

花粉症治療における漢方薬のメリット

漢方薬は、眠気などの副作用が起こりにくい点が1つの特徴です。

花粉症の薬物療法では抗ヒスタミン薬などが処方されることが基本ですが、眠気などの副作用や妊娠・授乳中で内服できない場合では漢方薬が検討されることもあります。また、場合によっては、抗アレルギー薬と漢方薬を併用することも可能です。

代表的な漢方薬に小青竜湯(しょうせいりゅうとう)がありますが、この漢方薬には麻黄(まおう)という生薬が含まれています。麻黄には覚醒作用もあり、運転する人などでも飲みやすいとされています。

花粉症治療における漢方薬の注意点

頻度は少ないものの、漢方薬にも副作用のリスクはあります。成分によっては心臓を刺激したり、むくみや高血圧、筋肉痛、発疹(ほっしん)、肝障害などの副作用が出たりするものもあるため注意が必要です。

また、妊娠初期(12週頃まで)は漢方薬も避けたほうがよいとされています。さらに、成分によっては妊娠中期以降も気を付けたほうがよい漢方薬もあります。

そのほか、副作用と間違いやすいものに瞑眩(めんげん)があります。これは、漢方薬の効果が出る前に一時的な体調の悪化や不調が生じる現象のことです。瞑眩の場合は飲み続ければ解消されることが一般的です。

このように、漢方薬でも副作用や不調が生じることがあるため、医師に相談したうえで服用したほうがよいでしょう。服用中に気になる症状があれば、医師に相談するようにしましょう。

花粉症治療に使う漢方薬

小青竜湯

花粉症治療における代表的な漢方薬に小青竜湯があります。気管支や肺の水滞(水分バランスの異常)を改善するとされ、水っぽい痰や鼻水、くしゃみ、咳などの改善に効果が期待できます。また、花粉症以外に、鼻炎、アレルギー性鼻炎、風邪、気管支炎、気管支喘息などの治療の際にも使われることがあります。

ただし、小青竜湯には麻黄が含まれています。麻黄は心臓を刺激するため、高血圧、狭心症(きょうしんしょう)、不整脈といった持病がある方などは注意が必要といわれています。そのため、高齢者には使わず、若年者向きとされています。

苓甘姜味辛夏仁湯

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにとう)は、小青竜湯と同じく肺の水滞を改善するとされており、痰の多い咳の改善に効果が期待できます。

また、気管支炎や気管支喘息などの治療の際に使われることもあります。麻黄を含まないため、麻黄が使えない人や高齢者でも使いやすい点も特徴です。

越婢加朮湯

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)は水滞の改善に期待ができ、結膜炎を合併しているときに使うことが多いです。そのほか、腎炎や関節リウマチ、湿疹など、さまざまな病気の治療の際に使われることがあります。

また、麻黄が多く含まれているため若年者向きとされています。

麻黄附子細辛湯

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)は体を温める作用があり、冷えや悪寒があるときに適しているとされる、高齢者向きの漢方薬です。

花粉症だけでなく、アレルギー性鼻炎、風邪、気管支炎、気管支喘息などの治療に使われることもあります。

当帰芍薬散

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、冷えやむくみなどの改善が期待できる漢方薬です。花粉症のほか、貧血や倦怠感、更年期障害、月経不順、妊娠中の諸症状などの改善に使われることがあります。

花粉症治療で漢方薬を使いたい場合は医師に相談を

花粉症治療の際、漢方薬も選択肢の1つとなります。しかし、頻度は少ないものの漢方薬にも副作用のリスクはあり、特に高齢者や妊娠中、持病がある方は注意が必要です。

そのため、漢方薬で花粉症治療を行いたい場合は医療機関を受診し、医師に相談したうえで服用したほうがよいでしょう。服用中に気になる症状があれば医師に相談するようにしましょう。