高尿酸血症の食事で気を付けるポイントとは?具体的な食事の注意点を解説
アルコール性肝炎は、多量の飲酒を長期間続けたことによって、肝臓に炎症が生じる病気のことです。脂肪肝や肝硬変、肝細胞がんなどをはじめとするアルコール性肝疾の1つです。アルコール性肝炎はこの中でも炎症が強いタイプだといわれています。
推計患者数は14,000人ほどです。アルコールの過剰摂取をした人の90%以上が脂肪肝(肝臓に中性脂肪が蓄積した状態)となり、そのうち10~20%程度がアルコール性肝炎に進行するとされています。
原因が多量の飲酒であることから治療では禁酒をすることが重要です。これによって、約30%の患者さんは肝臓が改善するといわれています。
過剰な飲酒を長期間(一般的に5年以上)続けている場合は、アルコール性肝炎を含むアルコール性関連肝疾患を発症することがあるため、当てはまる場合は注意が必要です。1日の純アルコール摂取量60g(日本酒換算で3合弱)を超えると、ほぼ100%アルコール性肝疾患を発症するとされています。さらに、アルコールの代謝効率が悪い人や女性は、40g程度で発症する可能性もあります。
アルコール性肝疾患は脂肪肝から始まり、肝炎、肝硬変、肝細胞がんや肝不全へと進行していくといわれ、時に命に関わることもあるため注意が必要です。また、アルコール性肝炎を発症している場合、アルコール依存症が背景にあることも多く、依存症の専門治療が必要となることもあります。
このことからも、飲酒歴に加えて、腹痛、発熱、黄疸などがある場合は、早めに消化器内科などの受診を検討するとよいでしょう。ただし、アルコール性肝炎などを発症していても自覚症状がないことも多いとされています。血液検査でAST、ALT、γ-GTP、ALPといった数値の異常が指摘された場合はアルコール性肝炎などの疑いがあるため、医師の指示に従い精密検査などの適切な対応を取ることを心がけましょう。
アルコール性肝炎の治療では禁酒が必須であり、肝障害の程度が軽いうちに早めに治療を始めることで改善が見込めるとされています。必要に応じて薬物療法や肝移植、合併症の治療などが行われることもあります。また、断酒をしても症状が続く場合があり、肺炎などの合併症も併発すると命に関わることもあるため、その際はステロイド薬や肝移植などの治療が必要となることが一般的です。さらに、アルコール依存症が背景にある場合は専門的な治療が必要となります。各治療法の詳細は以下のとおりです。
アルコール性肝炎の治療では、断酒や禁酒が不可欠とされており、最低でも週2日は禁酒する必要があります。さらに、1度摂取したアルコールの代謝には3日かかると考えられているため、総飲酒量を減らすことも大切です。飲酒をする場合は、純アルコール換算で、男性は1日平均40g以下、女性は平均20g以下の飲酒が目安とされています。
また、アルコールに依存している状態だと、自分で断酒するのは難しいことが多いです。その場合は専門スタッフによるカウンセリング、禁酒会への参加、薬の使用などが必要となります。
重症の場合はプレドニゾロンというステロイド薬を1~4週間程度使用することがあります。ステロイド薬は、炎症を抑えるはたらきなどが期待できる薬です。
また、必要に応じて断酒を補助する薬を使うこともあります。飲酒をすると吐き気などの症状が起きる薬や、飲酒の1~2時間前に服薬することで、もっと飲みたいという欲求を抑えられる薬などがあります。
肺炎や急性腎不全、消化管出血といった合併症などがある場合(重症型アルコール性肝炎と呼ぶ)や肝硬変に至っている場合などは、肝臓の移植が必要となることがあります。この場合は移植前に6~18か月程度の禁酒が必要となることが一般的です。
アルコール性肝炎の場合、カロリーやタンパク質、ビタミン、亜鉛などの栄養素が欠乏状態となっていることがあり、栄養の不足によってさまざまな病気や症状が生じることがあります。そのため、必要に応じて栄養療法を行います。高タンパク、高エネルギー食とし、ビタミンや亜鉛などの補充が必要となることが一般的ですが、具体的な内容は医師の指示に従いましょう。
断酒をしても病状が改善せず、重篤化することがあります。まれではありますが、命に関わることもあるため、定期的に受診し、肝臓の状態をチェックするために血液検査などを受けて経過をみることが大事です。