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2022.10.31

大人の喘息の原因とは?~種類によって異なる原因についてご紹介~

一般的に、喘息(ぜんそく)とは気管支喘息といい、大人の喘息は成人喘息と呼ばれています。

喘息の症状出現や症状が悪化する原因としてもっとも知られているものにハウスダストなどのアレルギーの原因物質(アレルゲン)によるものがありますが、大人の喘息ではアレルゲン以外の原因が多くを占めます。ここでは、アトピー型と非アトピー型の中でも、大人の喘息に関係する原因ついて詳しくご紹介します。

大人の喘息の原因

喘息は、主に“アトピー型”と“非アトピー型”に分けられ、原因は種類によって異なります。大人の喘息に多い種類は“非アトピー型”で、アレルギーの原因物質であるアレルゲンが特定できないタイプの喘息のことです。一方“アトピー型”は子どもに多く、アレルゲンが特定できる喘息のことをいいます。

以下では、大人に多い非アトピー型喘息の中で考えられる原因を中心に解説します。

非アトピー型

呼吸器感染症

風邪やウイルス、細菌が原因の呼吸器感染症は、気道に炎症を起こして気道過敏性も悪化するなど、喘息発症や悪化の原因になります。

気温・気圧の変化

喘息の人は気道に炎症を起こしやすく、敏感になっています。気温が急激に下がる、前日との気温差が激しい、台風が通過することで気圧が急変するなど、気温と気圧の変化は気道への刺激となって喘息の悪化や発作を引き起こします。

環境汚染

生活環境について、昔に比べて木造から鉄筋、モルタル、アルミサッシを使用するようになったこと、さらに冷暖房化が進み窓の開閉が減ったこと、屋内で動物を飼うようになったこと、カーペットを使用したりこまめに大掃除をする機会が減ったりすることなどが引き金となり、室内のチリやダニが増え、喘息が引き起こされます。

さらに、大気中に漂うとても小さな粒子状の物質であるPM2.5や、火山噴火で放出される二酸化硫黄などの環境汚染物質も喘息が悪化する原因になると考えられています。

過労・ストレス

はっきりとした理由は分かっていないものの、ストレスを感じると体内からアレルギーの原因物質であるマスト細胞という炎症物質が出るため喘息が悪化すると考えられています。さらに、過労や強いストレスは抵抗力を弱め、風邪やウイルスなどの呼吸器感染症にかかりやすくなります。

たばこの煙

たばこの煙に含まれる多くの有害化学物質は、気道に炎症や収縮などを引き起こします。たばこを吸う本人だけでなく、たばこから立ち上る煙や吐いたときに出る煙を吸うことで、家族や同僚など、生活環境を共にする身近な人が喘息になることもあります。

メタボリック症候群・肥満

内臓脂肪にある脂肪細胞が炎症を悪化させる物質を出すほか、気管支周辺の脂肪細胞の隙間に炎症を引き起こす細胞が集まることで喘息を悪化させるといわれています。肥満を改善すれば、喘息も改善することが明らかになっています。

そのほか

食品や食品添加物、薬物(アスピリン内服によるアスピリン喘息)、寄生虫への感染なども原因の1つといわれているほか、月経や妊娠、アルコールの摂取、運動(運動誘発喘息)も喘息発作や悪化につながると考えられています。

アトピー型

ハウスダスト

アトピー型でもっとも多い原因は、チリやダニなどのハウスダストです。アトピー型の喘息の約70%がハウスダストによるものといわれています。

職業性喘息

職業性喘息とは、仕事を行う中で吸い込んだ粒子や蒸気などの物質が刺激物として作用し、アレルギー反応を引き起こすことで起こる喘息です。

職業性喘息になりやすい原因物質の一例は次のとおりです。

  • 医療機関をはじめとしてさまざまな職種で使われるようになった、使い捨てゴム手袋の素材であるラテックスや除菌に使われる酵素洗剤・酵素
  • 製材業者や大工が扱う、木材の粉じんや松ヤニなど、素材から出る物質
  • セメント業者や金属メッキ取り扱い者ではクロムやニッケル、プラチナなど

信頼できる主治医を見つけましょう

大人の喘息は慢性化・重症化しやすく油断できない病気ですが、最近は治療薬やガイドラインが進歩して適切な診断と治療を受けることで発作が抑えられたり、3年以上発作が出なくなったりすること(寛解状態)もあります。

しかし、たとえ薬物治療の必要がなくなったとしても、再発予防のための自己管理が長期にわたり必要となります。長い目で喘息に向き合うためにも、信頼できるかかりつけ医を見つけて早めに受診しましょう。

eHealthclinicの喘息外来では、本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法を提案します。医師はもちろん、看護師や管理栄養士などがチームになって喘息の改善をサポートします。ぜひご相談ください。

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