リベルサス
喘息が疑われる場合、喘息かどうかを診断するために呼吸機能などを調べる検査が行われます。具体的には、呼吸機能検査(スパイロメトリー)、気道可逆性テスト、呼気一酸化窒素濃度測定検査(FeNO検査)、喀痰検査、血液検査やアレルゲン検査などです。ほかの病気の可能性などを調べるために、胸部X線検査や肺CTなどの検査が実施されることもあります。また、検査の内容は、年齢や症状などにより異なります。
この記事では、喘息の代表的な6つの検査と、喘息以外の病気がないかを調べる検査について解説します。
喘息かなと思ったら、呼吸器内科やアレルギー科のある病院を受診しましょう。診察では、まず症状について医師による問診が行われます。問診では、咳や痰、息苦しさなどの症状の有無やその頻度、薬の使用状況や病歴のほか、家族に喘息の人がいるか、喫煙など生活環境についても確認されます。この内容が検査や診断、治療方法の決定につながるので、なるべく具体的に答えましょう。
喘息の検査では、主に次のことを調べます。
それぞれの代表的な検査を見ていきましょう。
喘息の人に共通する症状の1つに、気道が狭くなっていることがあります。そのため、気道の状態をみるために次のような検査を行います。
呼吸機能を調べるには、“スパイロメーター”という機械で呼吸の“1秒量”を測ります。1秒量とは、息を思いきり吸いこんでから勢いよく吐いたとき、1秒間に息を吐いた量のことをいいます。1秒量が少ないほど、気道が狭くなっていることになります。
気道可逆性テストも、喘息の診断に用いられます。具体的には、喘息の治療にも使われる気道を広げる薬を口から吸入して、その前後の呼吸機能の状態を比べます。
薬の吸入後に気道が広がって息がしやすくなれば、呼吸の1秒量も増えます。それが増えていれば、喘息か起こっているという判断につながります。
喘息は、気道内に炎症が起こっていることも特徴の1つです。そのため、次のような検査で気道内の状態を確認します。
この検査は、吐く息の中に一酸化窒素(NO)がどれくらい含まれているかを調べるものです。大きく息を吸い、その後10秒間に吐いた息で測定します。
喘息で炎症を起こしている気道内に刺激が加わると、体内で一酸化窒素が大量に生み出されます。そのため、一酸化窒素の量をみることで診断につながるほか、治療の過程でも改善状況が分かります。
喀痰検査とは、吐いた痰の成分を調べることです。喘息で気道内に炎症が起こると、痰の中にアレルギーに関わる好酸球という細胞(白血球の一種)が増えます。
また、喘息では炎症で剥がれた気管支の細胞が痰に多く含まれることから、その量も調べます。
喘息には、大きく分けてアレルギーが引き起こすアトピー型と、それ以外の非アトピー型の2つがあります。そのため、アレルギーについても次のような検査が行われます。
血液を採取し、血中の細胞を調べます。調べるのは主に次の3つです。
アレルギー体質だと判明すれば、原因物質を特定するための検査も行われます。
アレルゲン(アレルギーの原因物質)の特定には、主に次の検査が行われます。
検査名 | 検査内容 |
皮膚反応テスト | アレルゲンのエキスを皮膚に付け、かゆみなどの反応をみる |
吸入誘発テスト | 濃度を薄くしたアレルゲンを少しだけ吸入し、発作が起こるかどうかをみる |
アレルギーの原因が特定できれば、喘息の発作を防ぐのにも役立ちます。
咳や痰、息苦しさなどの症状は、喘息以外でも起こります。そのため、喘息かどうかを特定するには、ほかの病気の可能性やほかの病気との合併症が起こっていないかも調べる必要があります。
そのため、胸部X線検査や高解像度の肺CT、心電図検査など、症状や状況に適した検査も行われます。
咳が止まらない、息苦しいなど喘息を疑う症状がある場合は、早めの受診がおすすめです。放置したり自己判断で市販薬を飲み続けたりすると、症状が悪化してしまう恐れもあります。病院の検査で原因が特定できれば、症状もより早く改善できます。症状が重くつらくなる前に、医師の診断を受けましょう。
eHealth clinicの喘息外来では、本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法を提案します。医師はもちろん、看護師や管理栄養士などがチームになって喘息の改善をサポートします。ぜひご相談ください。