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尿路結石は、さまざまな原因が絡まり合って起こります。また、一度治っても、高い確率で再発することが知られています。発症を防ぐ効果的な方法はあるのでしょうか。今回は、尿路結石の予防について解説していきます。食事の内容や時間など、日常生活の注意点を含めた具体的なポイントを確認していきましょう。
尿路結石の予防は、原因によっていくつかに分かれます。結石になりやすい病気(たとえば副甲状腺機能亢進症)にかかっている、あるいは持病のためステロイドを服用しているといった場合は、元となる病気などの治療のなかで対応が決まります。
一方それとは別に、食事の内容など日常の生活習慣のなかで、予防に結びつけられるものもあります。今回は主に、生活習慣の面で気を付けたい予防法を考えます。
結石は尿の成分の一部が排泄されず、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の中で結晶化する病気です。石が腎臓にあるうちは無症状なことが多いですが、尿管に下りてくると、脇腹や下腹部などに激しい痛みが現れます。
尿路結石は、食事として摂取されたシュウ酸やリン酸などが、カルシウムやマグネシウムと結合して塊になることで発生します。そのため、食事に気を付けることは、予防の基本となります。
水分の不足は尿を濃縮させるため、結石の直接的な原因となります。尿路結石の再発予防では、食事以外に1日2Lの水分を取ることが推奨されています。特に夏の暑い時期、入浴後、運動後、夕食後の水分補給が重要です。
以前は結石予防には、カルシウムをなるべく取らないほうがよいと考えられていました。しかしその後の研究で、結石のない人に比べて結石患者のほうが、カルシウム摂取量が少ないということが報告されました。
カルシウムは腸管内でシュウ酸と結合し、便として排泄されます。そのため、尿中のシュウ酸量を減らすことができます。このことから現在では、適量のカルシウムを取ることは結石の再発予防につながると考えられています。
尿の中に排出されるシュウ酸は、結石の最大の危険因子とされます。予防のためには、シュウ酸を多く含む食品の過剰な摂取を控えることが大切です。
シュウ酸は、ホウレンソウやキャベツ、ブロッコリーといった野菜、バナナなどのフルーツに多く含まれます。またコーヒー、紅茶、緑茶といった毎日飲む習慣のあるものにも含まれているため、注意が必要です。
クエン酸はシュウ酸とカルシウム、リン酸とカルシウムが結合するのを妨げます。また尿の酸性度を抑えるため、シュウ酸や尿酸に基づく結石の予防に効果が期待できます。果物や野菜に多く含まれますが、取り過ぎるのは好ましくないとされます。
プリン体は体内で代謝されて、尿酸となります。過剰に摂取すると、酸性尿や高尿酸血症を引き起こします。
鶏レバーやマイワシの干物、鮟鱇などは、100gあたり300mg以上とプリン体を非常に多く含む食品として知られています。そのほか、豚や牛のレバー、カツオなども同様です。1日当たりのプリン体摂取量は、400mg未満が望ましいとされます。
塩分の制限は、尿中カルシウム排泄量を減少させる効果があります。逆に糖分の取り過ぎは、尿中のカルシウム排泄量を増加させます。
動物性脂肪を多く取ると、腸内の脂肪酸が増えてカルシウムと結合します。その結果、シュウ酸はカルシウムと結合できなくなり、尿への排出量が増えることになります。また動物性たんぱくが多いと尿の中の尿酸が多くなり、結石ができやすくなります。
食事の内容以外にも、注意すべきことがあります。
睡眠中は水分が補給されないため、尿は濃縮されます。尿の中で結石の形成を促す物質の濃度は、食後2~4時間がピークです。したがって、夕食は眠りにつく4時間くらい前までには、済ませておくのが理想です。
肥満と尿路結石の因果関係は、はっきりとはしていません。しかし、日本人の尿路結石患者の約40%に肥満がみられるという調査結果もあります。尿路結石の場合、小さい石であれば、運動によって排出されやすくなるともいわれています。適度な運動を行うことは予防方法として有効です。
食事内容との関係が深い尿路結石の、予防の面での注意点をみてきました。尿路結石は、再発しやすいのが特徴です。食事や生活指導が適切に行われない場合、再発率は80~90%にもなるといわれます。
食事に気を配るということは、ほかの生活習慣病予防にもつながっていきます。健康を維持するためにも、保健機関や医療機関を積極的に利用しましょう。
eHealth clinicの尿路結石治療では、本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法を提案します。