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2022.08.22

新型コロナウイルス感染症の後遺症でみられる呼吸困難感とは? ~重症であればあるほど症状が残りやすいといわれている~

新型コロナウイルス感染症にかかると、回復した後にも後遺症として、倦怠感や咳、呼吸困難感、味覚障害などの症状が複数みられる場合があります。WHO(世界保健機関)は後遺症について“新型コロナウイルスに感染した人にみられ、少なくとも2か月以上持続し、ほかの病気による症状として説明がつかないもの”と定義しています。ただし、後遺症についてはまだ不明なことが多く、国内外で調査が行われている段階です。

中でも本記事では、新型コロナウイルス感染症の後遺症である呼吸困難感について解説します。

新型コロナウイルス感染症の後遺症でみられる呼吸困難感の特徴

呼吸困難感とは“息切れや息苦しさ”などの、呼吸をするときの不快な感覚のことです。呼吸困難感は新型コロナウイルス感染症の重症度に依存していると考えられており、重症であればあるほど症状が残りやすいといわれています。中には呼吸困難感があることで日常生活に支障が出ることもあるといわれています。症状が悪化傾向にある場合などは、早期にかかりつけ医などへ相談しましょう。

呼吸困難感が出る時期

呼吸困難感を含め、後遺症が出る時期には、新型コロナウイルス感染症になりはじめた時期(急性期)から持続する場合と、感染症の急性期から回復した後に新たに出現する場合があるといわれています。また症状の程度は変わることがあり、症状が改善した後に再び見られるようになることもあります。

呼吸困難感が続く(治るまでの)期間

個人差がありますが、呼吸困難は持続期間が長い症状であり、3か月たっても約8割の方に改善がみられないといわれています。なお、後遺症全般でみると半数以上が5か月以内に症状の改善を自覚するとされています。ただし、1年以上続く場合もあります。

呼吸困難感の頻度

東京都の後遺症対策チームにおいて、「コロナ後遺症相談窓口」相談データをもとに、新型コロナウイルス感染者(オミクロン株と見込まれる)の後遺症について分析したデータによると、呼吸困難感の割合は11.3%です。また、後遺症の中でももっとも多いのは咳で38.6%、次が倦怠感で34.0%とされています。なお、症状の頻度は新型コロナウイルスの株によっても異なります。

*東京iCDC後遺症タスクフォース.“都立・公社病院「コロナ後遺症相談窓口」の相談データ分析” (閲覧日2022-08-15)

呼吸困難感が続くときの受診の目安

以下の場合は早めに医療機関を受診しましょう。そのほか、気になることがあれば医師や住まいの自治体の相談窓口に相談するとよいでしょう。

  • 静かにしているときにも息苦しさを感じる場合
  • 息苦しさが悪化傾向にある場合
  • 息苦しさが新たに出現した場合
  • 日常生活に支障が生じはじめる程度の症状があり、4週間以上続いている場合 など

呼吸困難感の治療法

現段階では呼吸困難感を含め後遺症に対する確立した治療法はありません。後遺症がどの程度の期間続くかは人によってさまざまですが、基本的には徐々に回復するといわれています。

原因が判明したものについては原因に合わせた治療を行い、後遺症と考えられるものについては症状に応じた対症療法を行います。併せてリハビリテーションや精神的ケアなども検討しつつ、治療していきます。

なお、海外の研究報告からは、新型コロナワクチンを2回接種した場合は、その後新型コロナウイルスに感染しても、28日以上続く症状の発現が約半数へ減少することが分かっています。そのため、積極的なワクチン接種がすすめられます。

気になる症状が続くときは医師に相談を

新型コロナウイルス感染症の後遺症の1つに長引く呼吸困難があります。基本的には徐々に治るので、休息を取ったり生活習慣を整えたりして過ごすことが大切です。ただし、症状が4週間以上続く場合は、かかりつけ医や近隣の医療機関への相談を検討することがすすめられます。

イーヘルスクリニック新宿院では新型コロナ後遺症外来を設置し、24時間365日後遺症に悩む患者さんの診療を行っています。予約はもちろん診療から薬の処方まで全てオンライン上で完結できるため、忙しくてクリニックに足を運ぶ時間がない方でも時間や場所に関係なく利用いただくことが可能です。気になることがある場合はお気軽にご相談ください。

参考文献

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