高尿酸血症の食事で気を付けるポイントとは?具体的な食事の注意点を解説
肥満治療を専門に行う外来のことを肥満外来といい、医学の力を借りて減量を目指します。肥満の治療の基本は食事療法と運動療法を行うことで、必要に応じて薬物療法が検討されます。中でも肥満外来で行われる食事療法では、管理栄養士から栄養指導を受けることが一般的です。では、どのような栄養指導を受けるのでしょうか。
肥満外来で行われる食事療法では、減量のための食事内容や栄養の知識などについて指導されます。これは基本的に食や栄養に関する専門的な知識をもつ管理栄養士(国家資格)が行います。
eHealth clinicには管理栄養士が在籍し、肥満外来の栄養指導においては管理栄養士が中心となり、本人の性格や生活スタイル、体格など全体を把握したうえで、一人ひとりに合った食事を提案いたします。
たとえば、1日に必要な栄養素や食材を手のひら換算などで分かりやすく指導してくれたり、自己記録した食事内容の問題点を抽出して自己管理のアドバイスをくれたりします。このような管理栄養士や医師の管理によって、肥満につながるライフスタイルや食習慣を修正していきます。
減量の食事療法といえば糖質制限や脂質制限があります。それぞれ一長一短あり、どちらか一方が優れているというわけではありません。糖質制限ではダイエット効果をあまり感じなくても、脂質制限では効果があった方もいます。その逆もしかりです。
低炭水化物食を食べた過体重および肥満者(BMI≧25)に関する複数の研究をまとめ、再度解析した研究を紹介します(このような研究は現時点ではもっともエビデンスレベルが高く、信頼できるといわれています)。参加者の年齢の中央値は45.7歳、BMIの中央値は33.7程度です。結果は低炭水化物食摂取(平均摂取期間は約24週間)を行った方はそうでない方と比較し、6か月時に中央値で8.73kg、12か月時には7.25kgの減量が達成されました。
ただし、長期的な視点でみると、糖質を制限しすぎてしまうと死亡リスクや寿命に対してマイナスな影響が出る可能性があることも分かっています。観察期間の中央値が25年間の研究を紹介します。米国の成人15,428人(45~65歳)の、炭水化物の摂取状況と死亡率との関連を調べたところ、もっとも死亡リスクが低く、もっとも寿命が長かったのは、摂取エネルギーに占める炭水化物の割合が50~55%の人でした。彼らの寿命は、炭水化物の割合が30%未満だった人よりも4年長く、65%以上の人よりも1年長いといった結果でした。極端な糖質・炭水化物制限は、寿命を短くするかもしれません。
また、低脂肪食でも低炭水化物食でも減量効果は変わらないとの報告もあります。つまり、その人の生活スタイル、体質、食事の好みに合った方法を選ぶのがよいでしょう。
最初に医師や管理栄養士が本人の持っている生活習慣病や普段の食事内容、運動習慣などを確認します。加えて、体重測定など各種検査も行います。これは本人に合わせた無理のない栄養指導を行うために必要な情報になります。そのため、普段の生活をありのままに伝えるようにするとよいでしょう。
肥満の食事療法の基本は摂取するエネルギー量を調整することです。本人の体格や活動量に合わせて1日の摂取エネルギー量を計算します。
具体的には“25kcal×標準体重 (kg) /日以下”を目安とし、大体3〜6か月の期間で現在の体重から3%以上の減量を目標にすることが一般的です。
たとえば、体重が75kg、身長が165cmの患者さんの場合は、1日の摂取エネルギー量は1,625 kcalで、減量目標は約2kgとなります。1日の摂取エネルギー量の計算は以下のとおりです。
75kg÷(1.65m×1.65m)=27.5..
1.65m×1.65m×24=約65kg
※標準体重を計算するときは医師などと話し合って決めるため人によって異なります。ここではBMIを24で計算しています。
25 kcal×65kg=1,625 kcal
本人の生活習慣や1日の適切なエネルギー量などから、管理栄養士による栄養指導がスタートします。そのため、全員が同じ内容とは限らず、具体的な内容は患者さんによって異なります。
基本は栄養バランスが整った食事を3食規則正しく食べることです。食事回数が少なくなると、次の食事のときに食べ過ぎてしまう可能性があるほか、飢餓状態(栄養不足の状態が続いた状態)だと、通常の食事を取ったときでも太りやすくなってしまいます。減量するために食事を抜く方もいますが、逆効果となることがあるため注意が必要です。
たとえば、菓子パンやラーメンなどを食べることが多い方では、これらのエネルギー量や脂質量を伝え、エネルギーや脂質を取り過ぎていることを認識してもらい、肥満の原因となる食品を控えるように促します。
また、肥満の方では早食いをしてしまうケースが多く見受けられます。満腹感を得られるのは食べ始めてから15〜20分ほどといわれていますが、早食いだと満腹を感じる前に食べ過ぎてしまうのです。
このとき、よく噛んでゆっくり食べるように促すのはもちろんですが、患者さんによっては難しいこともあるため、調理の工夫によって早食いを防ぐことを提案することもあります。たとえば、食材を大きめのサイズに切ることで自然と噛む回数が増え、食べるのに時間がかかり食べ過ぎの予防につながります。
また、残業が多い会社員の場合は、夕食が遅くなると空腹から食べ過ぎてしまうことがあります。こういったときは、お腹が空き始めた時間帯、たとえば18時頃に軽食としておにぎりなどを食べておくといった提案をします。これだけでも夕食での食べ過ぎを抑えられます。
このように、患者さんの生活スタイルや習慣などを踏まえて、本人にあった栄養指導がされます。
肥満外来での治療の基本は食事療法と運動療法です。
栄養指導では、管理栄養士が中心となり、個人の食習慣や体の状態などをトータルに考えてバランスの整った食事提案をしてくれます。「自力で食事制限をしてみても続かなかった」「栄養が偏って体調を崩してしまった」という方は肥満外来の栄養指導を検討してみてはいかがでしょうか。
肥満外来における栄養指導について分からないことがある場合は、医師や管理栄養士に相談しましょう。
eHealth clinicの肥満外来は自由診療となり、主に栄養カウンセリングや薬の処方を行っています。一口に肥満を治療するといっても適切な治療は患者さんによって異なり、全て同じとはいえません。当クリニックでは丁寧な問診から、一人ひとりに合った治療を提案します。
なお、それぞれの治療は副作用などのリスクもあります。副作用などの注意点は診察時に説明をいたします。不安や疑問があればお気軽にご相談ください。
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JAMA. 2014 Sep 3;312(9);923-33
Public health. 2018 Sep;3(9);e419-e428.
JAMA. 2018 Feb 20;319(7):667-679.