リベルサス
脂肪肝とはどのような病気でしょう? また、どのような症状があるのでしょうか。
あまり聞き慣れないと感じる人もいるでしょうが、脂肪肝は進行すると肝臓に別の病気をもたらす危険があります。まずは症状や病気自体をよく理解しましょう。
脂肪肝の症状は、初期でははっきり自覚できるものはありません。むしろ、それが特徴ともいえるかもしれません。しかし、進行するにつれて、だるさや疲れやすさ、頭がボーっとするといった症状が現れます。さらにお腹の辺りのつるような痛みや、食欲不振などがみられることもあります。
このような脂肪肝の症状を知るためには、肝臓という臓器の特徴と、それが時間の経過の中でどうなるかを、重ねて理解することがポイントです。
そもそも脂肪肝は余分な糖や脂質が中性脂肪として肝臓に蓄積され、肝臓の細胞全体の30%以上を占めるようになったものをいいます。中性脂肪は人間にとって必要なエネルギー源ですが、多すぎると脂肪肝をはじめ生活習慣病などの発症につながります。これは暴飲暴食やアルコールの多飲、運動不足などによって蓄積量が増加するといいます。
前述の“脂肪肝の初期には症状らしいものはない”というのは、肝臓という臓器の特徴からきています。肝臓は体内に取り込まれた物質の分解や、有毒な物質の無毒化などを行う臓器で、2,500億個もの細胞でできています。この細胞は再生能力に優れており、また肝臓には痛みを感じる神経が通っていないため、すぐに危険信号を発しない“沈黙の臓器”と呼ばれます。このため、ある程度進行しないと目立った症状がみられないのです。
脂肪肝が進行してしまうと、徐々に肝臓の機能低下が起こります。
脂肪がたまることで血液の流れが悪くなり、酸素や栄養素を体の隅々に運びにくくなります。これに伴い、だるさや疲れやすさが現れることがあります。なかなか弱音を吐かない臓器であることを考えれば、これらの出現は状態の進行を表しているともいえます。
種類によって脂肪肝は、進行すると肝細胞に炎症が生じる肝炎になる可能性があります。肝炎が長く続くと、慢性肝炎と呼ばれる状態になって肝細胞が硬くなり、再生能力が損なわれていきます。これを“線維化”と呼びます。
さらに悪化すると、肝硬変という状態になり、線維化した細胞が結節という塊をつくり、表面がでこぼこしてきます。この段階で、細胞の再生能力はかなり失われてしまいます。
そして肝硬変は、肝臓がんを発症させるリスクになると考えられています。さらに、脂質異常症から動脈硬化を引き起こしたり、インスリンの感受性が低下する2型糖尿病を招いたりすることもあります。このように放置することで別の病気になる可能性がある、それが脂肪肝の危険性です。
健康診断や人間ドックでは、肝機能の検査が含まれることが一般的です。検査項目としてはAST、ALT、γ-GTPなどが該当します。「異常値が出ている」、「脂肪肝の疑いがある」といわれても、自覚症状がなければピンとこないかもしれません。しかしそれは、肝臓が出しているサインと捉えることができます。
慢性肝炎の状態であっても、食生活の改善や飲酒習慣の見直し、定期的な運動などの生活習慣を見直すことが重要です。検査項目に関して分からないことがあれば、医師や看護師に質問し、自身の状態をしっかり把握することで健康寿命の維持に向き合うようにしましょう。
脂肪肝は肝臓に中性脂肪が30%を以上占めるようになった状態です。初期にはほとんど自覚できる症状はありませんが、進行するとだるさや疲れやすさが現れてきます。過食やアルコールの多飲、運動不足などが背景にあります。脂肪肝はやがて肝炎や肝硬変に、さらには肝臓がんにも進行していく危険性をはらんでいます。肝臓の状態を示す検査で異常が示されたら、受診も含めた対策に取り組みましょう。
eHealth clinicの内科では脂肪肝の診療を行なっています。eHealth clinicでは医師をはじめ看護師や管理栄養士、検査技師などが多方面からサポートいたします。ご不安なことがありましたらお気軽にお問い合わせください。