高尿酸血症の食事で気を付けるポイントとは?具体的な食事の注意点を解説
血液中の脂質(LDLコレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール)の値が基準値から外れた状態を脂質異常症といいます。基本的に初期症状はありませんが、進行することで合併症に伴った症状が現れ、時には命に関わる場合もあります。
本記事では、脂質異常症のリスクである合併症について解説します。
脂質異常症では、その状態が続くことで血管が傷付けられ、動脈硬化が起こりやすくなります。動脈硬化とは、字のとおり血管が硬くなった状態のことです。動脈硬化が進行すると、血管が狭くなったり詰まったりすることで、虚血性心疾患や脳梗塞などの合併症が起こることがあります。具体的には、脂質異常症の人はそうでない人に比べて、虚血性心疾患を発症する確率が約4倍も高くなると考えられています。
虚血性心疾患とは、心臓に血液を送る動脈が狭くなったり塞がったりして、心筋への血流が悪くなり、心筋が酸素不足に陥る病気のことです。激しい運動や強いストレスなどによって引き起こされ、胸の痛みや圧迫感を生じます。
脳梗塞とは脳の血管が突然詰まることで脳に十分な血液が行き渡らず、脳の細胞が死んでしまう病気です。脳梗塞になると、ろれつが回らなくなったり、言葉が出てこなくなったり、めまいや意識障害などがみられることがあります。また、後遺症として、運動麻痺や言語障害などが起こる場合があります。
高血圧症とは、血圧が正常より高い状態が持続的に続くことをいいます。診察室で測定した血圧で最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と判断されることが一般的です。高血圧状態が持続すると、動脈硬化の促進につながり、脳梗塞や心筋梗塞などをより引き起こしやすくなることがあります。
糖尿病とは、インスリンと呼ばれるホルモンが不足したり、作用が低下したりすることによって血糖値の上昇を抑えるはたらきが下がり、高血糖状態が持続してしまう病気です。無症状のうちに進行し、網膜症や腎症、神経障害などの合併症を引き起こすことがあるほか、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることもあります。
脂質異常症と関連の深い腎臓病として慢性腎不全(CKD)が挙げられます。慢性腎臓病とは腎臓の機能が低下し、腎臓がうまくはたらかなくなる病気のことで、最終的には透析や腎不全を検討する必要も生じます。一度悪くなった腎臓の機能はもとに戻ることはほとんどないため、早期発見することが大切です。脂質異常症はCKDの発症リスク、進行リスクを高めるといわれています。
その他、考えられる合併症として胆石症や脂肪肝、膵炎などが挙げられます。
胆石症とは、胆汁の通り道である“胆道”に結石が生じる病気です。結石は構成成分によって“コレステロール石”“色素石”などがあり、日本ではおよそ80%の方がコレステロール石による胆石症を引き起こします。胆石症は自覚症状がない場合もありますが、右の肋骨の下やみぞおちなどに痛みが生じる方もいます。そのほか皮膚や白目が黄色くなる“黄疸”がみられる方もいます。
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪がたまった状態を指します。初期には自覚症状がないことが一般的ですが、進行すると肝炎や肝硬変へ進行することもあります。脂質異常症のほか、メタボリックシンドロームや糖尿病と合併している方も多くみられます。
膵炎とは、膵臓に炎症が起こることにより腹部の痛みや発熱、嘔吐などさまざまな症状がみられることをいいます。慢性化すると膵臓の機能が低下し、食べ物の消化がうまくできなくなることによって体重の減少や糖尿病の発症・悪化などがみられます。
脂質異常症の合併症は時に命に関わることもあるため、合併症を防ぐことが大切です。このためには、食事や運動といった生活習慣の改善を心がけましょう。
以下では、日常生活に取り入れやすい生活習慣の工夫をご紹介します。
日々の食事では、食べ過ぎや飲み過ぎに注意して適正なエネルギー量を取ることを意識するほか、食べるものを意識しながら取り入れることなども大切です。以下では、控えた方がよいものや積極的に摂取した方がよいものについてご紹介します。
脂質の中でもLDLコレステロールや中性脂肪が増えると動脈硬化のリスクを高めるといわれています。特に肉の脂身や鶏肉の皮、チーズ、バター、生クリームなどには、LDLコレステロールを増やしやすくする飽和脂肪酸が多く含まれているため、控えるようにしましょう。また、ケーキやドーナツなどの油もの、砂糖の入ったソフトドリンクといった糖質が多いものは中性脂肪の高値の原因となるので注意しましょう。
青魚に多く含まれるn-3系(ω-3系)多価不飽和脂肪酸には中性脂肪を下げるはたらきがあります。また、大豆や食物繊維を多く含む食品にはLDL-コレステロールを減らす効果があるので積極的に摂取することがすすめられています。
体を動かすことは体重管理の点でも重要ですが、動脈硬化を防止するHDL-コレステロールを増やす効果もあります。
ウォーキングといった軽く息がはずむ程度の有酸素運動を習慣化することがおすすめです。体力があまりない方は、掃除や洗車、徒歩や自転車で買い物に行くなどの生活活動の中での運動量を増やすこともおすすめです。
1日合計30分以上の運動を週3日以上実施するとよいとされています。
喫煙はLDL-コレステロールを増加させ、HDL-コレステロールを低下させるといわれています。合併症を予防するためには、食生活の改善や運動習慣を身につけることに加えて、禁煙もおすすめです。
脂質異常症を放置すると、命に関わる合併症のリスクを高めます。合併症の予防のためにも、脂質異常症の対策を行うことが大切です。食事や運動の工夫のほかにも、たばこを控えたりすることで合併症を予防できる可能性は高まります。気になる症状があるなど、合併症が疑われる場合は医師に相談しましょう。
eHealth clinicの内科では脂質異常症の診療を行なっています。eHealth clinicでは医師をはじめ看護師や管理栄養士、検査技師などが多方面からサポートいたします。ご不安なことがありましたらお気軽にお問い合わせください。
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