高尿酸血症の治療薬ユリス(ドチヌラド)とは?処方される病気や使用時の注意点を解説
高血圧は腎機能に影響を与え、高血圧性腎障害などの合併症が生じたり、逆に腎機能の低下が高血圧につながったりすることもあります。この記事では、高血圧と腎機能の関係や、高血圧の原因と予防法について詳しく解説します。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
腎臓と血圧は大きく関係するとされています。高血圧の状態が長く続くと、腎臓の血管に動脈硬化(硬くなり、弾力性が失われた状態)が生じ、腎臓のはたらきが低下することがあります。
そのため、高血圧の合併症として、高血圧性腎障害や高血圧性腎硬化症が知られています。高血圧性腎障害は、高血圧によって腎臓にある糸球体(細い血管が集まった部分)などが障害され、老廃物のろ過などができない状態になることです。また、高血圧性腎硬化症は、高血圧の状態が続くことで腎臓の血管が硬くなり(動脈硬化)、腎不全(腎機能が通常の30%以下に下がった状態)が進行する状態のことです。
腎臓の主な機能としては、血圧・体液量の調整や老廃物の排出、血液をつくるはたらきなどが挙げられます。腎機能が低下するとこのようなはたらきができなくなるために、むくみや貧血などの症状が現れることがあります。
ただ、高血圧などによって腎機能が低下しても自覚症状が現れないことも多いため、気付いたときには透析療法や腎臓移植が必要となるくらい進行している場合もあります。そのため、腎機能の低下を早期発見するために、定期的に健康診断で血圧や尿の検査を受けるとよいでしょう。尿タンパクが陽性の場合は注意が必要です。該当する場合には医師の指示にしたがい、詳しい検査を受けるなどの対応を取るようにしましょう。
腎臓のはたらきが悪化すると、余分な水分と塩分の排泄を十分に行うことができなくなるため、血液量が増えて血圧が上昇することがあります。すると、腎臓への負担が増加し、さらに腎臓の機能が低下するというような悪循環に陥ることもあります。
高血圧には、原因がはっきりしない本態性高血圧と、病気が原因となる二次性高血圧があり、約9割は本態性高血圧だといわれています。
本態性高血圧は遺伝や生活習慣が関係しているとされ、主な原因として過剰な塩分摂取や過剰な飲酒、肥満、運動不足、喫煙などが挙げられます。
二次性高血圧の原因としては、腎臓に関わる病気や甲状腺機能低下症というような内分泌に関わる病気が挙げられます。また、抗がん剤や非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイドなども原因になるとされています。
血圧をコントロールすることで腎機能を守ることにもつながるため、高血圧の予防に努めるとよいでしょう。高血圧の予防のためには、正しい食事や運動が必要です。また、減塩や減量、運動、節酒は、予防だけでなく、高血圧の改善にもつながるとされています。
1日の食塩摂取量は6g未満に抑えるとよいでしょう。また、ミネラル類(カリウムやマグネシウム、カルシウムなど)は体内の塩分の排泄をサポートするといわれています。そのため、カリウムやマグネシウムが含まれている食材を摂取することが重要です。カリウムは野菜や海藻類、果物、豆類など、マグネシウムは海藻やナッツ類、豆類など、カルシウムは牛乳や小魚類に多く含まれています。
アルコールの取りすぎにも注意が必要です。アルコールは一時的に血圧を下げる効果がありますが、取りすぎると血圧を上げてしまうことがあります。アルコールの摂取目安量は、男性の場合は日本酒で1合、焼酎で半合弱、ビールで中ビン1本とされています。女性の場合は男性の半分から3分の2程度が目安となっています。
適度な運動も大切です。運動すると血管が拡張して血圧が下がったり、インスリンというホルモンのはたらきが促進されたりして相対的に分泌量が減ることで血圧上昇機能が弱まる効果が期待できます。また、利尿作用が活発になるので体液量が減り、血圧が下がるとされています。
運動はウォーキングやサイクリング、水中運動などの有酸素運動を、1日あたり30分程度(あるいは10分間を数回)行うとよいとされています。理想は毎日行うことですが、やりすぎには注意が必要なので、医師に相談しながら適切な方法で行うとよいでしょう。
腎機能の低下が原因で高血圧になることがありますが、逆に高血圧が原因で腎機能が低下するなど、腎機能の低下と高血圧の関係は悪循環に陥ってしまう恐れがあります。
血圧をコントロールすることは腎機能を守ることにもつながるため、高血圧の予防や改善のために、生活習慣に注意するとよいでしょう。
イーヘルスクリニック新宿院の高血圧外来では、本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法を提案します。
イーヘルスクリニック新宿院では、個々の患者様に最適な治療プランを検討し、理解しやすい形で治療オプションを説明し、患者様の了承を得た上で、治療方針を共に決定してまいります。当クリニックには、管理栄養士も常駐しており、食事に関する専門的なアドバイスもご利用いただけます。健康な未来への一歩を踏み出すお手伝いを心よりさせていただきます。
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