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HPV検査は、子宮頸がんを引き起こすHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を調べる検査です。HPVの型は100種類以上ありますが、HPV検査で調べるのは子宮頸がんとの関係が深い“高リスク型HPV”です。子宮頸がんの99%は高リスク型HPVが原因なので、HPV検査が陽性だった場合は将来、子宮頸がんを発症するリスクが高くなります。女性なら知っておきたいHPV検査の結果の見方について解説します。
HPV検査が陽性だった場合、HPVの“型”が子宮頸がんのリスクを見極めるポイントの1つになります。
子宮頸がんを引き起こす可能性が高い高リスク型HPVは、16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型の13種類です。その中でも、特にリスクが高いのは16型と18型です。
HPV検査は、どの高リスク型HPVに感染しているのかを調べる検査ですが、検査法には“グループ検査”と“型判定検査”の2種類があり、それぞれ結果の見方が異なります。
グループ検査の結果は、“16型”“18型”“その他12種の高リスク型”という3項目についてそれぞれ、陰性(-)か陽性(+)かが記されます。陰性(-)は感染していない、陽性(+)は感染しているという意味です。
その他12種の高リスク型に含まれるのは、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型と、“66型”です。66型も子宮頸がんの発症に関わるとされています。その他12種の高リスク型が陽性(+)の場合の意味は、“12種類のどれかに感染しているが、どれかは分からない”ということです。
項目 | 検査結果 | 判定 |
HPV16型 | 陰性(-) | 異常なし |
陽性(+) | 要医療 | |
HPV18型 | 陰性(-) | 異常なし |
陽性(+) | 要医療 | |
その他12種の高リスク型 | 陰性(-) | 異常なし |
陽性(+) | 要医療 |
型判定検査の結果は、16型、18型、31型、33型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、68型という13項目について、陰性(-)か陽性(+)かが記されます。陰性(-)は感染していないという意味、陽性(+)は感染しているという意味です。
型判定検査は、子宮頸がん精密検査であるコルポスコープ診・組織診(生検)の結果を受けて行われます。コルポスコープ診・組織診(生検)は、子宮頸部を拡大鏡で観察して疑わしい組織を採取し、子宮頸がんができていないかを調べる検査です。その結果が、軽度異形成(CIN1)または中等度異形成(CIN2)という“がんになる前の状態”だった場合、より詳しくリスクを知るために型判定検査を行うのです。
軽度異形成(CIN1)または中等度異形成(CIN2)の場合、16型や18型だけではなく、31型、33型、35型、45型、52型、58型も子宮頸がんを引き起こす可能性が高いため注意が必要です。これらの型が陽性(+)の場合は、定期検査が特に重要です。
グループ検査の結果が陽性(+)であった場合は、放置せずに婦人科などの医療機関を必ず受診しましょう。
子宮頸がんの検査では一般的に、まず子宮頸がん細胞診を行い、“ASC-US”と判定されたときにHPVグループ検査を行います。ASC-USとは、子宮頸部の細胞に変化がみられるものの、良性か悪性か区別がつかないことです。これだけでははっきりしませんが、グループ検査が陽性(+)なら、将来子宮頸がんが発症するリスクが高いと判断できます。詳しく調べるためには、コルポスコープ診・組織診(生検)が必要です。医師からすすめられた場合は受けるようにしましょう。
グループ検査の結果が陰性(-)の場合は、高リスク型HPVに感染していないので、子宮頸がん細胞診の結果がASC-USでもがんになることはないと判断されます。それでも通常の子宮頸がん検診は定期的に受けましょう。
型判定検査の結果が陽性(+)だった場合は、決して放置しないようにしましょう。医師の判断により定期検査の間隔は異なりますが、半年から1年のことが多いようです。
特に、16型、18型、31型、33型、35型、45型、52型、58型のどれかが陽性(+)で、中等度異形成(CIN2)の状態が長く続くと、子宮頸がんのリスクが高まるため治療を提案されることもあります。
HPVは多くの女性が生涯のうちに感染するといわれています。感染しても、ほとんどの場合は免疫の力によってHPVは排除されますが、長く感染が続くこともあり、それが高リスク型HPVだった場合は子宮頸がんを発症するリスクが高くなります。HPV検査で陽性になったときは、その型についての説明や、ほかの検査結果も含めた総合的な判断の説明をしっかり聞き、指示どおり定期検査を受けましょう。また、検査や結果に対する疑問や不安は、遠慮なく医師に相談しましょう。