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2022.08.24
#内科 #自費診療 #対象疾患

NT-proBNP

NT-proBNP検査とは

NT-proBNP検査(慢性心不全リスク検査)とは、心臓から分泌されるホルモンの一種である“NT-proBNP”の値を採血によって調べる検査です。

NT-proBNPは、心臓機能が低下して心臓の負担が大きくなるほど血液中に多く分泌され、数値が高くなります。そのため、NT-proBNP検査は心不全(後述)の早期発見に役立つと考えられています。NT-proBNPはほとんどが腎臓からのろ過によって排泄されるため、腎機能が低下するとろ過がうまくできず、血中NT-proBNPの値が高くなります。また、NT-proBNP検査と心電図検査の両方を行うことにより、より心不全の発見率が上がることが報告されています。

なお、検査項目の1つに“BNP”という似たような項目がありますが、NT-proBNPのほうが採取した血液中での安定性が高いという特徴があります。そのため、NT-proBNP検査のほうがより検査結果の信頼性が高いといわれています。

心不全ってどんな病気?

心不全とは、心臓のはたらきが低下して、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態のことをいいます。主に息切れや動悸、むくみ、咳、痰などの症状がみられることがあります。

原因はさまざまあり、たとえば心臓や心臓を動かす筋肉に血液などが十分に行かなくなる心筋梗塞(しんきんこうそく)狭心症(きょうしんしょう)、血管が弾力性を失った動脈硬化、高血圧などが挙げられます。進行すると命に関わるため、いかに早期発見できるかが重要です。

検査がすすめられる人の特徴

NT-proBNP検査がすすめられる人の特徴は以下のとおりです。

  • 高血圧、糖尿病の人
  • 胸痛、動機、息切れがある人
  • たばこを吸う人
  • ストレスが多いと感じている人 など

高血圧や糖尿病などの生活習慣病により、心臓に負担がかかる恐れがあります。また、心不全になると体に十分な血液を送れず、全身に酸素が行き渡りません。そのため、息切れしたり疲れやすくなったりします。上記に該当する人は、医療機関を受診して検査の要否について医師に相談してみるとよいでしょう。

検査で分かる病気

NT-proBNP検査を受けることで分かる病気や原因には、以下があります。

  • うっ血性心不全
  • 慢性腎不全
  • 本態性高血圧
  • ネフローゼ症候群
  • クッシング症候群
  • 甲状腺機能亢進症
  • 脱水症
  • 利尿薬の影響 など

検査結果の見方

甲状腺ホルモンの検査項目と基準値は以下のとおりです。

基準値

  • 125pg/mL未満

検査数値が基準値内にない場合は、心臓のはたらきに異常がある可能性が考えられます。

異常値

  • 基準値以上

検査数値に異常があった場合は心不全などの疑いがあるため、早めにかかりつけ医などの受診を検討しましょう。

治療が必要となる検査数値の目安は約400pg/mL以上ですが、特に息切れや疲れやすさ、足のむくみなどの症状がある場合は、早めに医師に相談することがすすめられます。病院では診断のために、さらに別の血液検査や画像検査などが行われることもあります。不安や疑問がある場合は、医師や看護師に確認しましょう。

検査を受けるときに気を付けたいポイント

検査前の準備

NT-proBNP検査では、食事制限といった事前準備は特に必要ありません。

痛み

NT-proBNP検査では血液検査をするため採血に伴う痛みを生じることがありますが、チクッとする程度です。

 

イーヘルスクリニック新宿院では、個々の患者様に最適な治療プランを検討し、理解しやすい形で治療オプションを説明し、患者様の了承を得た上で、治療方針を共に決定してまいります。当クリニックには、管理栄養士も常駐しており、食事に関する専門的なアドバイスもご利用いただけます。健康な未来への一歩を踏み出すお手伝いを心よりさせていただきます。

 

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参考記事
高血圧になる原因とは? 〜種類別の原因と自分でできる予防策をご紹介〜
高血圧で病院へ行く目安とは? 〜健康診断で指摘された場合や自宅の測定値が135/85mmHg以上の場合は受診を検討〜

 

記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。