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2022.10.17

発熱があるときの治療法とは? ~セルフケア・受診の目安についても解説~

発熱とは一般的に、37.5℃以上のことを指します。風邪など感染症にかかったときに発熱することがありますが、この場合は正常な免疫反応によるものと考えられ、問題はないことが一般的です。しかし、場合によっては適切な治療が必要だったり、何らかの病気が隠れていたりする可能性もあります。

この記事では、発熱時の治療法やセルフケア、注意点などについて詳しく解説します。

発熱があるときの治療法

対症療法

発熱したからといってすぐに病院を受診しても、原因は分からないことが多いです。そのため、原因が分からない段階では解熱鎮痛薬による対症療法を行うことが一般的です。また、熱自体による害はないといわれる41℃未満の発熱であり、特に異常な症状がなければ、必要に応じて市販の解熱薬や風邪薬を上手に使って様子をみてもよいでしょう。

現在一般的に使用されている解熱鎮痛薬として、アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs:NSAIDs)が挙げられます。

  • アセトアミノフェン:脳の体温調節中枢に作用し、血管や汗腺を広げて体外へ熱を逃し、熱を下げる薬です。子どもや高齢者、また妊娠中、授乳中などでも使える点が特徴です。
  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬:発熱時に分泌されるプロスタグランジンといった物質を抑制することで、解熱につなげる薬です。アセトアミノフェンにはほとんどない、炎症を抑える抗炎症作用があることが特徴です。

原因となる病気の治療

発熱が長く続いたり、一度熱が下がってもまた上がったりすることが繰り返される場合は、関節リウマチなどの炎症性の病気や、がんなどの可能性も考えられます。そのため、発熱の原因を突き止めたうえで、その原因に合った適切な治療を行うことが大事です。たとえば、細菌感染症の場合は抗生剤、がんならがんの治療が必要となります。

発熱時のセルフケア・注意点

安静にする

発熱時は、安静にすることが第一です。風邪の場合は、体を休ませることで回復につながるとされており、安静と水分や栄養補給のみで自然に治ることが一般的です。

水分補給

発熱時は脱水に注意し、水分を十分に取るようにしましょう。水分が不足すると汗をかいたり熱を尿に出したりできなくなり、熱がこもりやすくなります。さらに、高齢者の場合は発熱、嘔吐、下痢があると1~2日程度で脱水症に陥ることがあるため、注意が必要です。

飲み物は水やお茶でもよいですが、汗をかいている場合は塩分が含まれる経口補水液などを選ぶとよいでしょう。ただし、病気などで塩分制限をしている場合は飲みすぎに注意してください。

冷やす

頭を冷やすことで苦痛が緩和され、熱の上がり過ぎも防ぐことができる場合があります。ただし、冷やすことが解熱につながるわけではないので、必要以上に冷やすことはありません。

寒気があるときは温める

寒気があるときは、寒気がなくなるまで体や手足を温めましょう。

発熱時の寒気や震えの原因は、熱が上がるときに筋肉などを震わせて熱を作り出すためです。目標の体温に達すれば寒気はなくなるため、まず温めるとよいでしょう。一方、寒気がなくなったら、うつ熱(体温を調節する機能が下がることが原因となる体温上昇)を防ぎ、熱が放散されやすいように涼しくすることが大事です。布団を薄くするなどの工夫をしましょう。

受診したほうがよいケース

以下に当てはまるような場合は、受診したほうがよいとされています。

  • 発熱が3~4日以上続く
  • 体温が41℃を超える
  • 水分が取れない
  • 意識に異常がみられる
  • 嘔吐が多い
  • 血圧が明らかに下がっている
  • 呼吸がとても苦しい
  • 部位を問わず、激痛がある
  • 数時間で立ち上がれない状態になった
  • 寒気を伴う我慢できないほどの震え
  • 数時間水分が取れていない
  • 抗がん剤や免疫抑制剤などを使っている

発熱時は適切な治療・セルフケアを

発熱していてもほかに具合が悪いところがなければ、しばらく様子をみてもよいでしょう。その際は必要に応じて解熱剤を使い、安静、水分補給、栄養補給などのセルフケアを行います。風邪であればこれだけで自然に治ることも多いです。

このように、発熱時の治療法は基本的に解熱剤による対症療法となりますが、病気が背景にある場合はその治療を行う必要があります。“受診したほうがよいケース”の内容に当てはまる症状がある場合は、早めの受診を検討するとよいでしょう。

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