リベルサス
貧血とは、血液内にある赤血球の中の酸素を運ぶ“ヘモグロビン”という細胞の濃度が低い状態のことです。貧血にはさまざまな種類があり、中でも鉄分不足が原因で起こる貧血を“鉄欠乏性貧血”と呼びます。鉄欠乏性貧血は貧血の中でももっとも頻度が高く、特に女性に多いといわれています。
主な原因として、胃や腸の潰瘍(傷つきえぐられた状態)、炎症、がんなどによる消化管からの出血、月経や子宮筋腫といった婦人科疾患による出血、食事による鉄分不足などが挙げられます。貧血はよくあることですが、症状が強くなると日常生活に支障が出ることもあるため必要に応じて受診を検討することも大切です。
① 平日20時まで、土日祝も診療
② オンライン診療対応で、すぐに薬が受け取れる
③ 管理栄養士による食事指導も実施
貧血になると以下の症状が出ることがあります。
貧血が重度の場合は、一般的な貧血症状のほかに以下のような症状が現れることがあります。
貧血は放置すると集中力が低下するなど日常生活に支障をきたすことがあります。また、貧血の人が妊娠すると、胎児が低体重児になったり、死産したりといったリスクが増えるという報告もあるほか、時に胃がんや大腸がんなどの重大な病気が原因で貧血が起こることもあるため、注意が必要です。
受診の目安として、動悸、息切れ、疲労感などの貧血症状や血便がある場合は内科やかかりつけ医などの受診を検討するとよいでしょう。
また、上記のような症状がなくても、健康診断などで貧血を指摘された場合は放置せず受診を検討するようにしましょう。
鉄欠乏性貧血と診断された場合は、不足している鉄分を補う治療と、鉄分が不足する原因に対する治療を行うことが一般的です。
鉄分を補うには鉄剤を内服することが一般的です。通常1日に1~2回の内服を1~2週間程度続けると赤血球が増加し始め、おおよそ2~4か月でヘモグロビンは正常値になるといわれています。
ただし、正常値となってからもさらに数か月は鉄剤の内服を続けることが必要です。また、過多月経が原因で貧血になっている場合は、閉経まで鉄剤を飲み続けることもあります。副作用として、吐き気や腹痛、便秘、下痢などの症状が現れることがありますが、この場合は症状を軽くする薬が処方されます。もし副作用が強く鉄剤の内服が難しい場合は、注射による治療の選択肢もあります。(*当院では注射には対応していません。)
鉄分は毎日体から出て行ってしまい、さらに吸収率も悪いといわれています。そのため、鉄欠乏性貧血になったときは、食事内容や栄養素を工夫して取り入れることが大切です。また、思春期(成長期)や妊娠中、授乳中などは特に鉄分の必要量が増加しており欠乏もしやすいため、意識して食事をするとよいでしょう。
食品に含まれる鉄には、肉や魚などに含まれる“ヘム鉄”と、緑黄色野菜や穀類、海藻などに含まれる“非ヘム鉄”があり、中でも鉄の吸収率が高いのはヘム鉄です。しかし、だからといってヘム鉄が多い食品ばかりを取り入れると、栄養バランスが崩れて逆効果になることもあるため、それぞれをバランスよく取り入れた食事を意識しましょう。
また、非ヘム鉄は、たんぱく質やビタミンCなどの栄養素と一緒に取ることで吸収率が上がるため、正しい知識を身につけて工夫しながら取り入れることがポイントです。
たんぱく質は赤血球やヘモグロビンのもとになるため、積極的に取り入れるとよい栄養素です。魚介類や肉類、大豆製品、卵、乳製品などに良質なたんぱく質が含まれるとされています。
鉄の吸収率を助けるビタミンCも積極的に取り入れましょう。いちごやみかんなどの果物やほうれん草やキャベツなどの野菜、サツマイモなどのイモにも含まれます。
貧血対策には、血液細胞を作り出すといわれるビタミンB12(レバーやアサリなど)、葉酸(ほうれん草やブロッコリーなど)、ビタミンB6(赤身肉やマグロなど)、銅(レバーやイカなど)などを取り入れることも大切です。
貧血は、鉄が不足することによる鉄欠乏性貧血だけでなく、葉酸やビタミンB12が不足することで起こる巨赤芽球性貧血や悪性貧血、赤血球が破壊される(溶血)ことで発生する溶血性貧血、骨髄中の造血幹細胞が減少することで引き起こされる再生不良性貧血だけでなく、腎機能低下によっても引き起こされる腎性貧血や亜鉛不足によるものもあります。
イーヘルスクリニック新宿院の内科では、貧血の診療を行っています。丁寧な診察から、個々に必要な検査や治療をご提案いたします。医師はもちろん、看護師や管理栄養士、検査技師などもチームになって患者さんの健康を全力でサポートいたします。診療は土日祝日も対応しており、24時間365日診療予約がホームページから可能です。忙しい方でも受診しやすい体制を整えていますので、お困りごとがありましたらぜひお気軽にご相談ください。
記事監修:天野 方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。