リベルサス
心臓の正常な収縮が妨げられた状態、それが不整脈です。そのため心臓の病気と思われがちですが、実は心臓だけでなくさまざまな原因から起こってきます。
では不整脈の原因には、どのようなものがあるのでしょうか? ストレスや合併症など、原因と派生を関連づけて理解し、適切なケアにつなげていきましょう。
不整脈の原因は、体の中に原因があるもの、薬が原因のもの、原因が不明なものに大きく分けることができます。詳細は以下のとおりです。
もちろん心臓自体に問題があれば、不整脈が起こります。心臓のポンプ機能が侵される心不全や、心臓の筋肉に酸素が行き渡らなくなる心筋梗塞などでは高い割合で生じます。この場合は元の病気の治療が必要です。
一方、原因が心臓でない場合、たとえば血圧が高い状態が続く高血圧では、心臓の負担が増えることで不整脈が起こります。また、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のような呼吸器の病気や甲状腺ホルモンが異常に増える甲状腺機能亢進症でも、しばしば不整脈がみられます。
服用している薬の副作用として、不整脈が起こることがあります。具体的には、降圧薬や抗うつ薬などが知られています。
元々の病気や薬の副作用がなく、原因がはっきりしないものもあります。
この場合は、心臓を動かすための電気信号の通り道に生まれつき異常があることや、年をとって刺激を受ける機能が低下している可能性が考えられます。また高血圧や喫煙、精神的ストレスなど、心臓に負担をかける要素が絡み合って起こることもあります。
前述のとおり、原因不明の不整脈は、ストレスによって起こっていることもあります。
ストレスの感じ方は人によって異なりますが、たとえば、大勢の前で話をする状況ではストレスに感じることがあります。うまくできるか緊張して脈が速くなることは、誰でも経験することではないでしょうか。
以下では、不整脈にストレスがどう関係するのかを解説します。
心臓の正常な収縮をコントロールしているのは自律神経の1つである“交感神経”です。これは体を動かすためにはたらいており、たとえば、緊張や興奮をすると脈が速くなることがありますが、それは交感神経が心臓の収縮を速めて大量の血液を送り出しているからだといわれています。
この交感神経はストレスの影響を受けやすいと考えられており、ストレスによって交感神経が刺激されることではたらきが低下し、心臓の収縮に乱れが起こるといわれています。この場合は、病気とは関係ないので問題ないとされていますが、この状態が続くと免疫力が下がって、体調不良を起こしやすくなるため注意が必要です。
不整脈を誘発するストレスは精神的なものに限りません。疲労や睡眠不足、食生活の乱れ、運動不足なども、体には大きなストレスとなります。
不整脈を繰り返し自覚するような場合には体が注意信号を発している可能性があります。そのため、生活全般を見直すきっかけにしましょう。
原因が分からないものがあることに加えて、種類によっては、すぐに治療しなければならないものがあるという点も不整脈の特徴です。
もっとも危険性が高いのは、心室細動と呼ばれるものです。心室細動とは、心臓の下側の2つの部屋、右心室と左心室が無秩序な電気信号に覆われた状態です。両心室は細かく震え、心臓のポンプ機能は完全に失われ、脳への血流もなくなります。そのため意識を失い、数分間続けば死に至ることもあります。
心房細動は元々の病気から発生することが多いですが、原因不明の不整脈から生じる可能性もゼロではありません。元の病気がないからといって、油断するのは危険です。
これまで見てきたように、心臓の病気や高血圧、肺や甲状腺の病気などを持つ人は不整脈が起こりやすいといえます。一方、原因不明の不整脈にはストレスが関わっている例があります。
不整脈にはさまざまな原因があります。
ストレスが原因となっている場合は日常生活の見直しで改善する可能性もありますが、ある程度持続して起こっている場合などは、それ自体がストレスにもなります。専門の医療機関を受診し正しい診断を得ることは、病気と正しく向き合う方法の1つであるため、選択肢に入れてみましょう。
eHealth clinicの不整脈治療では、本人の生活スタイルなどに合わせたよりよい治療法を提案します。医師はもちろん、看護師や管理栄養士などがチームになって不整脈の改善をサポートします。ぜひご相談ください。