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2022.06.27
#内科 #対象疾患

不整脈

不整脈とは

不整脈とは、心拍のリズムが不規則、あるいは極端に多いまたは少ない状態のことです。脈拍が1分間に50以下の場合は徐脈、100以上の場合を頻脈といいます。不整脈の主な原因は心臓の病気(冠動脈の病気、心臓弁膜症、心不全など)といわれています。そのほか、電解質異常による、薬や加齢によるもの、先天性のもの、原因不明のものがあります。

また、不整脈には心房細動や心室頻拍・心室細動、期外収縮といった種類があり、突然死を引き起こすような危険なものから、治療がいらないものまでさまざまです。そのため、不整脈の種類や重症度に応じて治療を選択する必要があります。

「不整脈の原因」を詳しく見る

「不整脈と狭心症の関係」を詳しく見る

不整脈の症状

主な症状

不整脈では以下のような症状がみられることがあります。ただし、症状は不整脈の種類によって異なり、時に症状に気付かないケースもあります。

  • 動悸がする
  • 胸が苦しくなる
  • 目の前が暗くなる
  • めまいが起こる
  • 気を失う など

重大な症状

不整脈が長く続くことで心臓のはたらきが悪くなり、以下のような症状がみられることがあります。

  • 坂道や階段などで息切れがしたり、疲れやすくなったりする
  • 足がむくむ
  • 体重が1週間で2~3kgほど増加する
  • 意識がなくなる など

受診の目安

前述のとおり不整脈には心室頻拍・心室細動、期外収縮などさまざまな種類があり、中には治療の必要がないものもあります。たとえば、“期外収縮”は健康な方でも30歳を超えると多くの方にみられる不整脈といわれています。無症状のことも多いため、気付かない人もいますが、このケースのほとんどは治療の必要がなく、特に心配しないでも問題ないといわれています。

一方で“心室細動”は、心臓から全身に血液を送り出す部分(心室)が震えて(細動)、血液を送り出せなくなるため、時に命に関わることもあります。息切れやむくみなど、気になる症状があれば早めに内科やかかりつけ医などへ相談を検討するとよいでしょう。

また、不整脈は無症状で経過することもあるため、定期的に健診を受けるようにして早期発見に努めることも大切です。

不整脈の治療のポイント

ほとんどの不整脈は治療が不要です。しかし、症状が強い場合や、突然死につながる可能性がある場合、心不全や脳梗塞(のうこうそく)につながる可能性がある場合などは治療が必要となります。治療には主に薬物療法、カテーテル心筋焼灼術、ペースメーカー、植え込み型除細動器などの選択肢があります。

薬の処方

不整脈を止める、発生を予防する、頻度を減らす、症状を軽減するといった目的で薬が処方されます。薬にはさまざまな種類があり、たとえば心拍数を正常に調整するなどの効果が期待できる“抗不整脈薬”や心拍数を低下させる“β遮断薬”、血圧を低下させる“カルシウム拮抗薬”、血栓を予防する“抗凝固薬”などがあります。

カテーテル心筋焼灼術

不整脈を引き起こす原因となっている心臓内の異常な部分を焼いて、正常なリズムに戻す治療法です。具体的には、足の付け根または首の静脈から電極の付いた細長い管(カテーテル)を入れ、血管を通って心臓の中に進めます。電極で不整脈の原因と治療すべき場所を突き止め、別のカテーテルを入れて高周波電流を流し、細胞を壊死(えし)させると不整脈がなくなるという流れです。

ペースメーカー

徐脈(脈拍が遅くなるタイプ)に対して行う治療法です。ペースメーカーを埋め込むことで、電気刺激によって心臓がしっかり動くようになります。左胸の上、鎖骨の下の部分にペースメーカーを埋め込むことが一般的です。

植え込み型除細動器

突然死につながる不整脈のための治療法で、ペースメーカーと同様、体内に植え込み型除細動器を埋め込みます。植え込み型除細動器は、重篤な不整脈が起こると自動的に除細動(電気刺激を与え、不整脈を止める)する役割を果たします。

不整脈になったときに気を付けたいポイント

不整脈の原因となる心臓病がなく、症状も現れていない場合は、日常生活における特別な制限はないといわれています。しかし、何もしていないときに動悸が起こったり、意識が遠くなったりする場合は注意が必要です。この場合は、激しい運動を避けたほうがよいとされています。

また、疲れ、ストレス、睡眠不足などは期外収縮の悪化につながるとされているため、規則正しい生活を心がけるとよいでしょう。