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2023.02.16

喘息の薬の種類や注意点とは? ~発作をコントロールする薬と発作を抑える薬を使い分ける~

喘息(気管支喘息)は気管支に慢性の炎症が起こり、咳やゼーゼー・ヒューヒューと呼吸の音がする喘鳴(ぜんめい)、息苦しさなどの症状が現れる病気です。治療の目標は喘息発作を起こさず、健康な人と変わらない生活を送ることです。具体的な治療方針は、症状や治療状況などを総合して決められますが、基本は吸入ステロイド薬を使用します。

本記事では、喘息の薬をテーマに処方される薬の種類や注意点を詳しく解説します。

喘息の薬

喘息の治療薬は“長期管理薬”と“発作治療薬”に分けられます。喘息治療の基本は吸入ステロイド薬をはじめとした長期管理薬を使用します。

発作をコントロールする長期管理薬

長期管理薬(コントローラー)とは、発作を起こさないようにするため継続的に服用し発作をコントロールする薬のことです。“吸入ステロイド薬”を中心に、必要に応じて“気管支拡張薬”などの薬を組み合わせます。

これは長期間続けることで効果が現れるもので、大体3日~1週間ほどかかるといわれています。使用を中断すると効果がなくなってしまうため、長い間継続的に使用することとなります。

吸入ステロイド薬

気道の炎症を抑える効果が期待でき、継続して使用することで、発作や症状の悪化が起こりにくい状態を保つことができる薬です。飲み薬ではなく、霧状の薬を口から吸い込む吸入薬であるため、薬が直接気道にはたらきかけることが特徴です。

気管支拡張薬

吸入ステロイド薬では効果が不十分の場合など患者さんの状態に合わせて、気管支を広げる気管支拡張薬などが追加されることもあります。気管支拡張薬には、気道を広げる長時間作用性β2刺激薬と気道が縮むのを抑える長時間作用性抗コリン薬があります。

発作を抑える発作治療薬

喘息の発作が出たらすぐに効果が出る発作治療薬を使用することが優先されます。発作治療薬でよく用いられるのは“短時間作用性吸入β2刺激薬”です。短時間作用性吸入β2刺激薬は気道を速やかに広げて、呼吸を楽にしてくれます。吸入薬と飲み薬がありますが、基本的には吸入薬が使用されます。

発作治療薬は一過性に症状を軽減できますが、気管支の慢性炎症をよくする効果はありません。また、医師の指示どおりに薬を服用しても効果を実感できない場合などは速やかに医師に相談するようにしましょう。

喘息の薬物療法の注意点

喘息の薬物治療には、以下2つの注意点があります。

使用法

薬によって症状がコントロールされていても、気道の炎症は続いています。そのため、自己判断で服用を中断せず、医師の指示に従い継続することが大切です。

喘息では、喘息の発作が起こらない状態が3~6か月続けば、段階的な長期管理薬の減量や治療の継続の有無などを検討します。反対に、週1回以上喘息発作が起こり頻回に発作治療薬を使用しなければならない方は、喘息のコントロールが不十分なため長期管理薬の種類や頻度を見直す必要があります。このような判断は医師が患者さんの状態を総合的に見て決めるため、不安や疑問がある場合は医師に伝えるようにしましょう。

副作用

治療の中心となる吸入ステロイド薬の主な副作用には、嗄声(させい)(かすれた声)、口腔・咽頭カンジダ症などの局所症状があげられます。ステロイドと聞くと副作用を心配される方もいますが、吸入ステロイド薬は気道にダイレクトにはたらきかけるため、経口ステロイド薬で出る副作用はみられないことが特徴です。

また、吸入ステロイド薬である副作用を予防・軽減のために、吸入後はうがいで洗い流すことが大切です。

薬について気になることがあればお気軽にご相談ください

喘息の治療薬は年々進歩しています。複数の薬をうまく組み合わせて毎日治療を継続すれば発作を起こさず、健康な人と変わらない状態で過ごせるようになってきました。前述のとおり、症状がよくなっているからといって自己判断で治療をやめると、時に慢性化・重症化する可能性があるため必ず治療を継続しましょう。

eHealth clinicの呼吸器内科・アレルギー科では喘息の診療を行っています。喘息で出る症状は時に日常生活に支障をきたすこともあります。そのため、早めに治療を開始し、継続することが大切です。eHealth clinicでは医師や看護師が一丸となり患者さんをサポートします。気になることがあればいつでもご相談ください。

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