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診療科目
2022.05.11
#内科 #対象疾患

嘔気・嘔吐

受診の目安になる症状

  • 嘔吐が1~2日以上続く
  • ほとんど水分が取れない
  • 脱水の症状がある(喉・口の中が渇く、尿が少ない、筋力低下、疲労感など)
  • 頭痛がある
  • 下痢がある
  • 倦怠感がある
  • 尿や便が出ない
  • 腹痛が続いている
  • お腹が腫れたり、触ると痛みを感じたりする
  • 錯乱や意識障害がある
  • 血を吐いている
  • 最近頭をけがした

嘔吐とは、胃が強く収縮することで胃の中身が押し上げられて口から出ることを指し、嘔気(悪心)とは嘔吐しそうな不快感を指します。子どもから大人まで誰もが発症する可能性があり、日常生活においては食べ過ぎや飲み過ぎ、嫌なにおいを嗅ぐことなどが原因になることがあります。

一方で、緊急度の高い病気などが原因になっていることもあるため、嘔気や嘔吐に伴って上記のような症状など、気になることがある場合は受診を検討するとよいでしょう。症状によってさまざまな選択肢がありますが、まずは内科などのかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

嘔気・嘔吐の原因と対処法

食べ過ぎ、飲み過ぎ

日常生活においては、食べ過ぎや飲み過ぎによって胃のはたらきが低下するなどして嘔気・嘔吐が起こることがあります。この場合は、衣服を緩めて安静にするようにしましょう。通常は水分を適度に取り安静にしていれば、1〜2日程度で回復するとされています。

予防のためには暴飲暴食を避ける、刺激物や脂っこいものを食べ過ぎず消化のよいものを選ぶといったことを心がけることがポイントです。

また、お酒の飲み過ぎは胃腸へダメージを与えてしまうことがあるため、適量を守り、自分のペースでゆっくり飲むようにしましょう。空腹状態でお酒を飲むと直接胃に触れることになり大きな刺激を与えてしまうため、まずつまみ類から食べてその後に飲むとよいといわれています。

ストレス

ストレスで自律神経のバランスが乱れると、胃の粘膜が刺激されて嘔気や嘔吐の原因になることがあります。そのため、できるだけストレスをためないようにし、日ごろから意識してストレスを解消するようにしましょう。

お風呂、読書、音楽鑑賞など、自分なりのリラックスできる方法を試してみるのも1つの方法です。

胃腸炎

胃腸炎とは、ウイルスや細菌の感染、寄生虫などによって胃や腸に炎症が生じた状態のことです。身近に感染者がいたり、加熱不十分な食品を食べたりした後に嘔気・嘔吐がある場合は胃腸炎の可能性が考えられます。

ウイルス性の場合は治療薬がありません。ほとんどは自然に治るといわれています。そのため、感染拡大を防ぐためにも自宅で様子を見ることがすすめられる場合もあります。

ただし、重症化しやすい子どもや高齢者、水分が取れないなどの症状がある場合は受診を検討するようにしましょう。治療は症状に合わせた対症療法が中心となりますが、細菌性は種類によっては抗菌薬(細菌が増えたりするのを抑える薬)を使うこともあります。

また、食中毒予防のために食品は冷蔵庫で保存する、まな板や包丁などを清潔にして使うといった点を心がけましょう。気温や湿度が高い6~9月頃は食中毒が増える季節のため、特に気を付けることが大切です。

さらに、海外旅行に行く場合は生水や屋台などで売られる飲料、氷などにも注意が必要です。

ほかの病気の疑い

髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎などの感染症、片頭痛、脳腫瘍(のうしゅよう)、脳出血、頭のけがなどが原因で嘔気・嘔吐につながることがあります。原因によっては命に関わることもあるため、早めに適切な診断・治療を受ける必要があります。

原因の分からない急な嘔気・嘔吐や、別の気になる症状があるといった場合には、必要に応じて救急車の要請も頭に入れておくとよいでしょう。

嘔気・嘔吐があるときに気を付けたいポイント

うがいをする

嘔吐してしまった場合は、口の中のにおいで再び嘔気・嘔吐が引き起こされることがあるため、すぐにうがいをすることがすすめられます。このとき、冷たい水やレモン水、塩水などを使うと口の中がすっきりするといわれています。

水分を取る

嘔吐が続くと脱水症状が引き起こされることがあります。そのため、水分をしっかり取るようにしましょう。

ただし、嘔吐してすぐに水分を取ってしまうと、さらに嘔吐につながることがあるため、落ち着くまで少し様子を見るようにしましょう。

症状によっては早めの受診を

嘔気・嘔吐があっても、必ずしもすぐに受診が必要なわけではありません。しかし、“受診の目安になる症状”の項目で紹介したような症状がある場合は重大な病気が原因となっていたり、命に関わったりすることもあるため、早めの受診が必要です。

また、嘔吐が1~2日以上続く、ほとんど水分が取れないという場合も脱水症状につながることがあるため、なるべく早めの受診を検討するとよいでしょう。

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