希望するご予約を
お選びください

×閉じる
診療科目
2022.10.17

発熱と頭痛が現れる病気とは? ~疑われる5つの病気と対処法を解説~

風邪をひいたときのように、何らかの病原体に感染すると熱が出ることがあります。一般的には37.5℃以上を“発熱”と呼び、発熱すること自体は免疫を活性化するための正常な反応とされています。しかし、発熱とともに起こる頭痛の中には、命にかかわる病気の可能性も含まれており、この場合は早めの受診が必要となるため注意が必要です。

この記事では、発熱と頭痛がみられる場合に考えられる病気の詳細と治療法について詳しく解説します。

発熱と頭痛の原因となる病気と治療法

風邪

風邪の8~9割ほどはウイルスが原因とされていますが、細菌が原因となる場合もあります。これらの病原体が気道に入って増殖することがきっかけとなって発症します。

主な症状は発熱頭痛のほか、くしゃみ、鼻水、喉の痛み、倦怠感などです。安静にして水分と栄養を補給していれば自然に治ることが多いものの、場合によっては発熱や鼻の症状などを緩和するために薬を投与することがあります。

新型コロナウイルス感染症

原因は、“SARS-CoV-2”というウイルスへの感染です。感染すると発熱や頭痛のほかにも、悪寒や咳、痰、下痢、嘔吐などの症状が現れることがあります。症状が進むと肺炎が起きたり、人工呼吸器による管理が必要となったりすることもあります。

感染が疑われる場合は、かかりつけ医や“新型コロナ受診相談窓口”などに電話で相談することが推奨されています。

軽度であれば特別な治療をしなくても、ほとんどは自宅療養で回復するとされています。外出を控え、十分な水分と消化によい食事、睡眠を取って休養しましょう。また、飲み薬などによる治療が行われることもあります。

副鼻腔炎

副鼻腔(ふくびくう)とは、鼻の穴とその周囲にある空洞のことをいい、ここに炎症が起こったものを副鼻腔炎といいます。炎症が軽いうちはほとんど症状がありませんが、炎症がひどくなると、発熱や頭痛のほかに、鼻が詰まった感じがしたり鼻水が出たりすることがあり、特におでこの奥に副鼻腔炎が生じると前頭部に頭痛を起こすことがあります。

治療は、抗菌薬を投与する保存療法や、鼻腔内の洗浄、たまった膿などの吸引、ステロイドの吸入などが挙げられます。保存療法で効果が認められない場合や病状が進んだ場合は手術を行い、さらに保存療法と定期的な通院が必要となることもあります。

髄膜炎

ウイルスなどの感染によって脳の周りにある髄膜と髄液に炎症が起こる病気です。若い人に起こりやすく、発症すると39℃を超える高熱や強い頭痛が生じることがあります。また、嘔吐や意識障害、けいれんなどが生じることもあります。

放置すると死に至ることもあるため、早急な受診が必要です。抗菌薬や抗ウイルス剤、抗生剤による治療で多くが治癒するとされています。

脳腫瘍

脳にできた腫瘍(しゅよう)のことで、良性でも悪性でも重篤な症状を伴うことがあります。頭蓋内圧(ずがいないあつ)が高くなっていると、熱が高くなったり平熱に戻ったりする間欠的な発熱や、嗜眠(しみん)(意識障害の一種)、吐き気、嘔吐、強い眠気などの症状が現れることがあります。

初期症状としては頭痛が多く、横になると頭痛がひどくなるのが特徴の1つです。また、起床時に激しい頭痛が起こり、起床後は軽減するのも脳腫瘍が疑われる症状です。このほか、人格の変化、平衡感覚の消失、集中力の低下、けいれん、体の動きをコントロールしづらくなる協調運動障害などが起こることもあります。

治療方法には、頭蓋骨を開く手術や放射線による手術、がん細胞を破壊する薬剤や、放射線を放出する物質を挿入するインプラントなどがあります。

気になる症状があれば早めの受診を

感染症によって発熱しても、熱が出るのは正常な反応とされています。咳や鼻水などの症状もあり、風邪の可能性が高そうな場合は慌てずに少し様子をみてもよいでしょう。ただし、熱が出ると脱水に陥りやすいため、水分をしっかり取ることが大切です。また、新型コロナウイルス感染症である可能性も踏まえて外出を控え、医療機関に相談して指示を仰ぐことも重要です。

ただし、頭痛の原因となる病気の中には命にかかわるものもあります。嘔吐やけいれん、意識障害などがある場合は急ぎの受診が必要なケースもあるため、心配な場合は早めの受診を検討するとよいでしょう。