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診療科目
2022.07.14
#対象疾患

アシテア

アシテアとは

アシテア(ヤケヒョウヒダニエキス原末/コナヒョウヒダニエキス原末)とは、ダニが原因となるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法のための薬です。薬にはアシテアダニ舌下錠(ぜっかじょう)100単位(IR)、300単位(IR)があります。

減感作療法(アレルゲン免疫療法)とは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を低い濃度から体内に取り込み、段階を経て濃度を上げることでアレルゲンへの過敏性を少なくしていく治療法です。アシテアの主成分はダニのエキスであり、少しずつ服用量を増やすことで免疫システムが変化し、ダニによるアレルギー性鼻炎の症状が改善されるとされています。

アシテアが処方される病気とは?

アシテアが処方されるのは、主に以下のような病気や状況のときです。

  • ダニが原因のアレルギー性鼻炎*

*アレルギー性鼻炎とは、ダニやホコリ、花粉などが原因で鼻炎症状がみられる病気のことです。中でもダニが原因のアレルギー性鼻炎は1年を通して、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状がみられることが特徴です。治療では薬物療法や減感作療法、手術の3つがあり、重症度など患者さんの状態によって決められます。また、症状の原因となるダニを回避するなど、環境を整えることも必要です。

アシテアの使用方法とは?

1日1回1錠(100単位(IR))服用から始め、1錠(100単位(IR))増やして最終的に1日3錠(300単位(IR))服用します。舌下錠は、舌の下に入れて溶かして使う薬なので、舌の下に置いて、完全に溶けるまで待ってから飲み込みましょう。服用後5分間はうがいや飲食を控える必要があります。

アシテアの使用に注意が必要な人とは?

アシテアでは、以下のような方で使用に注意が必要、または使用できないことがあります。気になることがある場合は、事前に医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。

アシテアの使用に注意が必要な人

  • アシテアの使用やアレルゲンエキスによる診断・治療などの際にアレルギー症状が起こったことがある人
  • 気管支喘息(きかんしぜんそく)の人
  • 悪性腫瘍(あくせいしゅよう)(がん)がある人
  • 免疫系に影響を及ぼす全身性疾患がある人
  • 高齢者
  • 妊婦、妊娠している可能性がある人
  • 授乳中の人
  • 小児 など

アシテアの使用ができない人

  • アシテアによるショック(命に関わる状態)を引き起こしたことがある人
  • 重症の気管支喘息の人 など

アシテアと飲み合わせの悪い薬や食品はある?

アシテアは、以下の薬との組み合わせが悪いとされています。

以下の薬との併用には注意が必要とされています。

  • 減感作療法薬

ほかの減感作療法薬と併用すると、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)などのアレルギー反応を含む副作用の発生リスクが高まる場合があります。

  • 非選択的β遮断薬

アシテアによるアレルギー反応が強く現れたりすることがあります。

  • 全身性副腎皮質ホルモン剤

アシテアの効果が得られない可能性があります。

アシテアの使用中に注意したい症状

服用初日に、ダニによるアレルギー関連反応と考えられる症状(主にのどの刺激感や口の中のかゆみ)が現れることが多いため、注意が必要とされています。時に服用をやめたり、適切な処置が必要となったりする場合もあるため、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

重大な症状

アナフィラキシー (重いアレルギー反応)

頻度は不明ですが、ショックやアナフィラキシー、1~5%未満の頻度でのどの腫れが生じるおそれがあります。主に血圧低下や呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(けっかんふしゅ)(皮膚や粘膜が腫れる)、蕁麻疹(じんましん)喘息(ぜんそく)などの症状がみられることがあります。

比較的よく起こる症状

5%以上の頻度で口の中の腫れやかゆみ、口内炎、耳のかゆみ、のどの刺激感、腹痛が現れることがあります。

さらに、1〜5%未満の頻度で皮膚のかゆみ、口の中の不快感や痛み、舌の腫れ、口の錯感覚(実際とは違う感覚が感じられることで、触角を痛みとして感じるなどする)、口の感覚低下、舌炎、口内の粘膜の水ぶくれ、舌のかゆみ、のどの不快感や痛み、咳、呼吸困難、悪心、消化不良、下痢、腹部不快感、口唇(こうしん)の腫れなどが現れることもあります。長く続く場合などは受診を検討するとよいでしょう。

長く続くなど気になる症状がある場合は受診を検討するとよいでしょう。また、ここにある症状は全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するとよいでしょう。