希望するご予約を
お選びください

×閉じる
診療科目
2022.08.31
#対象疾患

アムロジピン

アムロジピンとは

アムロジピン(一般名:アムロジピンベシル酸塩)とは“持続性カルシウム拮抗剤”の1つで、末梢(まっしょう)の血管を広げることにより血圧を下げたり、狭心症の発作を起こりにくくしたりする効果の期待できる治療薬です。

錠剤のほか、口の中で溶かしてから飲み込むOD錠があり、ノルバスク錠、アムロジン錠などの先発品のほか、アムロジピン錠などのジェネリック薬品を含めて、さまざまな製品が販売されています。

アムロジピンが処方される病気

アムロジピンは、以下のような病気の方に処方されることがあります。

  • 高血圧症
  • 狭心症

アムロジピンの使用方法

アムロジピンの用量は病気や症状に応じて、医師が決定します。いずれの場合も飲む回数は1日1回です。高血圧症の場合、成人の1日の用量は2.5mg~5mgが一般的ですが、効果が不十分な場合には、1日10mgまで増量されることがあります。一方、狭心症では1日の用量は5mgが一般的で、症状に応じて用量の増減も検討されます。

錠剤の場合

アムロジピンの錠剤はコップ一杯程度の水やぬるま湯で飲みましょう。用量の関係などで錠剤を割って飲む場合には、割った錠剤は光を避けて保存し、30日以内に飲み切るようにします。

OD錠の場合

アムロジピンのOD錠は口の中で湿らせると、舌で簡単に潰せます。軽く潰して、唾液のみで飲み込むことも可能です。またコップ一杯程度の水やぬるま湯で飲むこともできます。

OD錠も錠剤同様、薬を割った場合には湿気や光を避けて保存し、早めに飲み切るようにしましょう。

アムロジピンの使用に注意が必要な人

アムロジピンは以下のような方に対しては、処方の際により慎重に検討することが必要であると考えられています。

  • 血圧が過度に低い方
  • 肝機能障害のある方
  • 高齢者
  • 重篤な腎機能障害のある方

アムロジピンが使用できない人

またアムロジピンは、以下のような方には使用ができません。当てはまる方は、必ず事前に医師・薬剤師に伝えましょう。

  • 妊娠中、あるいは妊娠している可能性のある方
  • ジヒドロピリジン系化合物に対して過敏症を持っている方

アムロジピンと飲み合わせの悪い薬や食品

アムロジピンとの飲み合わせが悪い薬

アムロジピンとの飲み合わせに注意が必要な治療薬には、以下のようなものが挙げられます。現在何らかの治療薬を飲んでいる方は、必ず医師や薬剤師にその旨を伝えるようにしましょう。

  • 血圧を下げる効果のある治療薬
  • CYP3A4阻害薬(抗生物質製剤の1つ“エリスロマイシン”や狭心症や本態性高血圧症の治療に用いられる持続性カルシウム拮抗薬“ジルチアゼム塩酸塩”など)
  • CYP3A4誘導剤(“リファンピシン”など結核などに用いられる抗生物質製剤の1つ)
  • シンバスタチン(高脂血症の治療薬であるHMG-CoA還元酵素阻害薬の仲間)
  •  タクロリムス(免疫抑制剤の1つ)

アムロジピンの使用中に注意したい食品

アムロジピンの使用中に注意したい食品としては、グレープフルーツジュースが挙げられます。

グレープフルーツジュースなどに含まれる“フラノクマリン誘導体”はアムロジピンの効果を強めてしまう可能性があります。そのため、アムロジピンを飲むときは、同時にグレープフルーツジュースを飲むことを控えましょう。

なお、フラノクマリン誘導体はグレープフルーツ以外の柑橘類にも含まれている場合があります。アムロジピン使用中に食べてよい果物を医師に確認しておくとよいでしょう。

アムロジピンの使用中に注意したい症状

アムロジピンを飲んでいる間は、以下のような重篤な症状が現れる場合もあります。このような症状が現れた場合には、速やかに医療機関の受診を検討しましょう。

また使用中は血液検査の数値などに変化が生じることもあるため、定期的な診察・検査などが必要になることが一般的です。

アムロジピン使用中に起こり得る重大な症状

劇症肝炎

発熱や意識がなくなる、吐き気、白目や皮膚が黄色くなることなどがあります。

肝機能障害

体のだるさ、白目や皮膚が黄色くなる、吐き気、かゆみなどが生じることがあります。

黄疸(おうだん)

白目や皮膚が黄色くなる、尿が褐色になることなどがあります。

無顆粒球症

発熱、喉の痛みなどが生じる場合があります。

白血球減少

発熱、喉の痛みなどが現れることがあります。

血小板減少

鼻血や青あざが生じやすくなる、皮下出血が生じることなどがあります。

房室ブロック

めまい、胸の痛みや不快感、動悸、気を失う場合があります。

横紋筋融解症

体の脱力感、手足のしびれ・こわばり、筋肉の痛みなどがみられる場合があります。