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診療科目
2022.09.08
#対象疾患

オーグメンチン

オーグメンチンとは

オーグメンチンとは、ブドウ球菌属、大腸菌、淋菌(りんきん)、プロテウス属、クレブシエラ属、インフルエンザ菌、バクテロイデス属、プレボテラ属などの細菌の殺菌、抗菌に効果が期待できる抗生物質です。細菌を破壊したり、増殖を押さえたりするなどのはたらきがある薬を抗菌薬といい、中でも抗生物質は微生物がつくった化学物質のことを指します。

オーグメンチン配合錠125SS、250RSがあり、それぞれ成分の含有量が異なります。

オーグメンチンが処方される病気とは?

オーグメンチンが処方されるのは、主に以下のような病気のときです。

  • 皮膚感染症
  • リンパ管・リンパ節炎
  • 慢性膿皮症(汗腺や毛根を包む毛包の機能障害による毛包の炎症)
  • 咽頭(いんとう)喉頭炎(こうとうえん)
  • 扁桃炎
  • 急性気管支炎
  • 慢性呼吸器病変の二次感染
  • 膀胱炎
  • 腎盂腎炎(じんうじんえん)(腎臓内の尿がたまる部分である腎盂に細菌が繁殖し、炎症が腎臓に及んだもの)
  • 淋菌感染症
  • 子宮内感染
  • 子宮付属器炎
  • 中耳炎 など

オーグメンチンの使用方法とは?

成人の場合、1日3~4回、6~8時間毎に服用します。オーグメンチン配合錠125SSは1回2錠、オーグメンチン配合錠250RSは1回1錠服用することが一般的ですが、年齢、症状により適宜増減することもあります。

オーグメンチンの使用に注意が必要な人とは?

オーグメンチンでは、以下のような方の使用に注意が必要、または使用できないことがあります。気になることがある場合は、事前に医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。

オーグメンチンの使用に注意が必要な人

  • ペニシリン系またはセフェム系抗生物質に対して過敏症の既往歴がある人
  • 本人または両親、兄弟が気管支喘息、発疹(ほっしん)蕁麻疹(じんましん)などのアレルギー反応を起こしやすい体質を持っている人
  • 経口摂取が不良な人または非経口栄養の人、全身状態が悪い人
  • 高度の腎障害がある人
  • 肝機能障害がある人
  • 妊婦または妊娠している可能性のある女性
  • 授乳中の女性
  • 小児等
  • 高齢者 など

オーグメンチンの使用ができない人

  • オーグメンチンの成分に対して過敏症の既往歴がある人
  • オーグメンチンの成分による黄疸(おうだん)または肝機能障害の既往歴がある人
  • 伝染性単核症のある人 など

オーグメンチンと飲み合わせの悪い薬や食品はある?

オーグメンチンでは、以下の薬との組み合わせが悪いとされています。

以下の薬は併用注意となっています。

  • プロベネシド

オーグメンチンの成分であるクラブラン酸の血中濃度が維持できなくなる場合があります。

  • ワルファリンカリウム

ワルファリンの作用が強くなりすぎる可能性があると考えられています。

  • 経口避妊薬、ミコフェノール酸モフェチル

これらの薬の効果が減弱する恐れがあります。

オーグメンチンの使用中に注意したい症状

オーグメンチンの服用中に、以下のような症状が現れることがあります。服用を止めたり、適切な処置が必要となったりする場合もあるため、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

重大な症状

重大な症状として以下のような症状が現れることがあります。その場合、適切な処置が必要となるため急ぎの受診が必要です。

ショック、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)

不快感、口内異常感、喘鳴(ぜんめい)、めまい、便意、耳鳴り、発汗、顔面浮腫、眼瞼浮腫などの症状が現れることがあります。

中毒性表皮壊死融解症(ちゅうどくせいひょうひえしゆうかいしょう)、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、多形紅斑、紅皮症(皮膚の異常)

発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の赤い斑点・水ぶくれ、膿疱(のうほう)、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛(とうつう)などの症状が現れることがあります。

無顆粒球症、顆粒球減少、血小板減少(血液の異常)

白血球が少なくなると、肺炎といった細菌感染症が起こりやすくなり、血小板が少なくなると、出血しやすくなることがあります。

急性腎障害

尿量低下、むくみ、嘔吐、食欲低下、全身の倦怠感などの症状が現れることがあります。

偽膜性大腸炎、出血性大腸炎(血便を伴う重篤な大腸炎)

腹痛、頻回な下痢などの症状が現れることがあります。

肝障害

肝炎、黄疸(皮膚や白目が黄色くなること)などの肝障害が現れることがあります。また、主に男性や高齢の患者さんが服用した際に起こることが報告されており、長期間の服用と関連する可能性もあると考えられています。

肝障害自体は初期症状がほとんどありませんが、進行すると倦怠感などの症状が現れることがあります。

比較的よく起こる症状

0.1〜5%未満の頻度で発疹、悪心、嘔吐、下痢、食欲不振などの症状が現れることがあります。長く続く場合などは受診を検討するとよいでしょう。

以上の症状は全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するようにしましょう。