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診療科目
2022.08.10
#対象疾患

セフトリアキソン

セフトリアキソンとは

セフトリアキソン(一般名:セフトリアキソンナトリウム水和物)とは、咽頭・喉頭炎、扁桃炎や急性気管支炎、肺炎などのほか、淋菌感染症などの治療にも使われる抗菌薬です。感染した細菌が細胞壁をつくるのを邪魔することにより、その力を弱めて抗菌(殺菌)作用を狙います。

淋菌やブドウ球菌属などをはじめとした、さまざまな細菌への効果が期待できます。また、淋菌感染症治療における第一選択薬として、特に淋病患者に対して広く使用されています。

ロセフィンのジェネリック医薬品であり、さまざまなメーカーが製造販売しています。注射用のセフトリアキソンナトリウム静注用0.5g、1gと点滴用1gバッグがあります。

セフトリアキソンが処方される病気とは?

  • 咽頭・喉頭炎、扁桃炎
  • 急性気管支炎
  • 肺炎
  • 肺膿瘍(はいのうよう)、膿胸
  • 尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)
  • 子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)
  • 骨盤内炎症性疾患
  • 直腸炎
  • 腹膜炎
  • 腹腔内膿瘍
  • 胆嚢炎(たんのうえん)、胆管炎
  • 淋菌感染症

など

セフトリアキソンの使用方法とは?

成人の場合は、1日に1~2gを1~2回に分けて点滴、あるいは注射します。ただし、難治性や重症感染症の場合は、症状によって1日の量を4gまで増やし、2回に分けて投与する必要があります。

また、成人の淋菌感染症(子宮頸管炎、尿道炎、咽頭炎・喉頭炎、直腸炎)の場合は1gを1回だけ投与するのが一般的です。精巣上体炎 (副睾丸炎)や骨盤内炎症性疾患の場合は1日に1gを1回投与します。

セフトリアキソンの使用に注意が必要な人とは?

セフトリアキソンの使用に注意が必要な人

  • ペニシリン系抗生物質に対して過敏症を起こしたことがある人
  • 本人、両親、きょうだいのいずれかに気管支喘息(きかんしぜんそく)発疹(ほっしん)蕁麻疹(じんましん)といったアレルギー症状を生じやすい体質の人がいる人
  • 腎障害がある人
  • 経口摂取ができない人または非経口栄養の人や高齢者、全身状態が悪い人
  • 心臓、循環器系機能に障害がある人

セフトリアキソンの使用ができない人

  • セフトリアキソンの成分に対して過敏症を起こしたことがある人
  • 高ビリルビン血症の未熟児、新生児
  • セフェム系抗生物質に対して過敏症を起こしたことがある人

セフトリアキソンと飲み合わせの悪い薬はある?

利尿薬(フロセミドなど)

セフトリアキソンと似た性質の薬を併用することによって、腎障害を促進させることが報告されています。そのため、フロセミドのような利尿薬を使っている場合は、事前に医師に申告しましょう。

セフトリアキソンの使用後に注意したい症状

セフトリアキソンの使用後は以下のような重大な症状が現れることがあります。当てはまる症状が現れたら、すぐに医師に相談しましょう。

ショック、アナフィラキシー

ショックやアナフィラキシー(重いアレルギー反応)が起こることがあるため、不快感や口の中の異常、喘鳴(ぜんめい)(呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューといった音がする)、めまい、便意、耳鳴り、発汗、呼吸困難、顔のむくみなどの症状が現れた場合は医師に伝えましょう。

以上の症状以外にも、血液や肝臓・腎臓、皮膚、肺の異常のほか、大腸炎や胆嚢、腎結石・尿路結石、精神神経症状などがみられる場合があります。また、このような状態に陥っていないか確認するため、定期的に検査が行われることもあります。