希望するご予約を
お選びください

×閉じる
診療科目
2022.09.30

ピロリ菌検査は何歳からできるの? 〜保険適用の条件や費用についてもご紹介〜

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃炎や()十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)の原因となり、胃がんにつながることもある細菌です。ピロリ菌は不衛生な水や、感染者の唾液から感染すると考えられています。

ピロリ菌の感染を予防することは難しいですが、胃炎などを発症していて感染が疑われる場合は、早期の検査と除菌治療によって胃がんなどの予防につながるといわれています。また、家族にピロリ菌の感染者がいて、子どもに対して検査を受けさせたいと考える人もいます。

この記事では、ピロリ菌検査は何歳からできるのか、検査の費用、保険適用の有無などについて詳しく解説します。

ピロリ菌検査は何歳からできるの?

症状があれば年齢制限はない

ピロリ菌の検査は、消化器症状があったり、ピロリ菌が原因となる病気が生じていたりする場合などに行うことが一般的であり、特に年齢制限はありません。

また、胃・十二指腸潰瘍の既往がある、再発を繰り返している、胃炎や胃MALTリンパ腫、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病を発症している、早期胃がんの内視鏡的治療を受けた後といった場合に検査を行うことがあり、この場合は保険適用となります。

スクリーニング検査は中学生以上がよい

スクリーニング検査とは、無症状者に対して行う検査のことです。

日本ヘリコバクター学会のガイドラインによると、スクリーニング検査が可能となるのは、検査の精度が成人と同等となる中学生以上とされています。この時期にスクリーニング検査を行うことで、生涯の胃がんリスクの低下や、次世代への感染予防にもつながる可能性があります。

また、ピロリ菌検査の方法にはさまざまなものがありますが、中学生などの青少年期は、尿中抗体測定法(ピロリ菌の感染時に作られる抗体が尿中に存在するか調べる方法)または便中抗原測定方法(便にピロリ菌が存在するか調べる方法)がよいとされています。

ただし、偽陽性(陰性なのに陽性の判定が出ること)になることもあるため、正確な診断のために必要に応じて尿素呼気試験*を行うこともあります。

*尿素呼気試験:ピロリ菌が胃の中の尿素を分解し、アンモニアと二酸化炭素が生成され、呼気に炭酸ガスが排泄される。この原理を利用し、検査薬を飲んだ後の呼気に含まれる成分を調べることでピロリ菌感染を判定する方法。

小児に対するスクリーニング検査は推奨されない

ピロリ菌に感染する時期は、4~5歳くらいまでだといわれています。

幼少期に衛生環境がよくなかった年代で感染者が多く、現代では感染者が減っていますが、家族に感染者がいる場合、感染者の唾液を介して子どもなどに感染することがあります。そのため、家族に感染者がいる場合、子どもに対してピロリ菌検査を受けさせたいと考える人もいます。

しかし、小児科医の見解では、小児に対するピロリ菌検査は不要とされています。抗体測定の診断の精度が低く、5歳未満では除菌治療しても再感染しやすいことが理由の1つです。そのため、小児では消化器症状やピロリ菌が原因となる病気があるなどの場合に初めて検査を検討することが一般的です。

ピロリ菌検査の費用

保険適用の条件と費用

すでに説明したとおり、ピロリ菌の検査が保険適用となるのは、胃・十二指腸潰瘍の経験があったり、再発を繰り返したりしている場合、胃炎や胃MALTリンパ腫、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病を発症している場合、早期胃がんの内視鏡的治療を受けた後などの場合です。

費用は検査の方法によって異なりますが、3割負担で5,000~7,500円程度となることが一般的です。

保険適用外となる場合の対応と費用

保険適用の条件に当てはまらない場合(スクリーニング検査など)は、保険適用外となりますが、希望すれば人間ドックや検診などで自費で検査を受けることができます。この場合の費用は検査方法によって異なりますが、1,000〜10,000円程度が目安となります。

eHealth clinicでは、健診オプションとして採血によるピロリ菌検査を2,750円(税込)で受け付けています。費用について詳しくはこちらをご確認ください。

自治体の補助で検査を受けられる場合もある

自治体によっては、条件に該当する対象者に対してピロリ菌の検査の費用を補助していることもあります。この場合の費用は自己負担なし、または1,000円程度となることが一般的です。

また、無症状の中高生を対象に、自己負担なしでピロリ菌検査を実施している自治体も増えています。苦痛の少ない尿検査を行うことが多いですが、地域によっては便検査や血液検査を採用しているところもあります。陽性の場合は除菌治療が必要となり、その際の費用も自治体の負担となる場合があります。

対象者はピロリ菌の検査を

ピロリ菌の検査は、消化器症状があったり、ピロリ菌が原因となる病気が生じていたりする場合などに行うことが一般的です。

保険適用となるのは、胃炎などの病気がある場合といった条件がありますが、当てはまらない場合でも人間ドックや検診などを利用し、自費で検査を受けることができます。また、中高生や成人に対して、自治体がピロリ菌の検査を実施していることもあります。

早期検査と治療によって胃がん予防につながるため、保険適用の条件に当てはまる場合や、自治体の検査の対象となった場合は検査を受けるとよいでしょう。

ピロリ菌検査について詳しくはこちらをご確認ください。