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2022.07.27
#対象疾患

モンテルカスト

モンテルカストとは

モンテルカスト(モンテルカストナトリウム)とは、気管支の収縮を抑え、気管支喘息(きかんしぜんそく)で起こる喘鳴(ぜんめい)、息苦しさなどの症状を改善したり、アレルギー性鼻炎で起こる鼻づまりや鼻水、くしゃみなどの症状を和らげたりする薬です。医療用医薬品としてはキプレスとシングレアがあり、それぞれ錠5mg、10mg、OD錠10mgなどがあります。また、ジェネリック医薬品にはモンテルカスト錠などがあり、さまざまなメーカーから製造販売されています。

気管支喘息やアレルギー性鼻炎で起こる症状は、ロイコトリエンという物質が関係しており、モンテルカストはこの物質のはたらきを抑える効果が期待できると考えられています。なお、気管支喘息では発作を予防する目的で使われる薬で、発作を止める効果は期待できないとされています。

モンテルカストが処方される病気とは?

モンテルカストが処方されるのは、主に以下のような病気があるときです。

  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎

モンテルカストの使用方法とは?

成人の場合、錠剤、OD錠*ともに1日1回就寝前に服用します。気管支喘息に対しては1回10mg、アレルギー性鼻炎に対しては1回5~10mgの服用が必要とされています。なお、アレルギー性鼻炎のガイドラインではモンテルカストをはじめとした第2世代抗ヒスタミン薬の使用は症状が出てからはもちろん、症状が出る前から使用する(初期療法)ことを推奨しています。初期療法では症状を軽くするなどの効果が期待できるといわれています。

*OD錠:口の中で溶け、水なしでも飲むことができる薬のこと

モンテルカストの使用に注意が必要な人とは?

モンテルカストでは、以下のような方で使用に注意が必要、または使用できないことがあります。気になることがある場合は、事前に医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。

モンテルカストの使用に注意が必要な人

  • 妊婦、妊娠している可能性がある人
  • 授乳中の人
  • 小児 など

モンテルカストが使用できない人

  • モンテルカスト(キプレス、シングレア)の成分に過敏症の既往歴(かかったことがある病気のこと)がある人 など

モンテルカストと飲み合わせが悪い薬や食品はある?

モンテルカストは、以下の薬との組み合わせが悪いとされています。

  • フェノバルビタール

フェノバルビタール(催眠・鎮静・抗てんかん薬)と併用すると、モンテルカスト(キプレス、シングレア)の作用が弱くなる恐れがあります。そのため、併用する必要性が出た場合は医師に相談しましょう。

モンテルカストの使用中に注意したい症状

モンテルカストの服用中に、以下のような症状が現れることがあります。服用をやめたり、適切な処置が必要となったりする場合もあるため、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

重大な症状

いずれも頻度は不明ですが、重大な症状として以下のようなものが挙げられます。適切な処置を受けるため、すぐに受診することが必要とされています。

アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)

かゆみや全身の発疹(ほっしん)、唇や舌の腫れ、呼吸困難、腹痛、吐き気や嘔吐、脈が速くなる、血圧低下、意識障害などのさまざまな症状がみられることがあります。

血管浮腫

血管の外に水分がしみ出し、皮膚や粘膜の腫れといった症状がみられることがあります。

肝臓の異常

劇症肝炎(急激な肝機能低下が起こり、意識障害などの症状が現れるもの)、肝炎、黄疸(おうだん)(皮膚や白目が黄色くなること)が現れることがあります。また、0.01%の頻度で肝機能障害が現れることがあります。

肝臓に異常があっても自覚症状が現れないこともありますが、倦怠感がある場合は病状が進行している可能性があります。

皮膚の異常

中毒性表皮壊死融解症や皮膚粘膜眼症候群といった重症の薬疹(薬によって生じる発疹)が現れることがあります。また、0.01%の頻度で多形紅斑が現れることがあります。症状としては、全身が広範囲にわたって赤くなったり、水ぶくれやただれが現れたりといった皮膚症状と、発熱や倦怠感などが挙げられます。

まれな症状

0.1~1%未満の頻度で皮疹、かゆみ、頭痛、傾眠(意識レベルが低下し、放置すると眠ってしまうような状態)、下痢、腹痛、胃の不快感、吐き気、肝機能異常、口の渇きなどが、0.1%未満の頻度で蕁麻疹(じんましん)、情緒不安、不眠、幻覚、めまい、しびれなどの感覚異常、胸やけ、嘔吐、便秘、口内炎、筋痛、関節痛、血尿、むくみ、倦怠感、出血傾向(鼻血など)、動悸、頻尿、発熱、脱毛などが現れることがあります。

ここにある症状が全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するとよいでしょう。