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2022.07.22
#対象疾患

ロキソプロフェンナトリウム

ロキソプロフェンナトリウムとは

ロキソプロフェンナトリウムは、炎症の原因となるプロスタグランジンという物質の生成を抑え、消炎(炎症を抑える)や鎮痛(痛みを和らげる)、解熱(熱を下げる)の効果が期待できる薬です。

ロキソニンのジェネリック医薬品であり、ロキソプロフェンNa錠60mg、ロキソプロフェンNa細粒10%、ロキソプロフェンナトリウム内服液60mgなどがさまざまなメーカーから製造販売されています。

ロキソプロフェンナトリウムが処方される病気とは?

ロキソプロフェンナトリウムが処方されるのは、主に以下のような病気のときです。

  • 関節リウマチ
  • 変形性関節症
  • 腰痛症
  • 肩関節周囲炎
  • 頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)(首、肩関節、腕などのこり、痛み、しびれ)
  • かぜ

など

ロキソプロフェンナトリウムの使用方法とは?

錠剤・細粒・内服液の場合

成人の場合は、空腹時を避け、1回60mgを1日3回服用します。また、年齢や症状によって服用量は適宜増減することがあり、症状が出たときだけ使う場合は、1回60~120mg、かぜの場合は1回60mg、1日2回までとされています。

ロキソプロフェンナトリウムの使用に注意が必要な人とは?

ロキソプロフェンナトリウムでは、以下のような方の使用に注意が必要、または使用できないことがあります。気になることがある場合は、事前に医師や薬剤師などに相談するようにしましょう。

ロキソプロフェンナトリウムの使用に注意が必要な人

  • 消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)の既往歴がある人
  • 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍があり、かつミソプロストールによる治療が行われていて、ロキソプロフェンナトリウムの長期投与が必要な人
  • 血液の異常や既往歴がある人
  • 肝障害や既往歴がある人
  • 腎障害や既往歴がある人
  • 心機能異常がある人
  • 過敏症の既往歴がある人
  • 気管支喘息の人
  • 潰瘍性大腸炎の人
  • クローン病の人
  • 高齢者
  • 妊婦(妊娠末期以外)、妊娠している可能性の人
  • 授乳中の人
  • 小児

など

ロキソプロフェンナトリウムの使用ができない人

  • 消化性潰瘍がある人
  • 重篤な血液の異常がある人
  • 重篤な肝障害がある人
  • 重篤な腎障害がある人
  • 重篤な心機能不全がある人
  • ロキソプロフェンナトリウムの成分に過敏症の既往歴がある人
  • アスピリン喘息または既往歴がある人
  • 妊娠末期の人

など

ロキソプロフェンナトリウムと飲み合わせが悪い薬や食品はある?

ロキソプロフェンナトリウムは、以下の薬や食品との組み合わせが悪いとされています。

以下の薬との併用には注意が必要となっています。

  • クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)

血を固める作用が強くなりすぎることがあります。

  • 第Xa因子阻害剤

出血のリスクが高まる恐れがあります。

  • スルホニル尿素系血糖降下剤(トルブタミドなど)

血糖降下作用が強くなりすぎることがあります。

  • ニューキノロン系抗菌剤(レボフロキサシン水和物など)

けいれん誘発作用を増強することがあるとされています。

  • メトトレキサート

メトトレキサートの作用が強くなりすぎることがあります。

  • チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジドなど)

利尿・降圧作用が低くなることがあります。

  • リチウム製剤(炭酸リチウム)

リチウム中毒を起こすことがあります。

  • 降圧剤(ACE阻害剤、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤など)

降圧作用が弱まったり、腎機能が悪化したりする恐れがあるとされています。

ロキソプロフェンナトリウムの使用中に注意したい症状

ロキソプロフェンナトリウムの使用中に、以下のような症状が現れることがあります。服用をやめたり、適切な処置が必要となったりする場合もあるため、気になる症状が現れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

重大な症状

頻度は不明ですが、重大な症状として以下のようなものが挙げられます。

ショック、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)

血圧低下や蕁麻疹(じんましん)、喉の腫れ、呼吸困難などの症状が現れることがあります。

血液の異常(無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少)

白血球が減少すると感染のリスクが高まり、赤血球が減少すると酸素が欠乏して動悸、息切れ、だるさなどの症状が現れ、血小板が減少すると出血しやすくなるとされています。また、このような異常が生じていないか確認するため、血液検査を行うこともあります。

皮膚の異常(中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑)

  • 中毒性表皮壊死融解症(ちゅうどくせいひょうひえしゆうかいしょう):全身の広範囲が赤くなり、水ぶくれや皮膚のはがれ、ただれなども現れ、高熱なども伴う病気
  • 皮膚粘膜眼症候群:目、鼻、口、陰部などの粘膜がただれ、全身の皮膚に赤い斑点や水ぶくれ、ただれが多発し、発熱や倦怠感なども伴う病気
  • 多形紅斑:発熱や倦怠感の後に、四肢(特に足の裏や手のひら)に少し盛り上がりのある水っぽい赤い斑点が生じる病気

腎臓の異常(急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎)

むくみや尿の量が少なくなる、吐き気、嘔吐、全身の倦怠感といった症状が現れることがあります。

また、急性腎障害に伴い高カリウム血症(血液中のカリウムの濃度が高くなること)が生じると、悪心、嘔吐、しびれ、知覚過敏、脱力感などの症状が現れることがあるほか、カリウムの濃度が過剰になると、心臓にも影響が及ぶこともあるため注意しましょう。

うっ血性心不全

うっ血性心不全とは、体の需要に対して十分な血液が送り出せず、肺に血液がたまるものです。動くと息苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急激な体重増加、咳やピンク色の痰などの症状が現れることがあります。

間質性肺炎

発熱、咳、呼吸困難などの症状が現れることがあります。

消化管出血(重篤な消化性潰瘍、小腸や大腸からの出血)

吐血、下血、血便などの症状がみられ、時にショック状態になることがあります。

ここにある症状が全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するとよいでしょう。