希望するご予約を
お選びください

×閉じる
診療科目
2022.09.16
#対象疾患

ロコイド

ロコイドとは

ロコイドとは、湿疹や皮膚炎の治療に使うステロイドの塗り薬です。皮膚の炎症を抑え、赤みや腫れ、かゆみなどの症状を改善するとされています。薬はロコイド軟膏0.1%とロコイドクリーム0.1%があります。

ステロイド薬の強さ

ステロイドの塗り薬は作用の強さ別にランクに分けられ、年齢や使用部位に応じて使い分けます。日本皮膚科学会によれば、もっとも効果の弱いものから“ウィーク(弱い)”“マイルド(普通)”“ストロング(強い)”“ベリーストロング(とても強い)”“ストロンゲスト(もっとも強い)”の5ランクがあり、このうちウィーク、マイルド、ストロングに関しては、市販薬としても販売されています。

ただし市販薬と処方される治療薬とでは、同じ成分でも作用の強さが若干異なることがあるため、注意が必要です。なお、ロコイドは“マイルド”に分類されています。

強さによって使い分けが必要な理由

ステロイドの塗り薬は年齢や使用部位によって薬剤の浸透率(吸収されやすさ)が異なります。そのため、それに応じたステロイドを選ぶことが大切です。たとえば、顔や首は皮膚が薄いため浸透率がよく効果が強く出やすいので、強さが低いマイルドなステロイドを使用することが一般的です。

また、乳幼児では主に“マイルド”や“ストロング”の使用を検討します。そのため、自己判断せず、医師や薬剤師に確認したうえで使用するようにしましょう。

ロコイドが処方される病気とは?

ロコイドが処方されるのは、主に以下のような病気のときです。

  • 進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎、ビダール苔癬、を含む湿疹・皮膚炎群
  • 蕁麻疹様苔癬(じんましんようたいせん)、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む痒疹群(かゆみのある虫刺されのような盛り上がり)
  • 乾癬(かんせん)(銀白色のうろこ状のくずを伴う赤い斑点)
  • 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)(膿のたまった皮疹が手のひらや足の裏に数多くできるもの)

ロコイドの使用方法とは?

症状によって適宜増減しますが、1日1回~数回、適量を患部に塗ります。また、化粧をする場合は薬を先に塗ること、髭剃り後などに使わないことなどに注意してください。

ロコイドの使用に注意が必要な人とは?

ロコイドの使用に注意が必要な人、使用できない人は以下のとおりです。当てはまる場合は、医師に伝えるようにしましょう。

ロコイドの使用に注意が必要な人

  • 妊娠中または妊娠している可能性がある女性
  • 小児等
  • 高齢者 など

ロコイドの使用ができない人

  • 細菌や真菌、スピロヘータ、ウイルスによる皮膚感染症、動物性皮膚疾患(疥癬(かいせん)、けじらみなど)の人
  • ロコイドに対して過敏症の既往歴がある人
  • 鼓膜に穿孔(せんこう)がある湿疹性外耳道炎の人
  • 第2度深在性以上の熱傷・凍傷、潰瘍(かいよう)(ベーチェット病は除く)がある人 など

ロコイドと飲み合わせの悪い薬や食品はある?

添付文書には記載はありません。しかし、ほかに薬などを使っている場合はお互いに作用が強まったり、弱まったり、体に悪影響を及ぼしたりする可能性もあるため医師に相談するとよいでしょう。

ロコイドの使用中に注意したい症状

ロコイドの使用中に、以下のような症状が現れることがあります。気になる症状がある場合は早めに医師に相談するとよいでしょう。

重大な症状

いずれも頻度は不明ですが、まぶたに使うと眼圧が上昇したり、緑内障や白内障が生じたりすることがあります。このような場合は使用中止などの適切な処置が必要となるため、すぐに受診するとよいでしょう。

目の痛みや充血、かすみ、視力の低下、まぶしさを感じるなどの症状が生じることがあるため、このような症状に注意してください。

比較的よく起こる症状

0.1~5%未満の頻度で、過敏症が引き起こされることがあります。症状としては、赤み、かゆみ、刺激感、皮膚炎などが挙げられます。このような場合は、改善のために適切な薬を併用したり、ロコイドの中止を検討したりする必要などがあるため、早めに医師に相談するとよいでしょう。

まれな症状

0.1%未満の頻度で、真菌症(水虫など)、細菌感染症(毛嚢炎(もうのうえん)・せつ、あせもなど)、にきびのような皮疹、乾燥などが生じることがあります。

そのほか、頻度不明ですが真菌症(カンジダ症)、細菌感染症(伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん))、ウイルス感染症、酒さ様皮膚炎、口囲皮膚炎(頬、口のまわりの赤み、膿をもった皮疹、盛り上がった皮疹、毛細血管拡張などの症状)、ステロイド皮膚(皮膚の萎縮、毛細血管拡張、紫の斑点などの症状)、かぶれ、魚鱗癬様皮膚変化(ぎょりんせんようひふへんか)、多毛、色素脱失、下垂体・副腎皮質系機能の抑制などが生じることがあります。

このような皮膚の異常などが現れた場合は、改善のために適切な薬を併用したり、ロコイドの中止を検討したりする必要などがあるため、早めに医師に相談するとよいでしょう。

なお、以上の症状は全てではありません。詳細な効果や副作用については、医師や薬剤師のほか、薬の添付文書を確認するようにしましょう。