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診療科目
2022.05.30
#性感染症 #対象疾患

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となる性感染症のことです。HPVには80以上の型があり、中でも6型や11型、時に16型などが尖圭コンジローマの原因になるとされています。尖圭コンジローマになると、性器やその周りに淡い赤色や褐色のイボ状の腫瘍(しゅよう)ができるといった症状が現れることがあります。

感染経路は性行為または性行為に類似する行為で、感染予防のためにコンドームを使用するとよいとされています。ただし、ウイルスは皮膚や粘膜の小さな傷から入って感染するため、性器周辺に皮膚の病気(接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎など)がある場合は感染しやすいといわれています。また、母親が感染していると分娩時に感染が起こり、乳児が喉頭乳頭腫(喉にできる良性の腫瘍)を発症する可能性もあるため注意が必要です。

尖圭コンジローマの症状

主な症状

尖圭コンジローマでは症状が現れないことが一般的ですが、以下のような症状がみられる場合もあります。

  • イボ状の小さな腫瘍
  • おりものの増加
  • かゆみ
  • 疼痛(とうつう)

など

受診の目安

尖圭コンジローマは良性の腫瘍で、通常は治療しなくても自然に治るとされています。ただし、尖圭コンジローマの原因であるHPVはパートナーにも感染する可能性があり、16型に感染していると、まれに子宮頸がんに進展することがあるため、放置せずに治療を受けることが必要です。

また、自分が治療を受けてもパートナーが感染していれば再感染する可能性があるため、パートナーも同時に治療を受けるようにしましょう。そのほか、妊娠している場合は母子感染のリスクがあるため、出産までに治療を終える必要があります。気になる症状がある場合は、かかりつけ医や泌尿器科などの受診を検討しましょう。

尖圭コンジローマの治療のポイント

尖圭コンジローマの治療は、薬による治療と外科的な治療の大きく2つがあり、イボの場所や症状を踏まえて選択します。 また、症状がなくなってもウイルスは残っている場合があり、時に再発することもあります。そのため、医師の指示どおりに通院、治療を受けることが重要です。

薬の処方

ウイルスの増殖を抑える薬や、免疫力を高めてウイルスに感染した細胞を障害する薬などの塗り薬の処方が検討されます。

外科治療

イボを取り除く外科治療が行われることもあります。主に液体窒素で凍らせてイボを取り除く“凍結療法”や、レーザーでイボを取り除く“レーザー蒸散”、電気メスやハサミでイボを取り除く“切除術”などがあります。

※当院では外科治療は行っておりません。
※外科治療をご希望の方はレーザー治療を行っているクリニックの受診をお願いします。

尖圭コンジローマになったときに気を付けたいポイント

パートナーに伝える

自分が治療を受けても、パートナーが感染していれば再感染するリスクがあるため、パートナーも同時に受診し、治療する必要があります。そのため、自分の感染が分かったらパートナーにきちんと伝えるようにしましょう。

また、予防のためにはコンドームが有効とされているため、日ごろからパートナーと共に予防に努めるとよいでしょう。

治療後も医師の指示どおりに通院をする

ウイルス感染から発症までは数週間から3か月ほどかかるとされています。さらに4人に1人が、3か月以内に再発するといわれているため、治療が終わっても3か月ほどは経過観察が必要となります。そのため、医師の指示どおり忘れずに通院しましょう。

健康的な生活を心がける

免疫力を高めることでウイルスの活動が抑制され、症状が現れづらくなると考えられています。そのため、再発予防のためにも、健康的な生活を心がけることが大切です。疲れやストレスをためない、かぜなどをひいて体力を落とさないようにするといった点に注意しましょう。