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診療科目
2022.06.14
#腎臓内科 #対象疾患

尿が泡立つ

受診の目安になる症状

  • 季節や運動の有無などに関係なく尿が泡立つ
  • 果物や糖を含む飲料の摂取後、または食後に尿が泡立つ
  • 尿の泡立ちがすぐに消えない
  • むくみや倦怠感を伴う
  • 尿の泡立ちのほか、体重減少や微熱が続いている

など

尿が泡立つ場合は、何らかの理由によって尿の粘度が高まることで起こるとされています。これは病気でなくても、たとえば運動や季節によって汗をかいたり乾燥したりすることで体が水分不足になり、尿の粘度が高くなって尿が泡立つこともあります。しかし、時に腎臓病やがんなどの病気が原因となっていることもあり、その場合は適切な治療が必要となります。

そのため、季節や運動など特別思い当たる原因がないのに尿が泡立ったり、体重減少や微熱などの気になる症状を伴ったりする場合は、腎臓内科やかかりつけ医などの受診を検討するとよいでしょう。

尿が泡立つときの原因と対処法

水分摂取不足

汗をたくさんかくような暑い夏や運動後、または皮膚から水分が蒸発するような乾燥する冬などに水分摂取が不足すると、尿が濃くなり泡立つことがあります。この場合は水分摂取量を増やせば泡立ちの程度が軽くなるとされています。

腎臓病

腎臓病とは、腎臓のはたらきが悪くなる全ての病気のことをいいます。

腎臓には、老廃物を含む血液をろ過して尿を作るはたらきがあります。この際、通常はタンパク質が吸収されて血液に戻るのですが、腎臓に異常があるとタンパク質が吸収されずに尿の中に出てしまい、泡立ちが目立つとされています。

腎臓病は基本的に自覚症状がなく、むくみや倦怠感などの症状が現れるのはある程度進行してからであることが一般的です。また、腎臓病が原因で尿が泡立つ場合、水分摂取量を増やすと泡立ちは改善されます。しかし、そのまま放置すると病気が進行して腎不全に至り、透析治療や腎臓移植が必要な状態になることもあります。

治療は安静や食事療法、薬物療法など病状に応じて選択します。また、尿を作ることができなくなった場合は透析治療や腎臓移植を行うことになります。

【慢性腎臓病】の詳細はこちら

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群とは、さまざまな理由で血液中のタンパク質が尿に大量に漏れ出てしまうことにより、血液中のタンパク質の濃度が薄くなってしまうことをいいます。主な症状として体のむくみや体重の増加、尿の泡立ち、疲れやすさ、だるさなどが挙げられます。

ネフローゼ症候群には、ほかの原因疾患がない“一次性ネフローゼ症候群”と糖尿病などの病気に伴って起こる“二次性ネフローゼ症候群”があり、種類に応じて治療方法が異なります。

原因疾患のない“一次性ネフローゼ症候群”の場合にはステロイドなどによる薬物療法が、“二次性ネフローゼ症候群”では原因となる病気に対する治療が検討されることが一般的です。そのほか、むくみに対する塩分制限などの食事療法や利尿薬などの薬物療法、一時的な透析治療なども検討されることがあります。

【ネフローゼ症候群】の詳細はこちら

糖尿病

糖尿病とは、インスリン(ホルモン)の不足やはたらきの低下で血糖値が高い状態が続く病気です。

血糖値が高くなると尿中に糖が排出されるようになり(尿糖)、尿糖が増加すると尿の粘度が高くなって尿が泡立つとされています。特に、果物や糖分が含まれる飲み物の摂取後や、食後に尿の泡立ちが目立つ場合は糖尿病の可能性があります。放置すると目や腎臓、神経などの病気につながることもあります。

治療は血糖値のコントロールを目的に、食事療法、運動療法、薬物療法などを行います。

【糖尿病外来】の詳細はこちら

がん

白血病や多発性骨髄腫といったがんによって血液中のタンパク質が増加し、尿に排出されることで尿が泡立つ場合があります。

白血病は骨髄で血液を作る過程に異常が生じ、赤血球、白血球、血小板ががん化して増殖することで発症する病気です。多発性骨髄腫は骨髄の中にある形質細胞ががん化して増殖する病気です。いずれも、尿の泡立ち以外に貧血や感染、発熱、体重減少、骨の痛みなどの症状が現れることがあります。

治療には、抗がん剤などによる薬物療法や造血幹細胞移植などの選択肢があります。

尿が泡立つときに気を付けたいポイント

水分を摂取する

先述のとおり、季節や運動などによって水分量が不足すると、尿が濃くなり泡立つことがあります。水分量が不足するような状況に心当たりがある場合は、水分摂取量を増やせば泡立ちの程度は軽くなるとされています。

一方で、腎臓病が原因の場合も水分摂取量を増やせば泡立ちが改善されるといわれていますが、腎臓病は治療しないと病状が進行していくため注意が必要です。そのため、気になる症状がある場合は放置せず、かかりつけ医や腎臓内科などの受診を検討するとよいでしょう。

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