リベルサス
新型コロナウイルス感染症の後遺症とは、病気が回復した後も嗅覚・味覚障害や呼吸困難、咳、倦怠感や思考力・集中力の低下などの症状がみられることです。WHO(世界保健機関)は後遺症について“新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2か月以上持続し、また、ほかの病気による症状として説明がつかないもの”と定義しています。
中でも本記事では、新型コロナウイルス感染症の後遺症である抑うつについて解説します。
新型コロナウイルス感染症の後遺症では、抑うつがみられることがあります。抑うつとは「気分が落ち込んで何にもする気になれない」「ゆううつな気分」といったの心の状態が強くなり、さまざまな精神症状や身体症状がみられることをいいます。
後遺症を疑い精神科外来を受診したケースでは、差はあるものの、抑うつや不安状態を示し、ほとんどがうつ病の診断基準を満たす病状だったという報告があります。しかし、抑うつ状態の重症度や発症の背景に関しては、現時点で一貫性はないと考えられています。
また、このような後遺症は1つだけではなく、複数の症状が同時に出ることもあります。後遺症が1つでもあると、生活の質(QOL:Quality of Life)が低下し、不安や抑うつ、および新型コロナウイルス感染症に対する恐怖心が強くなり、眠れないと感じる方が多くなる傾向が報告されています。
新型コロナウイルス感染症になってからまだまもない時期(急性期)から持続するものと、急性期から回復した後に新たに出現するものがあります。また、症状の程度は変動し、症状が治まった後に再び出現することもあります。
個人差がありますが、一般的に6週間~3か月ほど続くと考えられています。また、新型コロナウイルス感染症の後遺症全般からみると、半数以上が5か月以内に症状の改善を感じるといわれていますが、1年以上持続する場合も報告されています。
東京都の後遺症対策チーム*では「コロナ後遺症相談窓口」相談データをもとに、新型コロナウイルス感染者(オミクロン株と見込まれる方)の後遺症について分析したデータを公表しています。そのデータによると、抑うつの割合は1.6%でした。
なお、もっとも多いのは咳で38.6%、次が倦怠感(だるさ)で34.0%という結果が報告されています。
*東京iCDC後遺症タスクフォース.“都立・公社病院「コロナ後遺症相談窓口」の相談データ分析” ,東京都,閲覧2022-08-15
以下の場合は早めに医療機関を受診しましょう。そのほか、気になることがあれば医師や住まいの自治体の相談窓口に相談するとよいでしょう。
現段階では、抑うつをはじめ後遺症に対する確立した治療法はありません。症状に合わせた治療を行う“対症療法”が中心となります。不安や苦痛などに関するカウンセリングなどを行いながら、必要に応じた治療が検討されます。
海外の研究では、新型コロナウイルスの感染前に新型コロナワクチンを2回接種していると、28日以上続く症状の出現が約半数へ減少するといったことが報告されています。つまり、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐワクチン接種が、後遺症の抑制につながる可能性があるのです。
コロナウイルス感染症の後遺症の1つに、抑うつがあります。基本的には徐々に回復するので、休息を取ったり生活習慣を整えたりして過ごすことが大切です。ただし、抑うつをはじめとした症状が4週間以上続く場合は、かかりつけ医や近隣の医療機関に相談しましょう。
eHealthクリニックでは新型コロナ後遺症外来を設置し、24時間365日後遺症に悩む患者さんの診療を行っています。予約はもちろん診療から薬の処方まで全てオンライン上で完結できるため、忙しくてクリニックに足を運ぶ時間がない方でも時間や場所に関係なく利用いただくことが可能です。気になることがある場合はお気軽にご相談ください。
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