リベルサス
新型コロナウイルス感染症にかかると、3人に1人の割合で後遺症が出るといわれています。後遺症では、感染症が回復した後にも、湿疹や蕁麻疹などの皮膚症状、嗅覚・味覚障害や微熱・発熱、呼吸異常、咳、倦怠感や思考力・集中力の低下など、さまざまな症状が出る場合があります。このような症状の原因が明らかになっていないことから、確立された治療法がないのが現状です。
なかでも本記事では、新型コロナウイルス感染症の後遺症である湿疹や蕁麻疹などの皮膚症状について解説します。
湿疹とは、かゆみやブツブツした発疹を生じる症状のことをいいます。また蕁麻疹とは、皮膚の一部が突然赤くくっきりと盛り上がり、しばらくすると跡形もなく消える症状のことです。
新型コロナウイルス感染患者の皮膚症状についての症例をまとめた海外の論文では、感染時に湿疹や蕁麻疹などの皮膚症状が出ることが報告されています。また、ここでは呼吸器症状の発症後、または新型コロナウイルス感染症の診断後7 日以内にこのような皮膚症状が出現したのは74.0%、7日以降に出現したのは6.0%という結果が出ています。
発症時の症状としてもっとも一般的な皮膚症状は、麻疹のような赤く盛り上がった湿疹とされています。また、大部分の皮膚症状が体幹と手足にみられることが分かっています。
後遺症の湿疹や蕁麻疹には急性期から続くものや、新型コロナウイルス感染症の急性期から回復した後に新たに出現するものがあります。また、湿疹や蕁麻疹の程度は時間とともに変化し、症状が治まったと思えば再び出現することもあります。
後遺症全般でいうと、半数以上が5か月以内に症状の改善を感じるといわれています。その一方で、1年以上持続する場合もあります。このように、湿疹や蕁麻疹を含む後遺症が治まるまでの期間や経過には個人差があります。
以下の場合は早めに医療機関を受診しましょう。そのほか、気になることがあれば医師や住まいの自治体の相談窓口に相談するとよいでしょう。
現段階では、湿疹や蕁麻疹など皮膚症状をはじめ、新型コロナウイルス感染症の後遺症に対する確立した治療法はありません。そのため、症状に合わせた治療をする対症療法が行われます。
なお、後遺症の改善には個人差がありますが、基本的に自然に回復するといわれています。
また、海外の研究結果によると、新型コロナワクチンを2回接種してから新型コロナウイルスに感染した場合は、28日以上続く症状の発現が約半数へ減少することが分かっています。つまり、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐワクチン接種が、後遺症の抑制につながる可能性があると考えられているのです。
新型コロナウイルス感染症の後遺症の1つに湿疹や蕁麻疹があります。基本的には自然に回復するので、休息をとったり生活習慣を整えたりして過ごすことが大切です。
ただし、湿疹や蕁麻疹など気になる皮膚症状が4週間以上続く場合は、かかりつけ医や近隣の医療機関へ相談することがすすめられます。
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