リベルサス
新型コロナウイルス感染症では療養期間が終了したにもかかわらず、倦怠感や息切れ、思考力や記憶への影響などの症状(後遺症)が長引くことがあります。WHO(世界保健機関)は新型コロナウイルス感染症の後遺症について“新型コロナウイルスに感染した人にみられ、少なくとも2か月以上持続するもの(ほかの病気による症状として説明がつかない)”と定義しています。また、原因などについてはまだ不明なことが多く、引き続き調査が必要な状況です。
中でも本記事では、新型コロナウイルス感染症の後遺症である脱毛について解説します。
新型コロナウイルス感染症の後遺症では髪の毛が抜ける“脱毛”がみられることがあります。これは後遺症を自覚する人の中でも約4分の1にみられ、特に女性からの訴えが多いことが特徴です。
脱毛の程度は個人差があり、普段よりも髪の毛が抜ける量が増えるといった方もいれば、円形脱毛症のように抜けてしまう場合もあります。脱毛が起こる原因は不明であり、感染時の重症度と症状の程度は必ずしも関連しないと考えられています。
新型コロナウイルス感染症になって間もない時期(急性期)から持続するものと、急性期から回復した後に新しく出現するものがあります。特に脱毛の場合は、新型コロナウイルス感染症を発症してから1~2か月後に訴える方が多い症状といわれています。
脱毛は、症状が発生してから6か月程度で徐々に改善していくといわれています。また、後遺症全般で考えると半数以上が5か月以内に症状の改善を自覚するといわれています。ただし、1年以上持続する場合もあり、脱毛を含む後遺症が治まるまでの期間や経過には個人差があります。
東京都の後遺症対策チーム*において、「コロナ後遺症相談窓口」相談データをもとに、新型コロナウイルスの中でもオミクロン株と見込まれる感染者の後遺症について分析したデータによると、脱毛は0.8%の割合でみられ、デルタ株の頃と比較すると大きく減少しました。
なお、後遺症の中でもっとも多いのは咳で38.6%、次が倦怠感(だるさ)で34.0%という結果で、脱毛の症状の出現率はほかの後遺症と比べると低いといえます。
*東京iCDC後遺症タスクフォース.“都立・公社病院「コロナ後遺症相談窓口」の相談データ分析” ,東京都,閲覧2022-08-15
以下の場合は早めに医療機関を受診しましょう。そのほか、気になることがあれば医師や住まいの自治体の相談窓口に相談するとよいでしょう。
現段階では、脱毛をはじめ後遺症に対する治療法は確立されていません。そのため、対症療法(病気の症状を緩和する治療)が中心となるといわれています。なお、後遺症が続く期間には個人差がありますが、基本的には徐々に自然回復する傾向が明らかであり、治療は不要と考えられています。
海外の研究によると、新型コロナウイルスに感染する前に新型コロナワクチンを2回接種していた場合は、症状が28日以上続くことが約半数へ減少することが報告されています。
新型コロナウイルス感染症の後遺症の1つに、髪の脱毛があります。基本的には自然に治るので、休息を取ったり生活習慣を整えたりして過ごすことが大切です。ただし、脱毛をはじめとした症状が4週間以上続く場合は、かかりつけ医や近隣の医療機関に相談しましょう。
eHealthclinic 新宿院では新型コロナ後遺症外来を設置し、24時間365日後遺症に悩む患者さんの診療を行っています。予約はもちろん診療から薬の処方まで全てオンライン上で完結できるため、忙しくてクリニックに足を運ぶ時間がない方でも時間や場所に関係なく利用いただくことが可能です。気になることがある場合はお気軽にご相談ください。
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