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2022.12.28

肥満外来で使用される薬とは? ~主な薬の種類や特徴について紹介~

BMI25以上で、高血圧、高血糖などの合併症を起こしている場合、または合併症を起こすリスクが高い場合は“肥満症”という病気として治療対象となります。肥満症の治療の基本は食事療法・運動療法などの生活習慣の改善です。これらで十分な効果が得られない場合、薬物療法が検討されることがあります。今回は、肥満外来で使用される主な薬の種類や特徴について解説します。

肥満外来で使用される主な薬

肥満の治療に用いられる薬はさまざまであり、実際に使用する薬は患者さんによって異なります。eHealth clinicの肥満外来では主に以下の薬が検討されます。

GLP-1受容体作動薬

GLP-1受容体作動薬とは、インスリン(血糖を一定の範囲に収める作用があるホルモン)の分泌を促し、血糖値を下げる効果を持つ薬です。薬のタイプには飲み薬や注射薬があり、イーヘルスクリニックでは飲み薬のリベルサスというGLP-1受容体作動薬を使用します。

GLP-1受容体作動薬は血糖値を下げる作用のほか、食べ物が胃から排泄されるのを遅らせる、食欲を抑えるなどのはたらきもあるため、体重を減らしたり体脂肪をつきにくくしたりすることにも役立つとされています。2型糖尿病患者さんに対して、52週間にわたって1日1錠のリベルサスやほかのGLP-1受容体作動薬(リラグルチド)、またはプラセボを投与した臨床試験では、26週までの使用による体重変化の結果が以下のように出ています。

  • 3mgの投与:-0.4±1.9kg
  • 7mgの投与:-1.2±1.9kg
  • 14mgの投与:-2.4±3.0kg
  • プラセボの投与:-1.1±1.6kg

リベルサスは1日1回、空腹時に飲む必要があります。服用後30分間は、飲食やほかの薬の服用を避けなくてはなりません。また、副作用として食欲減退、吐き気、下痢、便秘、嘔吐などの症状が出る場合があります。

eHealth clinicでは、以下の金額でリベルサスを処方しています。ほかのクリニックとは異なり、管理栄養士によるカウンセリング(栄養指導)をセットで実施している点が特徴です。

SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬とは、グルコース(ブドウ糖)の再吸収を抑制して尿中に排泄させ、血糖値を下げる作用がある薬です。SGLT2阻害薬を投与すると、食事で糖質制限をしているような状態になるため、体重減少につながるとされています。

フォシーガは、1錠を1日1回服用します。副作用としてふらつき、冷や汗などの低血糖症状、喉の渇きや尿量の変化、めまい、脱力感などの脱水症状、吐き気や嘔吐、腹痛、発熱などの症状が出る場合があり、この場合は急いで医療機関を受診する必要があります。

eHealth clinicでは、以下のとおり管理栄養士によるカウンセリングセットを実施しています。


肥満外来の薬は保険適用?

eHealth clinicで使用するGLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、漢方薬を用いた治療は保険が適用されず、基本的に全額自己負担となります。なお、肥満の治療で保険が適用されるのはマジンドールという薬のみです。

肥満による不調は医療機関で相談を

肥満症の治療の基本は食事療法・運動療法などの生活習慣の改善で、必要に応じて薬の使用が検討されます。 薬を使用しているからといって、生活習慣を改善しないでよいということではないため注意しましょう。肥満外来で使われる薬について疑問や不安がある場合は医師や薬剤師に質問するようにしましょう。

イーヘルスクリニックの肥満外来は自由診療となり、主に栄養カウンセリングや薬の処方を行っています。一口に肥満を治療すると言っても適切な治療は患者さんによって異なり、全て同じとはいえません。イーヘルスクリニックでは丁寧な問診から、一人ひとりに合った治療を提案します。なお、それぞれの治療は副作用などのリスクもあります。副作用など注意点は診察時に説明をいたします。不安や疑問があればお気軽にご相談ください。

肥満のオンライン診療について詳しく見る

※イーヘルスクリニックの肥満外来で使用するリベルサスやフォシーガ「2型糖尿病」の効能・効果で承認されていますが、肥満治療目的での使用については日本で承認されていません。
※日本で「肥満治療」の効能・効果で承認されている、GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬はありません。
※リベルサスと同一成分の注射製剤が、アメリカFDAでは承認されております。
※本医薬品は医師個人が輸入手続きを行っています。
※個人輸入において注意すべき医薬品等については厚生労働省のサイトをご覧ください。

参考文献

Yamada Y., et al.:Lancet Diabetes Endocrinol. 2020;8(5):377-91