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2022.09.30

頻尿の原因や対処法は?~自分でできる対処法をご紹介~

頻尿とは、いわゆる“トイレが近い”ことを指します。回数だけで判断はできませんが、朝起きてから寝るまでの間にトイレに8回以上行く、トイレの間隔が2時間以上もたないという人は、頻尿の可能性があります。ひとくちに頻尿といっても、複数の原因があります。そのため、原因に合わせた対処が必要です。

この記事では、頻尿の主な原因と対処法を紹介します。

頻尿の原因

頻尿の目安は1日8回以上の排尿ですが、7回以下でも頻繁にトイレに行くという自覚があるなら頻尿といえます。

考えられる主な原因について1つずつ解説しています。

膀胱が過敏になる

1つ目は、膀胱が過敏になっていることが原因となるケースです。

膀胱が尿でいっぱいになると、それが神経から脳に伝わり、トイレに行きたくなります。しかし膀胱が過敏になると、まだスペースはあるのに尿意を感じます。これは“過活動膀胱”と呼ばれます。

過活動膀胱になると、急に激しい尿意を感じるほか、失禁してしまうこともあります。主な原因は脳や脊髄(せきずい)の病気による排尿障害、老化現象などで、原因不明のケースもあります。

膀胱容量の低下

2つ目は膀胱の容量の低下です。通常、人は膀胱に尿が250~300mlほどたまるまでは我慢できます。しかしこの容量が少なくなると、尿意を感じる回数も増えます。

膀胱の容量が少なくなる原因には、過活動膀胱のほか、加齢による筋力の低下や前立腺肥大症、冷えによる筋肉の収縮など、さまざまなものが考えられます。

残尿量の増加・排尿障害

3つ目は、残尿量の増加・排尿障害です。

排尿後も膀胱に尿が残ることを残尿といいます。残尿量が増えると、新たにためられる尿量が少なくなり、1回の尿の量も減るため、何度もトイレに行きたくなります。

残尿量が増える原因には、前立腺肥大症や脳梗塞(のうこうそく)といった病気のほか、子宮がん・直腸がんの手術後、あるいは糖尿病による排尿障害などがあります。

多尿(尿量の増加)

4つ目は、体内でつくられる尿の量が増える“多尿”です。

尿量は糖尿病や腎機能の低下のほか、利尿作用のある薬や飲み物、水分の取りすぎで増えます。また、発汗量が少ない冬にも増える傾向があります。

尿路感染症・炎症

5つ目は尿路感染症・炎症です。

尿路感染症は、膀胱炎や尿道炎、前立腺炎など尿の通り道で起こる感染症です。尿道に細菌が入り炎症を起こすと、膀胱の神経が過敏になり尿意を感じやすくなります。

また、女性は男性より尿道が短いため、女性のほうが尿路感染症になりやすいといわれています。

ストレスや心因性

上に挙げたような病気や異常がないのに何度もトイレに行きたくなる場合は、心因性の頻尿が疑われます。

試験の前など緊張する場面でトイレが近くなる、長時間の移動などトイレに行けない状況をプレッシャーに感じるといったケースも頻尿につながることがあります。

頻尿の対処法

まず、痛みを伴うような場合はすぐに病院で診てもらうことをおすすめします。痛みがない場合、次のような対処法を試してみてください。

排尿日誌をつける

排尿日誌とは、水分を摂取した量や時間、トイレに行った時間や尿の量などを記録するものです。

3日間ほど記録することで、原因がみえてくる可能性があります。たとえば水を飲む回数が多い、コーヒーを飲んだ直後にトイレに行っているなどの傾向があるなら、飲む回数や量を調節して改善させましょう。

利尿作用がある飲み物を控える

コーヒーや紅茶、ビールなどには利尿作用があります。普段からこれらをよく飲む人は、量や回数を減らしてみてください。

まずはコーヒーや紅茶を水に換えてみてください。

体を冷やさない

体が冷えると、膀胱炎のリスクが高まるほか、体内の余分な水分を汗として出すことができず、尿量が増えることにつながります。なるべく温かい飲み物・食べ物を選び、特に下腹部を冷やさないようにしましょう。

骨盤底筋体操を行う

過活動膀胱による頻尿には、骨盤の底で膀胱や尿道などを支える筋肉“骨盤底筋”を鍛えるのが効果的です。

簡単な体操があるので紹介します。

  1. 肛門(こうもん)・尿道をきゅーっと縮める
  2. そのまま5つ数えてキープ
  3. 力を緩めて5つ以上数えたらまた縮める

1~3を8回繰り返し、それを1セットとして1日に数セットから10セット行います。効果が出るまでには1~3か月ほどかかるので、根気よく毎日続けましょう。

原因が思い当たらないなら病院で受診を

頻尿には“トイレが近い”という共通点があるものの、その症状や原因はさまざまです。まず自分でできる対処法には、排尿日誌をつける、水分を飲む量を減らすなどがあります。それでも状況が変わらず、原因が見つからないといった場合には、診察を受けることをおすすめします。

心因性の頻尿であれば、体に異常がないと分かればすぐに症状が改善する可能性もあります。恥ずかしがらず、早めに病院に行きましょう。