40代の血圧の正常値を医師が解説|基準値と正常に保つポイントも紹介

高血圧は、自覚症状がないまま静かに進行することからサイレントキラーとも呼ばれます。厚生労働省の健康・栄養調査によると、50代の平均血圧は日本高血圧学会が定める正常血圧の基準値を上回る傾向が報告されました。周囲と比べて大丈夫と判断すると、脳卒中や心筋梗塞のリスクを見落とす可能性があります。
特に50代女性の場合、女性ホルモンの低下や自律神経の変化などが関与して血圧が不安定になる場合があります。この記事では、50代の血圧の目標値と今日から始められる具体的な対策を解説します。ホルモンや体の変化が影響しやすい50代を見直して、健康的な生活を今後も続けましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、更年期による血圧の変動や体調不良についても総合的に診察を行っています。血圧の状態や生活習慣を確認し、一人ひとりに合った管理方法をご提案します。
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記事監修:天野方一(イーヘルスクリニック新宿院 院長)
経歴:埼玉医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学付属病院や足利赤十字病院などで勤務。2016年、帝京大学大学院公衆衛生学研究科へ入学。2018年、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)へ留学。予防医療特化のメディカルクリニックで勤務後、2022年「イーヘルスクリニック新宿院」開院。
専門分野:腎臓内科、抗加齢医学(アンチエイジング)、産業医学
資格:日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士・博士
血圧の正常値と50代の平均値について、以下の3つを解説します。
血圧の数値には収縮期(上)と拡張期(下)があり、それぞれ以下のとおり心臓の動きと深く関わっています。
血圧には、診察室で測る診察室血圧と自宅で測る家庭血圧があります。診察室血圧は緊張で高くなることがあり、白衣高血圧と呼ばれます。家庭血圧は日常の血圧状態を把握しやすいとされており、診察室では正常でも家庭で高値となる仮面高血圧の把握にも役立ちます。
近年は、仮面高血圧の発見にもつながる家庭血圧も重視されています。本当の血圧を把握するため、毎日の家庭での血圧測定を習慣にしましょう。
50代の方の血圧の平均値はどのくらいか、厚生労働省より以下の結果が報告されています。
大切なのは、平均値と健康維持の目安となる正常値は異なるという点です。実際には、平均値は、正常血圧の範囲をすでに超え始めています。加齢に伴い血管の弾力性が低下しやすくなるため、50代は高血圧と診断される方が増える傾向にあります。ご自身の数値を平均値と比べるだけでなく、正常値を意識することが重要です。
血圧の目標は、健康な血管を保ち将来の病気を予防するために共通しています。正常血圧値を目標にすることは、将来の脳卒中や心筋梗塞、腎臓病などの病気を未然に防ぐうえで重要です。厚生労働省が提示している正常血圧の基準は以下のとおりです。
正常高値血圧や高値血圧は、放置すれば高血圧に移行する可能性が高い状態です。正常高値血圧では生活習慣を見直し、高値血圧では減塩や運動などを積極的に行いましょう。家庭血圧を継続して確認するのも大切です。
50代女性に見られる更年期高血圧について、以下の3つを解説します。
女性ホルモン(エストロゲン)は、更年期に血圧が上がりやすくなる要因の一つです。エストロゲンは妊娠や出産だけでなく、女性の全身の健康維持に欠かせません。
エストロゲンは、血圧の安定に関わる働きを担っています。血管のしなやかさを保ち、血液の流れを円滑にする役割があります。自律神経を整え、心臓の拍動や血管の収縮と拡張の調整にも関与しています。エストロゲンの分泌が減ると、血管は硬くなり、同じ量の血液を送り出すためにより高い圧力が必要になります。
自律神経のバランスも乱れやすく、血管の収縮や拡張のコントロールに影響します。その結果、ストレスや少しの体調変化で血圧が上昇するなど、不安定な状態に陥りやすいです。
更年期高血圧は、一般的な高血圧とは異なり血圧が変動(乱高下)しやすい特徴があります。朝は正常でも夕方には高くなったり、日によって数値が変わったりします。高血圧の症状と更年期障害の症状が似ているため、ご自身で判断するのは難しいです。以下の症状が血圧変動と共に気になる場合は、更年期高血圧の可能性があります。
上記の症状の多くは、自律神経の乱れが関係しています。症状は更年期の不調や血圧変動に関連して現れる場合がありますが、自己判断せず医療機関で相談することが大切です。
更年期の血圧上昇を軽視するのは注意が必要です。更年期の血圧上昇をきっかけに、そのまま本格的な高血圧症へ移行する方も少なくありません。研究では、血圧が高いほど心臓や脳の血管の病気になるリスクが、高まっていくことが明らかにされています。
血圧が高い状態が続くと、血管の内壁に常に強い圧力がかかり、動脈硬化が進みます。その結果、将来的に以下の病気を引き起こす可能性があります。
更年期は、これからの人生を元気に過ごすための大切な準備期間です。更年期にご自身の血圧と向き合い適切な管理を始めることは、将来の深刻な病気を防ぐための重要な取り組みです。
以下の記事では、血圧が高いと現れる症状や脳・目・腎臓・心臓などへの具体的な影響について詳しく解説しています。
>>血圧が高いと出る症状とは?脳や目、腎臓、心臓などの合併症のリスクを解説
健康診断などで血圧が高めと指摘されたときの基本対策について以下の3つを解説します。
家庭血圧記録は、生活改善の効果を数値で確認できるため、診察の際に治療方針を決めるうえで役立つ情報です。家庭で正しく血圧測定をするために、以下の5つを守りましょう。
家庭血圧は、できるだけ毎日同じ条件で続けることが大切です。測定値に加えて脈拍や体調の変化も記録しておくと、血圧の傾向を把握しやすく受診時にも役立ちます。
血圧管理において、食事(特に塩分コントロール)は欠かせません。塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度を薄めるために水分が溜め込まれます。その結果、全身を巡る血液の量が増え、血管の壁にかかる圧力が強くなります。
厚生労働省の報告では、高血圧の方や高血圧のリスクがある方は1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることが目標とされています。1日の食塩摂取量6g未満は、日本人の平均摂取量より少ないため、意識的な工夫が必要です。
調味料は直接かけず、小皿に取って使うと減塩につながります。香辛料や酢、レモンなどで風味を加えると薄味でも物足りなさを感じにくくなります。野菜や果物、海藻などに多く含まれるカリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促す働きがあります。積極的に摂取しましょう。
以下の記事では、高血圧の食事で気をつけるポイントやおすすめの食品・飲み物について詳しく解説しています。
>>高血圧の食事で気をつけること!血圧を下げる飲み物・食べ物も紹介
適度な運動は、血管の弾力性維持や血圧の安定、体重管理にも役立つと考えられています。ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動がおすすめです。厚生労働省では、30分以上の中等度の有酸素運動を定期的に行うことが勧められています。
研究では、継続的な運動が腸内環境を整え、血圧の安定に役立つ可能性が示されました。運動により善玉菌が増えると、短鎖脂肪酸が作られます。短鎖脂肪酸は、免疫や神経機能を介して血圧に間接的な影響を与えると考えられています。体調が悪い日は無理をせず、治療中や持病のある方は事前に医師へ相談しましょう。

健康診断などで血圧が高めと指摘されても、不安になりすぎる必要はありません。50代の女性は、更年期による女性ホルモンの減少が影響しやすいため、日頃から家庭血圧を測定する習慣をつけましょう。高血圧に加えて顔のほてりなどの症状を自覚する場合は、更年期高血圧の可能性があるため、医療機関の受診を検討ください。
減塩や適度な運動は、血圧改善に有効性が示されています。できることから生活習慣を見直しましょう。気になる症状や不安なことがあれば、一人で悩まず、かかりつけ医に気軽に相談してください。今後も健康的な生活を送るためにも、50代から意識的な生活習慣を心がけましょう。
イーヘルスクリニック新宿院では、50代女性の血圧変動や更年期に関するご相談にも対応しています。血圧や体調の変化、生活習慣を確認しながら、無理なく続けられる管理方法を医師が丁寧にご案内します。気になる症状がある方は、ご相談ください。
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